地方衛生研究所におけるゲノム検査等に係る人員体制及び人材育成法を確立するための研究

文献情報

文献番号
202526003A
報告書区分
総括
研究課題名
地方衛生研究所におけるゲノム検査等に係る人員体制及び人材育成法を確立するための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24LA2003
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
貞升 健志(東京都健康安全研究センター 微生物部)
研究分担者(所属機関)
  • 岩本 朋忠(神戸市環境保健研究所感染症部)
  • 塚越 博之(群馬県衛生環境研究所 保健科学係)
  • 長島 真美(東京都健康安全研究センター 微生物部)
  • 野本 竜平(神戸市健康科学研究所 第2衛生研究部)
  • 久保田 寛顕(東京都健康安全研究センター 微生物部)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
2024~2025年度、以下の目標について検討を行った。
① 地方衛生研究所全国協議会の各ブロックに次世代シーケンサー(NGS)解析用PCを設置し、主に細菌分野における解析ソフトのインストールから解析までの研修を実施する。
② 原因不明疾患に関わるNGS解析法について検討する。
③ 地方衛生研究所等を対象に、微生物分野の基礎的知識を学ぶ研修(Web研修、対面研修)を実施する。
④ NGSに関わる検査マニュアルを、地方衛生研究所全国協議会と連携して作成する。
⑤ パルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)に代替し得るNGS解析法について検討する。
⑥ 全国の地方衛生研究所におけるゲノム検査の人材育成に関するガイドラインを作成する。
研究方法
1.全国6ブロックにおいて拠点を選定し、解析用パソコンの設置および研修会を実施した。
2.不明疾患解析検体を対象として、 PaHuM、PATHDET、CZ ID の3種類の解析ツールについて比較評価を行った。また、不明疾患に関するアンケート調査を実施し、地方衛生研究所における実施状況を把握した。
3.地方衛生研究所における検査および研究の基礎について、Web研修または対面研修を実施した。
4.ゲノム解析ワーキンググループを通じて、ウェットラボ操作に関するマニュアルの作成に取り組んだ。
5.集団食中毒をはじめとする病原性細菌に起因する集団感染の発生を想定し、PFGEに代わる手法としてNGSを用いた菌株比較を行った。
6.本研究班の最終目標として、ゲノム解析に関する人材育成法についてのガイドラインを作成した。
結果と考察
1.全国6か所で、7回の現地研修会を開催した。全国86か所の地方衛生研究所のうち、68施設・171名が研修会に参加した。研修内容は基礎編、細菌編、ウイルス編に分け、初学者向けの構成とした。研修会は各回2~3日間開催し、内容の大半をパソコンを用いた実習に充てた。誰一人として取り残さないことを念頭に、質問しやすい雰囲気づくりを重視した結果、7会場合計での質問数は500以上に達した。参加者の83%は20~40歳代と若く、いずれの会場でも非常に活気のある研修会となった。研修全体の総合評価では、参加者の91%が「非常に良かった」と回答した。
2.原因不明疾患解析検体およびアンプリコンNGS解析を対象として、解析ソフトPaHuMならびにMTAAPの評価を行った。両解析ソフトはいずれも機能面において市販ソフトと同等以上であり、地衛研におけるNGS解析に十分活用可能であることが示された。さらに、PATHDET、PaHuM、CZ IDの3種類の解析ツールについて比較評価を行った結果、すべてのツールにおいて目的とするウイルスの検出が可能であった。また、全国の地衛研の担当者を対象に、原因不明疾患におけるNGS利用状況について、全11問のアンケート調査を実施した。その結果、NGS装置を保有している地方衛生研究所は85.9%であり、原因不明疾患におけるNGSの利用目的としては、「研究として必要」が62.7%と最も多く、次いで「通常検査のオプション」が46.3%、「検査法として必要」が29.9%であった。倫理的課題については、「各施設で倫理委員会の承認を得るべきである」との回答が52.2%と最も多かった。
3.地衛研職員の基礎力向上を目的として、検査および研究の基礎を学ぶ人材育成研修を実施した。研修はWeb研修および対面型研修を組み合わせて実施し、リアルタイムPCRおよびウイルス分離に関する研修など、多様な形式で行った。Web研修には304名(74施設)が参加した。対面型研修では、リアルタイムPCR研修に24名、ウイルス分離研修に6名が参加し、検査における基礎的知識と技術を習得した。なお、Web研修についてはアーカイブ化を行い、ホームページ上に掲載した。
4.本研究班において作成したDNAライブラリ作製マニュアルの普及および研修を実施するとともに、エンテロウイルス全ゲノム解析プロトコルの作成に取り組んだ。
5.集団食中毒をはじめとする集団感染発生時を想定し、NGSの活用方法について検討した。また、PFGEに代替し得る手法としてのNGSを用いた解析手法の標準化を目的とし、精度保証および関連マニュアルの作成を行った。
6.全国の地衛研におけるゲノム解析に関する人材育成法についてのガイドラインを作成し、地方衛生研究所全国協議会のホームページ上に公開した。
結論
全国規模で技術・知識の均てん化の推進、地衛研独自でできるだけ実施できることを行うこととし、①ゲノム解析に関する調査、②ゲノム解析ブロック拠点の設置、③基礎的研修の実施、④NGS検査マニュアルの作成、⑤PFGEに代替しうるNGS解析法の検討を行い、最終的な目標である、ゲノム検査における人材育成ガイドラインの作成を作成した。

公開日・更新日

公開日
2026-09-25
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2026-09-25
更新日
-

文献情報

文献番号
202526003B
報告書区分
総合
研究課題名
地方衛生研究所におけるゲノム検査等に係る人員体制及び人材育成法を確立するための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24LA2003
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
貞升 健志(東京都健康安全研究センター 微生物部)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
202526003C

収支報告書

文献番号
202526003Z