文献情報
文献番号
202523016A
報告書区分
総括
研究課題名
いわゆる健康食品を介する健康被害の拡大・未然防止に係る危機管理体制の整備・充実のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
25KA1003
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
伊藤 美千穂(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
研究分担者(所属機関)
- 増本 直子(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
- 登田 美桜(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部)
- 松下 幸平(国立医薬品食品衛生研究所 病理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和7(2025)年度
研究終了予定年度
令和9(2027)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
いわゆる「健康食品」は、法律上の明確な定義はないが、医薬品以外で経口的に摂取される、健康の維持・増進等の機能性を持たせた食品全般をさしていることが多い。食品であるが故に、あらゆる消費者が手軽に購入可能である。高齢者層の体調管理への意識向上や若年層における健康・美容意識の向上等により、物価高等にもかかわらず、全体として市場規模は堅調に推移し緩やかな拡大傾向にある。いわゆる健康食品は、主として事業者の責任のもと製造・販売されているものであるが、含有される原材料や成分、期待される効果は多岐にわたる。
いわゆる健康食品は食品であるため、当然だが医師による診察や血液検査等はなく、持病等による医薬品との相互作用や健康食品同士の飲み合わせ等についてまで管理するのは困難な場合も多い。また、「摂取目安量」が示されているものもあるが、どの健康食品をどのくらい摂取するか、という判断は各消費者に委ねられている。過剰摂取や望ましくない原材料の使用により、予期せぬ健康被害等を招く恐れは増大している。
本研究は、様々な視点から、いわゆる健康食品に含有される化合物等に着目し、国内外の健康被害情報等をもとに、当該化合物等によるリスク等を抽出するとともに、その物質の特性を明らかにし、発生要因等を解明することを目的としている。
いわゆる健康食品は食品であるため、当然だが医師による診察や血液検査等はなく、持病等による医薬品との相互作用や健康食品同士の飲み合わせ等についてまで管理するのは困難な場合も多い。また、「摂取目安量」が示されているものもあるが、どの健康食品をどのくらい摂取するか、という判断は各消費者に委ねられている。過剰摂取や望ましくない原材料の使用により、予期せぬ健康被害等を招く恐れは増大している。
本研究は、様々な視点から、いわゆる健康食品に含有される化合物等に着目し、国内外の健康被害情報等をもとに、当該化合物等によるリスク等を抽出するとともに、その物質の特性を明らかにし、発生要因等を解明することを目的としている。
研究方法
以下の3つのステップにより研究を進めた。また、研究進度に応じて班会議を開催した。
(1) いわゆる健康食品の製品開発に関わる情報収集を目的とした調査研究、(2) いわゆる健康食品の健康被害の拡大・未然防止を目的とした成分研究、(3) いわゆる健康食品による健康被害の発生要因に関する研究
(1) いわゆる健康食品の製品開発に関わる情報収集を目的とした調査研究、(2) いわゆる健康食品の健康被害の拡大・未然防止を目的とした成分研究、(3) いわゆる健康食品による健康被害の発生要因に関する研究
結果と考察
(1) 日本農芸化学会大会、日本栄養・食糧学会年次大会の発表要旨を対象に研究対象とされた食品素材・成分を抽出し、サンプルの入手可能性や学術情報等をもとに本研究班内で検討した結果、ブロッコリー(スルフォラファン)、ユーグレナ、モリンガを成分分析や病理学的検討等のさらなる研究の対象候補とした。(2) モリンガを対象に主要成分のほか、アルカロイドおよびステロイド配糖体を探索し、葉の抽出物に、脂肪酸類、クロロフィル類、糖類、β-carotene、glucomoringin類、digiprolactone、caffeine、niazirin、糖脂質を、種子の抽出物に、sucroseとglucomoringinの存在を確認した。(3) モリンガの毒性情報は文献により知見が一貫しておらず、今後、標準化された毒性試験を実施する価値があると考えられた。また、モリンガパウダーを対象とし、衛生指標菌に加えて、乾燥状態で生存可能とされている病原菌の試験法を検討したところ、pHにより細菌の若干の発育抑制がおき、試験結果に影響する可能性が示唆された。
結論
今年度は近年健康食品素材として注目されている主にモリンガを中心に、含有成分や毒性、衛生管理状況など、複数の観点から想定されるリスクの抽出を試みた。検討途中の成分や試験もあり、当該原材料については引き続き検討を重ねる予定である。
本研究では、国内外のいわゆる健康食品に係る健康被害情報等に基づき、各分野の専門家が様々な観点から含有される化合物によるリスク等を抽出、整理した。今後、科学的な知見等とともに提示されることで、将来的に起こるかもしれない健康被害事案等が未然に防止される管理体制充実へとつながる。さらに、得られた情報が地方自治体関係部局に共有されることで、健康被害の発生の未然防止等の危機管理体制が補強され、国民の健康と安全を確保することに繋がることが期待される。
本研究では、国内外のいわゆる健康食品に係る健康被害情報等に基づき、各分野の専門家が様々な観点から含有される化合物によるリスク等を抽出、整理した。今後、科学的な知見等とともに提示されることで、将来的に起こるかもしれない健康被害事案等が未然に防止される管理体制充実へとつながる。さらに、得られた情報が地方自治体関係部局に共有されることで、健康被害の発生の未然防止等の危機管理体制が補強され、国民の健康と安全を確保することに繋がることが期待される。
公開日・更新日
公開日
2026-08-07
更新日
-