IgG4関連全身硬化性疾患の診断法の確立と治療方法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
201024139A
報告書区分
総括
研究課題名
IgG4関連全身硬化性疾患の診断法の確立と治療方法の開発に関する研究
課題番号
H22-難治・一般-084
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
岡崎 和一(関西医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 川 茂幸(信州大学健康安全センター)
  • 神澤 輝実(都立駒込病院内科)
  • 坪内 博仁(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学)
  • 日比 紀文(慶應義塾大学医学部)
  • 千葉 勉(京都大学大学院消化器内科学)
  • 梅原 久範(金沢医科大学・血液免疫制御学)
  • 木梨 達雄(関西医科大学・生命科学研究所・分子免疫遺伝学)
  • 松田 文彦(京都大学医学研究科附属ゲノム医学センター)
  • 下瀬川 徹(東北大学大学院医学系研究科消化器病態学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
IgG4関連疾患は、自己免疫異常や血中IgG4高値に加え、膵、肝胆、唾液腺・涙腺、後腹膜腔など、全身臓器に線維化とIgG4形質細胞浸潤、閉塞性静脈炎など類似病変を認める特異な疾患群であり、近年「全身性IgG4関連疾患」として注目されている。本研究では、本疾患の実態と病態解明、疾患概念と診断法の確立および治療法の開発提言を目的とした。
研究方法
共同プロジェクトとして、1)2次全国アンケートによる実態調査、2)臨床経過の前向き調査のための症例登録、3)疾患概念と診断基準試案の改訂、4)IgG4関連硬化性胆管炎の診断基準の提案をおこなった。個別プロジェクト研究として、1)臨床的解析、2)免疫学的解析、3)ゲノム解析、4)プロテオミクス解析の4プロジェクトを基軸とし、各専門家が横断的に協力体制を築いて、類似疾患を対象とする既存の難治性疾患研究班とも連絡を密にして、独自の研究を遂行した。特に、自己免疫性膵炎の見地から難治性膵疾患調査研究班(下瀬川班)とIgG4-MOLPSとしてリンパ増殖症との考えにたつIgG4-MOLPS研究班(梅原班)とは密接な連携をとりながら、効率的に研究をすすめた。
結果と考察
わが国の患者数や発症率に関し、2次全国アンケート調査を施行して中間解析を行った。参加各施設での倫理委員会の承認後、免疫学的解析と疾患関連遺伝子解析のための、74例が登録された。さらに、本疾患を線維硬化症とした疾患概念と診断基準の改訂試案と新たにIgG4関連硬化性疾患の診断基準試案を提唱した。本研究プロジェクト開始後、社会的インパクトの高い論文発表もなされ、十分な成果が挙げられつつある。これら成果は、わが国より発信されたオリジナルな疾患として、国際的にも評価に耐え得る研究であると考えられる。
結論
1)IgG4関連疾患の年間受領患者数は約8,000人と推定された。
2)2次全国アンケート調査の中間解析を行った
3)免疫学的解析と疾患関連遺伝子解析のための、74例が登録された。
4)本疾患を線維硬化症とした疾患概念と診断基準の改正試案とIgG4関連硬化性胆管炎の診断基準試案を提唱した。

公開日・更新日

公開日
2011-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201024139Z