文献情報
文献番号
202523007A
報告書区分
総括
研究課題名
動物性食品輸出の規制対策の強化に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23KA1007
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
穐山 浩(星薬科大学 薬学部 薬品分析化学研究室)
研究分担者(所属機関)
- 志田 静夏(齊藤 静夏)(国立医薬品食品衛生研究所 食品部)
- 工藤 由起子(星薬科大学 薬学部薬学科)
- 吉冨 真理(国立保健医療科学院 生活環境研究部)
- 廣瀬 昌平(国立医薬品食品衛生研究所 衛生微生物部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全確保推進研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
22,481,000円
研究者交替、所属機関変更
2024年度から分担研究者として国立医薬品食品衛生研究所 廣瀬昌平室長を追加した。
研究報告書(概要版)
研究目的
海外での動物性食品の需要の高まりや日本政府および業界関係者による輸出促進の影響のため、海外への動物性食品の輸出量が増加している。 輸出促進のためには食品衛生管理の対策に関する検討を行う必要がある。そこで4つの課題に関して検討を行うことを目的とする。
研究方法
課題1:モニタリング検査またはEUでの輸入時検査においてA物質が検出された場合に原因調査を行うための分析法を開発し、輸出再開に向け迅速な対応が取れる体制を整備した。課題2:牛肉のSTECおよびサルモネラ属菌汚染リスク低減を目的として、3施設から収集した牛枝肉156検体を対象に、STEC7血清群およびサルモネラ属菌の調査を実施した。課題3:輸出先国等の動物性食品の衛生管理の監査員向け研修プログラムの調査、国内の監視員の研修の実態調査、と畜場HACCPの指導に必要な科学的データの収集・調査等を行い、国内の監視員等向けの研修プログラム及び教材を作成した。課題4:食肉衛生検査所の微生物検査SOPを収集し、妥当性評価および試験逸脱防止を検討した。
結果と考察
課題1:鶏筋肉中のニトロイミダゾール類分析法および牛・鶏筋肉中のβ-作動薬分析法を開発した。いずれの分析法も真度、併行精度、室内精度および選択性の目標値を満たした。課題2:増菌培養後にリアルタイムPCRによるスクリーニングを行った結果、STECについては、stx遺伝子、eae遺伝子、O45血清群およびO121血清群が陽性となった検体が1検体認められたが、菌分離ではSTECO45またはO121は分離されなかった。サルモネラ属菌についてはリアルタイムPCR陽性検体は認められなかった。課題3:新任指名検査員が輸出食肉認定施設における検証業務のための研修教材および研修プログラム案を作成した。課題4:クオリバックスQ7システムでは、開封後一定期間経過した試薬の一部で偽陽性、偽陰性および判定不能が認められた一方、開封直後の試薬ではこれらの誤判定は認められず、試薬の保存条件が判定結果に影響する可能性が示唆された。RapidFinderでは、報告されていた偽陰性は再現されなかったものの、高濃度菌存在下でeaeの蛍光強度低下が認められ、偽陰性の一因となる可能性が考えられた。
結論
課題1:EUでの輸入時検査においてA物質が検出された場合の原因調査のための分析法として、鶏筋肉中のニトロイミダゾール類分析法及び牛・鶏筋肉中のβ-作動薬分析法を開発した。課題2:供試検体を増菌培養後、または施設にて増菌培養した培養液の二次増菌培養後、STEC7血清群マルチプレックスリアルタイムPCRおよびサルモネラ特異的リアルタイムPCRに供試した。スクリーニングを行い、STEC7血清群については、stx遺伝子、eae遺伝子、O45血清群、O121血清群いずれも陽性となった培養液が1検体あり、菌分離を行ったが、STECO45またはO121は分離されなかった。サルモネラ属菌については、リアルタイムPCR陽性検体はなかった。課題3:新任指名検査員を対象として、輸出食肉に係る検証業務に必要な知識および技術の習得を目的とした教材および業務参考資料を、検査所の実務で活用しやすい形式で作成した。作成した教材を用いた基礎研修においては、参加者の理解度向上が認められ、特に演習の有効性が確認された。さらに、パフォーマンス評価実施要領に基づく新任指名検査員向け研修プログラム案を作成し、各検査所における体系的な人材育成の基礎資料を提示することができた。課題4:STEC検査で用いられるクオリバックスQ7システムにおいて、キットの保存期間が判定時のトラブルに影響することが推察された。RapidFinderにおいて、必要に応じて検体を希釈して検査を実施する必要があると考えられた。
公開日・更新日
公開日
2026-08-10
更新日
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