遺伝性多発性外骨腫の実態把握と遺伝子多型に関する基盤研究

文献情報

文献番号
201024264A
報告書区分
総括
研究課題名
遺伝性多発性外骨腫の実態把握と遺伝子多型に関する基盤研究
課題番号
H22-難治・一般-209
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
清水 克時(国立大学法人 岐阜大学 大学院医学系研究科整形外科学)
研究分担者(所属機関)
  • 成松 久(独立行政法人産業技術総合研究所 糖鎖医工学センター)
  • 松本 和(国立大学法人 岐阜大学 整形外科学 )
  • 松本 嘉寛(九州大学 整形外科学 )
  • 小崎 里華(国立成育医療研究センター 第一専門診療部)
  • 高山 真一郎(国立成育医療研究センター 第二専門診療部)
  • 木全 弘治(愛知医科大学先端医学医療研究拠点)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 遺伝性多発性外骨腫(MHE)は常染色体優性遺伝であり,長管骨の骨幹端部に発生する骨腫瘍を特徴とする.MHEは稀な疾患で,海外での罹患率は1:50,000との報告があるが本邦での患者数は把握されていない.そこで本研究では,患者組織,医療機関,研究機関が三位一体となり,本邦での患者数の把握,効率よい検体の収集を行うシステム作りを第一の目標とする.
研究方法
 本研究では,患者組織,医療機関,研究機関が三位一体となり,本邦での患者数の把握,効率よい検体の収集を行うシステム作りを第一の目標とする.まず,我々医療機関と患者組織が検体の収集を行い,匿名化したのち,産業技術総合研究所,愛知医科大学で多型解析並びに生化学的解析を実施する.
結果と考察
 遺伝子検査に関しては,各機関では本研究を倫理委員会へ申請し,承認を得た施設から順次,患者への遺伝子検査のインフォームドコンセントを行い臨床データ,および血液サンプルの採取を開始している.研究開始が9月18日であり,ごく短期間ではあるが平成23年2月28日現在,合計23家族50人(本年度の目標は20例であった)の遺伝子サンプルを採取し解析中である.遺伝子検査結果では,現時点(平成23年2月28日)で17家族38名の遺伝子検査結果が判明している.今回の解析対象はEXT1,EXT2遺伝子であるが,EXT1,EXT2遺伝子に異常が見つかった患者は17家族中12家族(71%)であり,5家族にはEXT1,EXT2遺伝子の多型は発見されなかった.また,発見された遺伝子多型をMultiple Osteochondroma Mutation Databaseで検索すると,12家族のうち7家族(Family 1, 2, 7, 8, 11, 13, 16)に新たな多型が発見された.
結論
 本研究はスタートして短期間ではあるが,患者会,臨床機関,研究機関が三位一体となり効率の良い研究体制を確立している.本研究スタイルは,他の難治性疾患にも応用可能であり,極めて貴重な研究スタイルとなりうる.

公開日・更新日

公開日
2011-12-27
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201024264C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究での専門的・学術的観点からの成果は、遺伝子検査によって新たな遺伝子変異が発見されたことである。具体的には、現在までに23家族50名の検体を得ている.これまでに17家族中,12家族(71%)にEXT1,EXT2遺伝子に異常が見つかっており,5家族にはEXT1,EXT2遺伝子の多型は発見されなかった.また,発見された遺伝子多型の12家族のうち7家族(Family 1, 2, 7, 8, 11, 13, 16)に新たな多型が発見されたこと意義深い.
臨床的観点からの成果
岐阜大学では「外骨腫」専門外来を設けており、患者の効率的な集約につとめている。また、今回の第一の目標である、効率の良い検体採取システムの構築は、研究を開始して約6ヶ月という短期間に50名の検体を得たことからもほぼ達成できたと思われる。
ガイドライン等の開発
ガイドライン開発には継続した研究費の助成が必要である。
その他行政的観点からの成果
特記事項なし
その他のインパクト
特になし。

発表件数

原著論文(和文)
1件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
1件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
松本 和
患者会を交えた他施設共同研究 ー遺伝性多発性外骨腫症ー
臨床整形外科 , 46 (6) , 542-544  (2011)

公開日・更新日

公開日
2014-05-22
更新日
-

収支報告書

文献番号
201024264Z