多施設共同研究:劇症1型糖尿病の診断マーカー同定と診断基準確立

文献情報

文献番号
201024145A
報告書区分
総括
研究課題名
多施設共同研究:劇症1型糖尿病の診断マーカー同定と診断基準確立
課題番号
H22-難治・一般-090
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
花房 俊昭(大阪医科大学 医学部(内科学講座内科学Ⅰ教室))
研究分担者(所属機関)
  • 小林 哲郎(山梨大学 医学工学総合研究部(第三内科))
  • 池上 博司(近畿大学 医学部(内分泌・代謝・糖尿病内科))
  • 今川 彰久(大阪大学大学院医学系研究科 (内分泌・代謝内科学))
  • 徳永 勝士(東京大学大学院医学系研究科 (人類遺伝学))
  • 西田 奈央(東京大学大学院医学系研究科 (人類遺伝学))
  • 安田 和基(国立国際医療研究センター研究所 糖尿病研究センター (代謝疾患研究部))
  • 大澤 春彦(愛媛大学大学院医学系研究科 (分子遺伝制御内科学))
  • 粟田 卓也(埼玉医科大学 (内分泌・糖尿病内科))
  • 川崎 英二(長崎大学病院 (生活習慣病予防診療部))
  • 島田 朗(慶應義塾大学 (内科))
  • 永田 正男(加古川市民病院 (内科))
  • 西村 保一郎(大阪医科大学医学部 (数学))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
感度および特異度の高い劇症1型糖尿病の新しい診断基準の策定を目的とする。
研究方法
1)全体研究として、第1セット(劇症1型糖尿病患者群97名、自己免疫性1型糖尿病299名、健常対照群184名)および第2セット(劇症1型糖尿病患者群117名、自己免疫性1型糖尿病321名、健常対照群357名)の検体を対象に、Affymetrix社製SNP Array 6.0アレイを用い、全ゲノム領域にわたる90万SNPのゲノムワイド関連解析(GWAS: genome wide association study)を行うことにより、新たな診断マーカーを同定・検証する。
2)上記検体を用いた個別研究により、新たな診断マーカーの検証を多数例で行う。
結果と考察
1)ゲノムワイド関連解析による鍵分子候補の同定
前年度の結果に基づき、2次スクリーニングを実施する候補として606 SNPsを選定した。次いで、第2セットの検体を用いて2次スクリーニング(replication study)を行った。現在までに、414 SNPsについての2次スクリーニングを終了し、387 SNPsに対する統計解析を実施した。その結果、ゲノムワイド関連解析の有意水準に達する遺伝子領域は検出されなかったが、有望な遺伝子領域が5箇所検出された。
2)個別研究における候補遺伝子の解析
ゲノムワイド関連解析のための検体を用いて行った個別研究により、HLA B61およびHLA DR4が新たな診断マーカーの候補として明らかになった。
結論
ゲノムワイド関連解析により、劇症1型糖尿病診断の鍵となる分子の候補を抽出することができた。また、候補遺伝子解析により、HLA B61およびHLA DR4が新たな診断マーカーの候補として明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2011-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201024145Z