文献情報
文献番号
202524013A
報告書区分
総括
研究課題名
法規制薬物の分析と鑑別等の手法の開発に向けた研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
25KC1001
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
緒方 潤(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
研究分担者(所属機関)
- 田中 理恵(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
- 鈴木 俊也(東京都健康安全研究センター 環境保健部)
- 馬場 まり子(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和7(2025)年度
研究終了予定年度
令和9(2027)年度
研究費
4,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
令和5年12 月より大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法が改正され大麻等を麻薬として規制するとともに大麻の有害成分であるΔ9-テトラヒドロカンナビノール(Δ9-THC)に対して,大麻由来製品の形状等を区分し,いくつかの残留限度値が設けられることとなった.また,令和6年3月からは第一種大麻草採取栽培者においては,Δ9-THCの濃度が0.3%を超えない大麻草の種子を用いて栽培しなければならないなど新たな枠組みも設けられた.これらの数値分析を可能とする定量分析法として2つの分析法通知が発せられた[1, 2].本研究では,先の分析法通知を準拠し,更なる分析条件の最適化,様々な性状の大麻由来製品に対応する分析法の検討.分析法の改良・改変.また,定量分析機器の変更に伴う分析法の妥当性評価などの検討を行う.また,大麻草及び製品中のカンナビノイド類等の成分分析,物質同定を行い,薬物行政に資するデータの収集,公表を行う.
研究方法
研究課題1.【研究方法】
大麻草中Δ9-THC分析法の妥当性確認に関して,分析法通知[2]に示された方法に準拠し,分析機器は,紫外検出によるHPLCを組み合わせ,Δ9-THCの定量方法の妥当性を評価した.一部,抽出方法の改変を行った.
研究課題2.【研究方法】
大麻草に含まれるΔ9-THCのLC-MSを用いた分析法に関して,分析法通知[2]に示された方法に準拠し,分析機器には,シングル四重極型質量分析計を用いたLC-MSを用い定量分析法を検討し,その妥当性を評価した.
研究課題3.【研究方法】
LC-MS/MSを用いて,CBDを主体とする製品中に混在する微量のΔ9-THCを測定可能な分析法を検討した.高濃度CBDによるベースラインの変動や検出器の汚染,感度低下といった影響が懸念されるため,分析法通知[1]を一部変更した分析法について検討した.
研究課題4.【研究方法】
大麻草由来製品等に含まれるΔ9-THC の残留限度値に係る分析法について,分析法バリデーションを実施,標準添加法およびサロゲート法についても検討した.また,製品区分の判定の一指標である粘度の測定法について,回転粘度計法における円錐-平板形回転粘度計および共軸二重円筒形回転粘度計の2つの方法について検討した.
研究課題5.【研究方法】
令和6年度に入手したカンナビノイド系成分の含有を標榜するオイル6製品をGC-MS,LC-MS,LC-Q-TOF-MS,NMRを用い含有化合物分析,同定を行った.
大麻草中Δ9-THC分析法の妥当性確認に関して,分析法通知[2]に示された方法に準拠し,分析機器は,紫外検出によるHPLCを組み合わせ,Δ9-THCの定量方法の妥当性を評価した.一部,抽出方法の改変を行った.
研究課題2.【研究方法】
大麻草に含まれるΔ9-THCのLC-MSを用いた分析法に関して,分析法通知[2]に示された方法に準拠し,分析機器には,シングル四重極型質量分析計を用いたLC-MSを用い定量分析法を検討し,その妥当性を評価した.
研究課題3.【研究方法】
LC-MS/MSを用いて,CBDを主体とする製品中に混在する微量のΔ9-THCを測定可能な分析法を検討した.高濃度CBDによるベースラインの変動や検出器の汚染,感度低下といった影響が懸念されるため,分析法通知[1]を一部変更した分析法について検討した.
研究課題4.【研究方法】
大麻草由来製品等に含まれるΔ9-THC の残留限度値に係る分析法について,分析法バリデーションを実施,標準添加法およびサロゲート法についても検討した.また,製品区分の判定の一指標である粘度の測定法について,回転粘度計法における円錐-平板形回転粘度計および共軸二重円筒形回転粘度計の2つの方法について検討した.
研究課題5.【研究方法】
令和6年度に入手したカンナビノイド系成分の含有を標榜するオイル6製品をGC-MS,LC-MS,LC-Q-TOF-MS,NMRを用い含有化合物分析,同定を行った.
