乳児ランゲルハンス細胞組織球症の標準治療の確立と新規治療法の開発

文献情報

文献番号
201024127A
報告書区分
総括
研究課題名
乳児ランゲルハンス細胞組織球症の標準治療の確立と新規治療法の開発
研究課題名(英字)
-
課題番号
H22-難治・一般-072
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
森本 哲(自治医科大学 とちぎ子ども医療センター(小児科))
研究分担者(所属機関)
  • 藤本 純一郎(成育医療研究センター臨床研究センター)
  • 石井 榮一(愛媛大学医学部小児医学)
  • 今村 俊彦(京都府立医科大学小児発達医学)
  • 塩田 曜子(国立成育医療研究センター病院内科系専門診療部)
  • 福田 冬季子(自治医科大学とちぎ子ども医療センター)
  • 吉川 一郎(自治医科大学とちぎ子ども医療センター)
  • 五味 玲(自治医科大学とちぎ子ども医療センター)
  • 上出 利光(北海道大学遺伝子病制御研究所・分子免疫学)
  • 工藤 寿子(静岡こども病院血液腫瘍科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)は主として乳児期に発症する病態不明の希少疾患で、皮膚や骨、頭蓋内病変など症状は多彩で、約10%が致死的である。認知度は低く、しばしば診断が遅れ、標準治療はない。頻回に再燃し長期の経過をたどり、成長・発達障害、尿崩症、中枢神経変性症などの不可逆的病変を残すことが多い。このような乳児LCHの予後改善を目的とする。
研究方法
乳児LCHについて以下の5点についての研究を行う。
1) 症例の集積、中央病理診断、患者検体の保管
2) 標準治療の確立
3) 病態解明による新規治療法の開発
4) 社会(医師、患者)への啓発
5) 全身的な長期フォローアップの確立
結果と考察
1) 症例の集積、中央病理診断、患者検体の保管
a) JPLSG疫学研究のIRB承認が得られた施設から登録が開始される。この登録システムにより日本の乳児LCHのほとんどの症例が登録される。
2) 標準治療の確立
a) 小児の再発/難治性LCHに対する2CdA療法、造血細胞移植療法、ビスフォスフォネート療法についての調査、VCR/AraC療法の神経変性LCH発症抑制効果の解析を論文発表し、初期治療反応不良の小児LCHの解析を学会発表した。
b) 「小児ランゲルハンス細胞組織球症に対するリスク別臨床研究」の実施計画書を完成させた。
3) 病態解明による新規治療法の開発
a) 炎症性サイトカイン/ケモカインがLCHの病期進展に関わることを学会発表した。
b) 未熟樹状細胞から破骨細胞への分化にオステオポンチンが関わることを明らかにした。
4) 社会(医師、患者)への啓発
a) 日本LCH研究会のホームページにLCHに関する学術情報を掲載した。
b) LCHについて、教育講演、総説論文発表を行った。
c) LCH患者会で乳児LCHについての解説、病状相談を行った。
d) 頭蓋骨LCH、椎体LCHの診療ガイドラインを作成した。
e) 多病変型LCHは成人であっても乳児LCHと同様に化学療法が必要であることを啓発した。
f) 特異な経過をとったLCH症例を報告した。
5) 全身的な長期フォローアップの確立
a) 中枢神経変性LCHの神経学的follow up基準を作成した。
b) JLSG-96/02登録症例を対象に中枢性尿崩症について詳細に調査した。
結論
症例登録、中央診断のシステムが確立され、この希少疾患についての啓発が進み、破骨細胞抑制薬のLCH治療への導入ための基礎データが得られ、現時点での適切な治療指針と標準的治療の基となる臨床研究が完成し、晩期障害のフォローアップ基準が確立した。

公開日・更新日

公開日
2011-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201024127Z