白斑・白皮症の本邦における診断基準及び治療指針の確立

文献情報

文献番号
201024231A
報告書区分
総括
研究課題名
白斑・白皮症の本邦における診断基準及び治療指針の確立
課題番号
H22-難治・一般-176
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
片山 一朗(大阪大学大学院 医学系研究科 情報統合医学皮膚科学)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木 民夫(山形大学大学院 医学系研究科 皮膚科学)
  • 佐野 栄紀(高知大学 医学部皮膚科学)
  • 深井 和吉(大阪市立大学大学院 医学研究科臨床医科学専攻 皮膚科学)
  • 錦織 千佳子(神戸大学大学院 医学系研究科 皮膚科学)
  • 大磯 直毅(近畿大学 医学部皮膚科学)
  • 金田 眞理(大阪大学大学院 医学系研究科 情報統合医学皮膚科学)
  • 種村 篤(大阪大学大学院 医学系研究科 情報統合医学皮膚科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
確立された診断治療方法がなく、合併症も種々で、病因病態も不明のものが多い白斑、白皮症の
① 現状の把握 
② 病因病態の解明、
③ 診断・治療方法の確立
④ 新しい治療方の開発を目的としている。
研究方法
①白斑の現状把握のために全国の皮膚科施設へのアンケート調査による白斑の疫学調査を施行。
②尋常性白斑に対するナローバンドUVB療法の有効性の評価と安全性の確立を検討した。
③各分野の白斑に精通した皮膚科専門医を主体として白斑の診断基準、治療指針を確立、白斑の診断と治療のガイドラインの作成を行った。
④各班員の個別研究に基づいて、ビタミンD3併用紫外線照射の有効性の検討、OCAの遺伝子解析、尋常性白斑に対するカモフラージュメイク、外科治療の有効性の検討などを検討した。


結果と考察
①白斑の現状把握では 新規受診患者は、全新規患者6258例中75例で、25例が分節型、50例が非分節型であった。
②白斑に対するナローバンドUVB療法の有効性と安全性の確立のため、最適な照射量の検討を行う。
③ビタミンD3併用紫外線照射、尋常性白斑に対するカモフラージュメイク、分節型尋常性白斑に対する超音波表皮剥離と細切皮膚植皮術の有効性が示唆された。
④OCAの遺伝子診断を行った結果、軽症のOCAを引き起こす、未知の遺伝子の存在の可能性が示唆された。
⑤マウス毛包の色素幹細胞にもshort-term stem cell とlong-term stem cell が存在することが示唆された。

結論
先天性、後天性の白斑・白皮症において
①本邦での患者数、診断・治療の実態を明らかにした。
②診断・治療ガイドライン(案)を策定し、現在日本皮膚科学会においてパブリックコメントを求め、最終案を取り纏めている。
③白斑の新しい病態解明のために難治性の後天性汎発性自己免疫性白斑の患者数の実態調査と自然免疫系に関わる分子群遺伝子の遺伝多形解析を目的としてコロラド大学との共同研究を実施した。
④治療法においてはナローバンドUVBとエキシマランプの使用基準と長期安全性に関するコンセンサスを国際白斑研究班(Vitiligo “global issues” consensus conference)との合同研究として着手した。
⑤また新規白斑治療薬としてM-TOR阻害軟膏が先天性白斑に効果を示す事を報告し、さらに後天性白斑への効果の検討も開始した。

公開日・更新日

公開日
2011-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201024231Z