結果と考察
研究課題1.【結果と考察】
本研究では,超音波抽出法を分析法通知に示された抽出法の代替手段とし評価した.分析法通知に示されたLCの分析条件(方法1,方法2)に関しては,方法2については,各評価項目において良好な結果が得られたが,方法1については,Δ9-THCA-Aと試料由来の未同定成分とのピークの重なりが認められた.方法1において水系移動相の pH を 3.2 から 3.0 に変更し妥当性確認を行った結果,良好な結果が得られた.
研究課題2.【結果と考察】
本研究では,大麻草中のΔ9-THCをシングル四重極型質量分析計を用いたLC-MSにより定量する分析法について検討し,その方法の妥当性を評価した.LC-MSにおいては,試料溶液中のマトリックス効果による影響を考慮し,直線範囲や定量限界に注意しつつ適切な希釈倍率を選択することで,大麻草中のΔ9-THCの定量が可能であった.
研究課題3.【結果と考察】
CBDを主体とする製品中のΔ9-THC分析についてLC-MS/MSを用いた定量分析法の検討を行った.LC条件の検討及び適切な試料溶液濃度の設定により,残留限度値(0.0010%)の1/10から10倍の定量範囲で妥当性を確認した.
研究課題4.【結果と考察】
分析法バリデーションでは,真度や併行精度を満たしたが,Δ9-THCおよびΔ9-THCA-Aの回収率が120%を上回る場合があることが再確認された.そこで,標準添加法とサロゲート法を検討した.標準添加法では,マトリックス効果による影響を補正.サロゲート法では,Δ9-THCの補正は可能であったが,Δ9-THCA-Aの補正は不十分であった.粘度測定では想定対象13製品中,10製品で粘度測定が可能であった.
研究課題5.【結果と考察】
分析を行ったオイル製品から2種類の化合物を同定し,分析の結果,Δ9-THCB-O-butanoate,Δ9-THCP-O-butanoateをそれぞれ同定した.
本研究では,超音波抽出法を分析法通知に示された抽出法の代替手段とし評価した.分析法通知に示されたLCの分析条件(方法1,方法2)に関しては,方法2については,各評価項目において良好な結果が得られたが,方法1については,Δ9-THCA-Aと試料由来の未同定成分とのピークの重なりが認められた.方法1において水系移動相の pH を 3.2 から 3.0 に変更し妥当性確認を行った結果,良好な結果が得られた.
研究課題2.【結果と考察】
本研究では,大麻草中のΔ9-THCをシングル四重極型質量分析計を用いたLC-MSにより定量する分析法について検討し,その方法の妥当性を評価した.LC-MSにおいては,試料溶液中のマトリックス効果による影響を考慮し,直線範囲や定量限界に注意しつつ適切な希釈倍率を選択することで,大麻草中のΔ9-THCの定量が可能であった.
研究課題3.【結果と考察】
CBDを主体とする製品中のΔ9-THC分析についてLC-MS/MSを用いた定量分析法の検討を行った.LC条件の検討及び適切な試料溶液濃度の設定により,残留限度値(0.0010%)の1/10から10倍の定量範囲で妥当性を確認した.
研究課題4.【結果と考察】
分析法バリデーションでは,真度や併行精度を満たしたが,Δ9-THCおよびΔ9-THCA-Aの回収率が120%を上回る場合があることが再確認された.そこで,標準添加法とサロゲート法を検討した.標準添加法では,マトリックス効果による影響を補正.サロゲート法では,Δ9-THCの補正は可能であったが,Δ9-THCA-Aの補正は不十分であった.粘度測定では想定対象13製品中,10製品で粘度測定が可能であった.
研究課題5.【結果と考察】
分析を行ったオイル製品から2種類の化合物を同定し,分析の結果,Δ9-THCB-O-butanoate,Δ9-THCP-O-butanoateをそれぞれ同定した.
結論
大麻草中Δ9-THC定量分析に関しては1及び2の課題を挙げ,異なる分析機器での評価を行った.製品の残留限度値分析では,3及び4の課題を挙げ,大麻草由来製品の中でも粉末状製品,想定される粘性製品の粘度測定などをそれぞれ検討し,実際の運用上の分析に則した分析手法を評価した.
公開日・更新日
公開日
2026-05-29
更新日
2026-06-01