細網異形成症の診断と治療に関する調査研究

文献情報

文献番号
201024136A
報告書区分
総括
研究課題名
細網異形成症の診断と治療に関する調査研究
課題番号
H22-難治・一般-081
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
野々山 恵章(防衛医科大学校 小児科学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 今井 耕輔(防衛医科大学校病院 医療情報部)
  • 中畑 龍俊(京都大学iPS細胞研究所 臨床応用研究部門 疾患再現研究分野)
  • 森尾 友宏(東京医科歯科大学 大学院発達病態 小児科学分野)
  • 小原 收(財団法人かずさDNA研究所、理化学研究所、免疫アレルギー科学総合研究センター、免疫ゲノミクス研究グループ)
  • 小島 勢二(名古屋大学大学院、医学系研究科小児科学)
  • 山口 博樹(日本医科大学、病態制御腫瘍内科学、血液内科学)
  • 塩谷 彰浩(防衛医科大学校 耳鼻咽喉科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
細網異形成症は骨髄系細胞、リンパ系細胞、内耳細胞など多系統の細胞分化障害を来す難病である。
細網異形成症の診断基準、診断法、スクリーニング法の確立、至適造血幹細胞移植法の確立、iPS細胞を用いた遺伝子治療などの新規治療法の開発を行い、早期発見、早期治療により本疾患を根治し、もって患者に益することを目的とした。

研究方法
申請者が構築したインターネットを活した先天性免疫不全症の中央診断・登録・遺伝子解析システムPIDJを細網異形成症に応用して疫学調査、軽症例、非典型例を含めた実態把握を行った。
さらに、申請者が確立した、原因遺伝子AK2のタンパク発現解析、遺伝子解析法により、確定診断を行った。
細網異形成症患者由来fibroblastsからiPS細胞を作製する。
新規作製したレンチウイルスベクターを用い正常AK2遺伝子をiPS細胞に発現させ、iPS細胞から血液前駆細胞に分化させ、コロニーアッセイ、NOGマウスを用いたヒト免疫系・血液系の再構築評価システムにより、AK2障害による血液分化障害の解析および遺伝子治療の開発を行う。
造血幹細胞移植による治療成績の国内調査を行った。
結果と考察
タンパク発現、遺伝子発現、遺伝子変異解析による確定診断法を確立できた。これにより診断指針を作製できた。
また、PIDJ登録システムを用いて、新規患者を見いだすことが出来た。患者造血幹細胞のコロニーアッセイによる、分化障害を検討することが出来た。iPS細胞の作成に成功した。骨髄移植により根治できた患者を見いだすことが出来た。
患者予後調査をもとに治療指針が作製できた。
結論
細網異形成症の診断法を確立した。
病態解析を行い、新規診断治療法の開発に成果をあげた。
インターネットを活用した診断登録システムであるPIDJの有用性を示すことができた。


公開日・更新日

公開日
2011-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201024136Z