成人型分類不能型免疫不全症の診断基準・診断方法の確立及び治療方法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
201024130A
報告書区分
総括
研究課題名
成人型分類不能型免疫不全症の診断基準・診断方法の確立及び治療方法の開発に関する研究
課題番号
H22-難治・一般-075
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
森尾 友宏(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 今井 耕輔(防衛医科大学校)
  • 金兼 弘和(富山大学 小児科)
  • 松本 功(筑波大学 大学院人間総合科学研究科疾患制御医学臨床免疫学分野)
  • 田中 敏郎(大阪大学 大学院医学系研究科呼吸器免疫アレルギー内科学)
  • 小原 收((財)かずさDNA研究所 ヒトゲノム研究部 )
  • 竹森 利忠(独立行政法人理化学研究所 免疫・アレルギー科学総合研究センター )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
分類不能型免疫不全症(CVID)患者の詳細な臨床・基礎情報を収集し、画期的なデータベースを構築すること、患者免疫担当細胞の機能異常を明らかにし、罹患しやすい病原体や、自己免疫疾患や腫瘍発症の危険因子を明らかにすること、さらにCVIDの疾患概念を整理・確立し、診断法・標準治療を確立することを目的とした。
研究方法
(1) FACS解析:21名の新規患者に対しB/T/NK/TCRV解析を、合計42名の検体にてDC subset, NKT細胞解析を行った。(2) 蓄積データを元に、CVID患者亜群分類を行った。(3) Fc鎖発現の解析を行った。(4) CVID患者会設立支援を行った(5)候補遺伝子策定と戦略の確立を行った。
結果と考察
今年度の研究により、250名近いCVIDについて多彩かつ豊富なデータが集積した。これらの情報を元に2,500の候補遺伝子を策定して、次世代シークエンサによる遺伝子解析がおこなわれようとしている。真の原因同定と病態解析が行える段階に至った。
結論
(1) 免疫担当細胞の多重染色解析、(2) KRECs, TRECs測定によるB細胞、T細胞新生能解析、(3) 既知の遺伝子塩基配列決定及び、(4) 臨床的データの4つの観点から、CVIDがKRECs, TRECsにより大きく4群に分類されること、(1), (4)の特徴からさらに細亜群に分類されることが明らかになった。また患者免疫担当細胞機能については引き続きデータを蓄積した。
上記の結果及び免疫不全症候補遺伝子データベースを元にして、最終的に約2500のCVID候補遺伝子リストを作成した。多数の候補遺伝子について迅速に構造解析が実施できるよう、目的ゲノム領域濃縮用のDNAマイクロアレイをデザインし、2500遺伝子のエクソーム解析を行える体制を構築した。近親婚患者についてはLOH領域に含まれる遺伝子のエクソームを解析しデータを収集した。
本研究班設立以来、多数の患者検体が集まるようになり、情報をWebに公開するべく、データ整理し、まず免疫不全症Webサイトへ情報提供・掲載を行った。現在の原発性免疫不全症患者会であるつばさの会と連携する形で、すずらんの会が立ち上がり、その設立を支援した。

公開日・更新日

公開日
2011-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201024130Z