文献情報
文献番号
201024266A
報告書区分
総括
研究課題名
弾性線維性仮性黄色腫診断基準作成
課題番号
H22-難治・一般-211
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
宇谷 厚志(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
- 谷岡 未樹(京都大学 大学院医学研究科)
- 北岡 隆(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
- 築城 英子(長崎大学 病院)
- 田村 寛(京都大学 医学部附属病院)
- 前村 浩二(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
- 山本 洋介(京都大学 大学院医学研究科)
- 荻 朋男(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
弾性線維性仮性黄色腫(PXE)患者の実態調査により、診断基準を作成する。その結果を統計学的に検討することにより、特に重篤な臓器障害の合併、進行、予後等を予測できる因子の有無を検討し予防、早期医療への応用を行う。
研究方法
全国医療機関の、皮膚科、眼科、循環器科へ臨床調査個人票を送る。調査項目作成は皮膚・眼・心血管のそれぞれの専門家が班員として作成した。
遺伝子診断:同意の得られた症例に対しては診断確定のため、患者のABCC6の遺伝子解析を行う。
遺伝子診断:同意の得られた症例に対しては診断確定のため、患者のABCC6の遺伝子解析を行う。
結果と考察
大学及び公立病院の診療科長宛に患者の有無を問うはがきを郵送し、2ヶ月間で1095通の返事があり、患者は267症例であった。疫学・臨床調査票をこれらの症例を有する医療機関に郵送し、現時点でカルテを参考に詳細な記述のある症例だけで116例分の調査票が得られた。また遺伝子診断のため血液を送られた症例は14例である。
[皮膚]集計された116例のうち102例に皮疹が認められ、4例に皮疹は存在しなかった。
[循環器]PXE患者での虚血性疾患・検査異常は55例に認められた。高血圧の評価は、潜在患者が本邦では非常に多いといわれ、PXE症例における高血圧がPXEによる血管病変によるものかは、判断が困難であった。
[眼]全症例116例中、眼科症状ありが87例であり、そのうち80例で網膜色素線条を認めた。
[統計]皮疹スコア、口腔粘膜疹の存在などが、循環器症状と相互相関するという結果がでた。
[遺伝子]現時点では14例のうち3例においてシ-ケンスが終了し、遺伝子変異を同定した。
症状記載が無い患者は、本年度はこの不記載、不明をそのまま残した結果にした。従って、23年度以降の継続研究において、その症例に関して再度確認を行う必要があると考えられる。
[皮膚]集計された116例のうち102例に皮疹が認められ、4例に皮疹は存在しなかった。
[循環器]PXE患者での虚血性疾患・検査異常は55例に認められた。高血圧の評価は、潜在患者が本邦では非常に多いといわれ、PXE症例における高血圧がPXEによる血管病変によるものかは、判断が困難であった。
[眼]全症例116例中、眼科症状ありが87例であり、そのうち80例で網膜色素線条を認めた。
[統計]皮疹スコア、口腔粘膜疹の存在などが、循環器症状と相互相関するという結果がでた。
[遺伝子]現時点では14例のうち3例においてシ-ケンスが終了し、遺伝子変異を同定した。
症状記載が無い患者は、本年度はこの不記載、不明をそのまま残した結果にした。従って、23年度以降の継続研究において、その症例に関して再度確認を行う必要があると考えられる。
結論
皮膚、眼科では、特異的症状が出現していた。循環器症状の場合は年齢による虚血性疾患の発生とPXE自体による発生に明確な線引きは困難であった。従って、本邦のPXE患者の診断については皮膚、眼の領域に絞った項目で行う必要がある。
[診断基準について]
現時点での診断基準は、以下となる。
診断基準項目
a 皮疹
b 組織所見(弾性線維変性もしくは石灰化)
c 網膜色素線条
判定
a, bの2つは、いずれか1つが陽性
cは必須。(ただし前述した疾患を鑑別できること)
[診断基準について]
現時点での診断基準は、以下となる。
診断基準項目
a 皮疹
b 組織所見(弾性線維変性もしくは石灰化)
c 網膜色素線条
判定
a, bの2つは、いずれか1つが陽性
cは必須。(ただし前述した疾患を鑑別できること)
公開日・更新日
公開日
2011-12-27
更新日
-