EEC症候群における有病率調査と実態調査研究

文献情報

文献番号
201024227A
報告書区分
総括
研究課題名
EEC症候群における有病率調査と実態調査研究
課題番号
H22-難治・一般-172
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
小崎 里華(独立行政法人 国立成育医療研究センター 内科系診療部)
研究分担者(所属機関)
  • 小崎 健次郎(慶應義塾大学 医学部)
  • 高山 真一郎(独立行政法人 国立成育医療研究センター 外科系診療部)
  • 水野 誠司(愛知県心身障害者コロニー中央病院 臨床第一部)
  • 岡本 伸彦(地方独立行政法人 大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター 遺伝診療科)
  • 黒澤 健司(地方独立行政法人神奈川県立病院機構 神奈川県立こども医療センター 遺伝科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
EEC症候群(Ectrodactyly, Ectodermal dysplasia Cleft lip/palate syndrome)は、裂手裂足、外胚葉異形成、口唇口蓋裂を3主徴とする多発奇形症候群である。有病率は不明。p63遺伝子変異により発症し、発症機序は不明。本研究では、遺伝子変異陽性症例の症状を参考に、1.臨床診断基準を策定、当該基準をもとに、2.有病率の算定、3.生体試料のバンク化を目的とした。p63遺伝子解析も実施。本研究により、小児四肢先天異常の医療、社会的啓発に貢献することをめざす。
研究方法
(1)小児遺伝学会員、日本口蓋裂学会員(約499名)に調査票を郵送し、患者数の調査を依頼(一次調査)。患者ありと報告した学会員から、詳細な臨床情報を収集(二次調査)。同意を得られた症例に対してp63 遺伝子解析を実施。調査票をもとに、臨床症状のデータベースを作成。遺伝子変異陽性の症例の症状を明確にし、臨床診断基準を作成。(2)p63遺伝子変異陽性症例の生体試料の収集とバンク化:既存試料のバンク利用への患者へのインフォームド・コンセントを再度、取得。
結果と考察
(1)一次調査:499名中328名から回答。本症候群は国内 55症例であった。(2)二次調査: 28症例の回答が得られ、データベースを作成した。口唇裂97%、裂手・裂足は60-75%に認めた。家族歴を有する症例は3家系であった。(3)EEC症候群の臨床診断基準の作成:(2)で得られた28症例の臨床症状を解析し、診断基準(案)を策定した。i)4肢のうち1肢以上の中手列・中足列の欠損 ii) 口唇裂・口蓋裂 iii) 皮膚付属器ないし歯牙の異常の3徴 (4)患者の生体試料のバンク化:5名の患者から協力同意を受けている。(5)患者・家族会との連携:研究班ホームページを開設、患者団体との連携を開始した。

結論
本年度は、実態調査により、有病者数を明らかにし、診断基準(案)を作成し、診療の標準化や再生治療法の開発にむけて研究の基盤構築を行った。今後、さらなる病態解明を行い、早期診断・治療などの医療の均てん化と患者QOLの向上に繋げていきたい。

公開日・更新日

公開日
2011-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201024227Z