文献情報
文献番号
201024134A
報告書区分
総括
研究課題名
ミクリッツ病およびIgG4関連疾患の診断および治療方法の更なる推進に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H22-難治・一般-079
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
苗代 康可(札幌医科大学 医療人育成センター)
研究分担者(所属機関)
- 高橋裕樹(札幌医科大学 医学部)
- 山本元久(札幌医科大学 医学部)
- 氷見徹夫(札幌医科大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
ミクリッツ病や自己免疫性膵炎をはじめとしたIgG4関連疾患の病態を解明し、疾患概念を広め、効果的な診断・治療法を確立・普及する。
研究方法
・ミクリッツ病およびIgG4関連疾患の概念の認知・普及を行うため、医師および患者に対し、パンフレットの作成配布、医大ホームページにおけるwebを作製する。また医療従事者向けに講演を学内、学外において診療科の垣根を越えて行っていく。
・ミクリッツ病患者およびIgG4関連疾患患者の治療前後の血液から、治療前後で発現変化する分子標的分子の発現をリアルタイムPCR, ウエスタンブロッティングなどを行い、病態形成へのかかわりを検討するとともに診断治療へのマーカーへの応用を行う。
・ミクリッツ病およびIgG4関連疾患数の捕捉、すなわち罹患率や有病率などの把握のため有病率調査の疫学的検討を全国的に行う。
・ミクリッツ病患者およびIgG4関連疾患患者の治療前後の血液から、治療前後で発現変化する分子標的分子の発現をリアルタイムPCR, ウエスタンブロッティングなどを行い、病態形成へのかかわりを検討するとともに診断治療へのマーカーへの応用を行う。
・ミクリッツ病およびIgG4関連疾患数の捕捉、すなわち罹患率や有病率などの把握のため有病率調査の疫学的検討を全国的に行う。
結果と考察
・ミクリッツ病において治療前後におけるリンパ球における発現変化の見られる分子を検索した。マイクロアレイを利用した検索において検討した3症例に共通して治療後発現減少(半分以下に減少)が見られる分子を66、治療後発現が増加(二倍以上に増加)する分子を43同定した。さらにそれらの分子に関しては蛋白質レベルにおける重要性の検討および臨床応用への可能性の検討しており、同定した蛋白質の発現パターンおよび発現特異性を組織標本をもちいて免疫染色により同定した。また血しょうを用いたELISAによる定量検出を行いミクリッツ病での発現特異性を見いだした。
・患者、医師に対しミクリッツ病およびIgG4関連疾患を広報していくという研究計画に対し、当初計画していたとおり、学会発表および総説の投稿、院内および院外研究会の開催、新聞記事への投稿、パンフレットの作成、ホームページの作成をおこなった。
・上記に述べた実験研究に平行してさらに広報の一助になると考えミクリッツ病の有病率に関する疫学調査を全国の病院(病床数200以上の病院対象)に対して行い、患者は全国に分布し、40?50代に好発し、性差はないこと等が判明した。また北海道に有意に多くの患者が存在していたが、これは本研究をはじめとした疾患概念普及の結果、広く道内にミクリッツ病の概念が普及し、ミクリッツ病の診断が確実にされていることに起因すると考えられた。
・患者、医師に対しミクリッツ病およびIgG4関連疾患を広報していくという研究計画に対し、当初計画していたとおり、学会発表および総説の投稿、院内および院外研究会の開催、新聞記事への投稿、パンフレットの作成、ホームページの作成をおこなった。
・上記に述べた実験研究に平行してさらに広報の一助になると考えミクリッツ病の有病率に関する疫学調査を全国の病院(病床数200以上の病院対象)に対して行い、患者は全国に分布し、40?50代に好発し、性差はないこと等が判明した。また北海道に有意に多くの患者が存在していたが、これは本研究をはじめとした疾患概念普及の結果、広く道内にミクリッツ病の概念が普及し、ミクリッツ病の診断が確実にされていることに起因すると考えられた。
結論
疫学調査よりまだまだ疾患概念の普及が必要であり、治療に関しても不十分といわざるを得ないことがあきらかになった。今後も引き続き病態解明、診断および治療法を確立するための研究が必須である。
公開日・更新日
公開日
2011-12-27
更新日
-