総排泄管残存症における生殖機能の実態調査:生殖機能保持・向上のための治療指針の作成に向けて

文献情報

文献番号
201024109A
報告書区分
総括
研究課題名
総排泄管残存症における生殖機能の実態調査:生殖機能保持・向上のための治療指針の作成に向けて
課題番号
H22-難治・一般-054
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
大須賀 穣(東京大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 武谷 雄二(東京大学 医学部附属病院 )
  • 上妻 志郎(東京大学 医学部附属病院 )
  • 金森 豊(東京大学 医学部附属病院 )
  • 黒田 達夫(国立成育医療センター)
  • 佐々木 司(東京大学 教育学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
8,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
総排泄管残存症は稀な疾患で、排尿・排便機能ならびに生殖機能を障害する。なかでも、生殖機能障害の実態に関してはこれまで全く研究がなされておらず、対策が著しく遅れている。本疾患における生殖機能の保持・向上のための治療指針作成の基盤として、本疾患の実態を明らかにしようとした。
研究方法
方法として全国的なアンケート調査を行うこととした。このため、小児外科・産科婦人科・精神科の専門医よりなる研究班を作り、十分な文献検索の後に入念な討議を行い、現状を明らかにするための調査票を作成した。本学での倫理委員会の承認を受けた後に、2段階に分けて全国の産婦人科・小児外科の高度医療機関にアンケート調査を行った。
結果と考察
調査の結果、本疾患は月経流出路障害をはじめとして多彩な生殖機能障害を呈していることが明らかとなった。これらに対処するためには思春期前からの産婦人科・小児外科の密な連携と、生殖機能保持のために早期からの薬物療法を併用した管理が必要と考えられた。また、ほとんどの症例で頻回の手術が施行されていたことより、本疾患が非常に難治であることが明らかとなり、今後、新術式を含めた術式の改良の必要性が指摘された。さらに、腟狭窄による性交障害が多数例に認められ、妊娠症例も極めて少数であったこととも関連して、患者・家族が将来の生殖機能に不安を抱くなど精神的問題を訴えることも多く、十分な説明と精神的ケアを含めた対応の必要性が示唆された。
結論
本研究により本疾患の希少性が再確認され、症例を集積した研究の重要性が強く認識された。

公開日・更新日

公開日
2011-12-27
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201024109C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本疾患は月経流出路障害をはじめとして多彩な生殖機能障害を呈していることが明らかとなった。
臨床的観点からの成果
これらに対処するためには思春期前からの産婦人科・小児外科の密な連携と、生殖機能保持のため本疾患の早期からの薬物療法を併用した管理が必要と考えられた。本疾患が非常に難治であることが明らかとなり、今後、新術式を含めた術式の改良の必要性が指摘された。さらに、腟狭窄による性交障害が多数例に認められ、妊娠症例は極めて少数であった。患者・家族は将来の生殖機能に不安を抱くなど精神的問題を経験することが多く、十分な説明と精神的ケアを含めた対応の必要性が示唆された。
ガイドライン等の開発
以下の提言をした。本疾患患者の生殖機能の保持・向上のために以下の3点が重要課題である。1. 思春期前からの小児外科医・産婦人科医の密な連携と、月経開始後に予想される諸症状への対策が必要である。2. 患者・家族の生殖機能に対する不安などに対して、十分な説明と早期からの精神的ケアが必要である。3. 本疾患に対してより優れた術式の開発が必要である。
その他行政的観点からの成果
特になし
その他のインパクト
特になし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
5件
その他論文(和文)
5件
その他論文(英文等)
1件
学会発表(国内学会)
10件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2014-05-22
更新日
2016-06-20

収支報告書

文献番号
201024109Z