文献情報
文献番号
202527013A
報告書区分
総括
研究課題名
社会状況等を踏まえた、適切な妊産婦健康診査の検討に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24DA0101
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
関沢 明彦(学校法人昭和医科大学 医学部産婦人科学講座)
研究分担者(所属機関)
- 板倉 敦夫(順天堂大学 大学院医学研究科)
- 鈴木 俊治(東京かつしか赤十字母子医療センター 産婦人科)
- 永松 健(国際医療福祉大学 医学部産婦人科学)
- 横山 良仁(弘前大学 医学部)
- 三浦 清徳(長崎大学)
- 田丸 俊輔(埼玉医科大学 医学部産婦人科)
- 目時 弘仁(東北大学 大学院医学系研究科)
- 中西 秀彦(北里大学 医学部)
- 川端 伊久乃(日本医科大学 女性診療科・産科)
- 菊地 紗耶(東北大学大学院医学系研究科 精神神経学分野)
- 増澤 祐子(新潟県立看護大学 看護学部)
- 千草 義継(京都大学 大学院医学研究科婦人科学産科学)
- 末光 徳匡(東京慈恵会医科大学 産婦人科学講座)
- 熊谷 麻子(順天堂大学 産婦人科)
- 黒田 敬史(札幌医科大学 産婦人科学講座)
- 小出 馨子(学校法人 昭和医科大学 医学部産婦人科学講座)
- 向井 勇貴(昭和医科大学 医学部産婦人科)
- 牧野 弘毅(昭和医科大学 産婦人科)
研究区分
こども家庭科学研究費補助金 分野なし 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
6,923,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
① 妊産婦健診の最新のエビデンス整理とガイドラインへの応用の研究:妊産婦健診の質の担保と均てん化を図るためには、検査項目の妥当性を最新のエビデンスに基づいて再評価し、標準化することが不可欠である。本研究は、妊産婦健診における検査項目を体系的に再評価するとともに、その成果を診療ガイドラインへ反映させることで、周産期医療の質向上に寄与することを目的としている。
② 妊婦健診でのデジタルデバイスを活用した遠隔診療の研究:少子化や分娩取扱施設の集約化、ハイリスク妊産婦の増加により、妊婦健診における医療アクセス確保が重要な課題となっている。本研究は、家庭血圧測定、モバイルCTG、ポータブル超音波、ビデオ面接などのデジタルデバイスを活用した遠隔診療に着目し、わが国における妊婦健診への導入実態と具体的運用方法、ならびにその効果と課題を明らかにすることを目的としている。
② 妊婦健診でのデジタルデバイスを活用した遠隔診療の研究:少子化や分娩取扱施設の集約化、ハイリスク妊産婦の増加により、妊婦健診における医療アクセス確保が重要な課題となっている。本研究は、家庭血圧測定、モバイルCTG、ポータブル超音波、ビデオ面接などのデジタルデバイスを活用した遠隔診療に着目し、わが国における妊婦健診への導入実態と具体的運用方法、ならびにその効果と課題を明らかにすることを目的としている。
研究方法
①妊産婦健診における検査項目を体系的に再評価するとともに、その成果を産婦人科診療ガイドラインへ反映させるために、両者の記載に違いのある箇所を抽出し、ガイドライン作成委員会と共有して協議することで、レビュー論文を最適化するとともに、各検査項目についてその課題を抽出して整理する。
②一次調査で遠隔診療を活用していると回答した分娩取扱施設を対象に二次調査を実施し、具体的な遠隔診療の活用状況を調査することで、各施設の活用内容や運用方法を把握する。
②一次調査で遠隔診療を活用していると回答した分娩取扱施設を対象に二次調査を実施し、具体的な遠隔診療の活用状況を調査することで、各施設の活用内容や運用方法を把握する。
結果と考察
①2024年度、妊娠中および産後に実施される計42項目の検査について、国内外の文献を基に体系的なレビューを行い、それぞれの検査の実施時期、目的、臨床的意義、推奨度、異常時対応を整理し、エビデンスと臨床実用性に配慮したレビュー論文を作成した。今年度は、このレビュー結果を基に「産婦人科診療ガイドライン産科編2026」の素案を入手し、記載内容の比較検討を通じて検討課題の抽出を行った。そのうえで、各課題についてガイドライン作成委員会と協議を行い、一部の検査項目についてはガイドラインの記載の修正や解説の追加が行われた。また、ガイドラインに合わせて一部はレビュー論文の修正を行った。それら検討を踏まえて、今後の課題を整理して、一覧としてまとめた。
②一次調査で遠隔診療を活用していると回答した分娩取扱施設を対象に二次調査を実施し、18施設(回答率85.7%)から回答を得た。遠隔診療の活用事例は計21件であり、胎児心拍数モニタリングが最も多く、次いで家庭血圧・体重・尿検査の共有、ビデオ面接による保健指導が多く認められた。実施形態は医師―患者間(DtoP)が中心であったが、医師間(DtoD)や看護師同席型(DtoP with N)との併用もみられた。実施内容としては、母体管理では血圧測定、胎児管理では胎児心拍数モニタリング、保健指導では分娩準備が主であり、モバイルCTGや血圧計、ビデオ通話システムなどが多く使用されていた。遠隔診療は全妊婦に一律に導入されるのではなく、対象や目的に応じて選択的に活用されていた。効果として、医療従事者側では医療の質担保や診療負担軽減、妊婦側では通院負担軽減が高く評価された。一方、費用面や機器、エビデンス不足などが主な課題として挙げられた。
②一次調査で遠隔診療を活用していると回答した分娩取扱施設を対象に二次調査を実施し、18施設(回答率85.7%)から回答を得た。遠隔診療の活用事例は計21件であり、胎児心拍数モニタリングが最も多く、次いで家庭血圧・体重・尿検査の共有、ビデオ面接による保健指導が多く認められた。実施形態は医師―患者間(DtoP)が中心であったが、医師間(DtoD)や看護師同席型(DtoP with N)との併用もみられた。実施内容としては、母体管理では血圧測定、胎児管理では胎児心拍数モニタリング、保健指導では分娩準備が主であり、モバイルCTGや血圧計、ビデオ通話システムなどが多く使用されていた。遠隔診療は全妊婦に一律に導入されるのではなく、対象や目的に応じて選択的に活用されていた。効果として、医療従事者側では医療の質担保や診療負担軽減、妊婦側では通院負担軽減が高く評価された。一方、費用面や機器、エビデンス不足などが主な課題として挙げられた。
結論
本研究を通して、妊産婦健診で行う検査についてのエビデンスに基づいたレビュー論文が完成した。また、ガイドラインの記載との照合を行うことで、今後の課題を明確化した。一方、周産期医療の集約化によって妊婦の医療機関へのアクセスの悪化が懸念されているなかで、妊婦健診でのデジタルデバイスの活用実態は限定的であることが分かった。今年度には現状の活用事例を体系化して、好事例として整理していくための基礎資料の収集が終了した。二次調査で明らかとなった具体的な運用方法や実施形態(DtoD、DtoP、DtoP with N)、使用デバイス、対象妊婦の選定方法などの知見は、遠隔妊婦健診を導入しようとする医療機関を実践的な導入モデル(ロールモデル)として調査を実施し、次年度、事例集として整理していく予定である。
公開日・更新日
公開日
2026-07-07
更新日
-