脊柱変形に合併した胸郭不全症候群の全国実態調査により把握された患者の継続調査と二次性の原因により発症する胸郭不全症候群の全国調査

文献情報

文献番号
201024248A
報告書区分
総括
研究課題名
脊柱変形に合併した胸郭不全症候群の全国実態調査により把握された患者の継続調査と二次性の原因により発症する胸郭不全症候群の全国調査
課題番号
H22-難治・一般-193
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
川上 紀明(国家公務員共済組合連合会 名城病院 整形外科/脊椎脊髄センター)
研究分担者(所属機関)
  • 伊東 学(北海道大学医学部附属病院 整形外科)
  • 今釜 史郎(名古屋大学大学院医学系研究科 整形外科)
  • 宇野 耕吉(独立行政法人国立病院機構 神戸医療センター 整形外科)
  • 種市 洋(獨協医科大学 整形外科)
  • 竹下 克志(東京大学医学部附属病院 整形外科)
  • 辻 太一(国家公務員共済組合連合会 名城病院 整形外科/脊椎脊髄センター)
  • 平野 徹(新潟大学歯学総合病院 整形外科)
  • 藤原 憲太(大阪医科大学 整形外科学教室)
  • 松本 守雄(慶應義塾大学医学部附属病院 整形外科)
  • 南 昌平(聖隸佐倉市民病院 整形外科)
  • 柳田 晴久(福岡市立こども病院・感染症センター 整形外科)
  • 山崎 健(岩手医科大学医学部 整形外科)
  • 山元 拓哉(鹿児島大学医学部 整形・運動機能センター)
  • 渡邉 航太(慶應義塾大学先進脊椎脊髄病治療学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
脊柱変形に合併した胸郭不全症候群の全国実態調査により把握された患者を継続調査し
その進行度/重篤度の実態と要因の把握と評価を行う。また二次性の原因により発症する胸郭不全症候群の全国実態調査を行う。
研究方法
① 平成21年度調査により把握された本疾患を有する患者への継続調査 (自然経過)
② 国内の主要医療機関へのアンケート調査 (実態調査)
③ データ分析により胸郭不全症候群を有する病態の解明を研究会開催して行う。
結果と考察
側弯の進行が成長時期により明らかに差があることがわかり、特に乳幼児期における進行度は最も大きく、それに肋骨異常のタイプや脊椎奇形のタイプが悪化因子として影響を与えていた。種々の因子(脊椎奇形のタイプ、片側癒合の有無、肋骨異常のタイプ、国庫椎弓欠損の有無、肋骨異常の範囲や部位など)を検討することで、いつ頃手術を行うべきかなどの治療計画を立てやすくなることが期待される。問題はこの重症度分類がどの程度で実際の臨床に有用であるのか検討が必要で、今後の研究課題である。ただし、本研究の解析には胸郭不全症候群の呼吸機能の評価などのデーターが加えられておらず、今後、診断基準策定においては呼吸機能やADLからみた研究も行う必要がある。
結論
肋骨異常を合併した先天性側弯症に伴う胸郭不全症候群の病態、実態を把握するため協力施設から得られた70例の臨床データーを成長時期別で検討した。
側弯は乳幼児期に最も悪化し、思春期がその次に続く結果であった。この悪化には肋骨変形が片側性、混合型の奇形椎で、特にunilateral unsegmentd barを伴う、肋骨癒合、肋骨欠損などが存在する、広範囲な肋骨異常などが大きく関与していた。この結果を加味して、手術時期を判断する目的で4段階の重症度分類を提唱した。今後さらなるデーターを蓄積し本疾患の診断基準の策定、治療指針作成を進めていきたい。

公開日・更新日

公開日
2011-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201024248Z