文献情報
文献番号
202526008A
報告書区分
総括
研究課題名
公衆衛生医師の確保に係る自治体と地域の大学との連携及び自治体におけるインターンシップ事業推進のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24LA1001
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
名越 究(島根大学 医学部環境保健医学講座)
研究分担者(所属機関)
- 内田 満夫(群馬大学 大学院医学系研究科 数理データ科学講座)
- 杉山 雄大(国立健康危機管理研究機構 国立国際医療研究所 糖尿病情報センター)
- 野村 恭子(秋田大学 大学院医学系研究科)
- 大澤 絵里(国立保健医療科学院 公衆衛生政策研究部)
- 佐々木 由理(国立保健医療科学院 公衆衛生政策研究部)
- 平本 恵子(広島県西部厚生環境事務所・保健所)
- 藤井 仁(目白大学 看護学部)
- 横山 勝教(香川県中讃保健福祉事務所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
新型コロナウイルス感染症の流行を契機として、保健所を中心に活動する公衆衛生医師の役割が改めて注目された。しかし、全国の自治体では依然として公衆衛生医師不足が続いており、保健所長を含む人材確保が大きな課題となっている。これまで、大学と自治体の連携や学生実習の重要性は指摘されてきたものの、自治体が実施するインターンシップや実習プログラムの体系的な研究は十分ではなかった。本研究は、自治体と大学との連携事例や実習・インターンシップの実態を整理し、自治体が導入しやすいインターンシップ企画ガイドを作成することで、公衆衛生医師確保の推進に資する基礎資料を得ることを目的とした。
研究方法
過去の厚生労働省研究班報告書や地域保健総合推進事業の資料をレビューし、自治体における実習・インターンシップの現状を整理した。さらに、全国の保健所設置自治体を対象として、医学生や研修医向け実習・インターンシップの実施状況に関するアンケートおよびヒアリング調査を実施した。また、全国の医学部公衆衛生系講座、医学生、公衆衛生に関心を有する若手医師に対して、講義・実習内容や期待するプログラムに関する調査を行った。加えて、研究成果を踏まえ、日本医学教育学会等でワークショップや自由集会を開催し、実習・インターンシップ企画ガイド案の検討を行った。
結果と考察
自治体によって公衆衛生医師確保への取組や大学との連携体制は大きく異なっていたが、インターンシップ実施が公衆衛生医師採用につながった事例が複数確認された。一方で、多くの自治体では人的・時間的負担が大きく、体系的なプログラム整備が進んでいなかった。大学側では、保健所実習を臨床実習に組み込む大学は少数であり、社会医学系教員不足や高学年での学外実習への抵抗感が課題として挙げられた。ワークショップでは、学生側はデータ分析や政策形成過程への関心が高い一方、実務者側は感染症対応や多機関連携など職務の魅力を重視していた。これらの知見を踏まえ、企画立案から事後評価までを含む8段階のインターンシップ企画ガイドと、申込書や誓約書等の実務様式を作成した。
結論
自治体向けインターンシップ企画ガイドの整備は、受け入れ負担の軽減とプログラムの標準化を通じて、公衆衛生医師確保に寄与する可能性が示唆された。今後は感染症対策に加え、データ分析や政策立案など学生ニーズを踏まえた実習内容を充実させる必要がある。また、実習やインターンシップを継続的かつ魅力的なものとするためには、大学と自治体・保健所との平時からの連携と情報交換が重要である。
公開日・更新日
公開日
2026-09-28
更新日
-