電動工具を用いた石綿等の切断作業等における粉じん発散抑制措置の効果の実証研究

文献情報

文献番号
202522018A
報告書区分
総括
研究課題名
電動工具を用いた石綿等の切断作業等における粉じん発散抑制措置の効果の実証研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
25JA2001
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
古賀 純子(井戸川 純子)(芝浦工業大学 建築学部建築学科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
令和7(2025)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
770,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
石綿(アスベスト)は断熱性や親和性に優れることから建材等に広く利用されてきたが、吸入により中皮腫等の健康被害を生じるため、現在は製造・使用が禁止されている。しかし既存建築物には石綿含有建材が多く残存しており、改修・解体工事における適切な飛散防止対策が求められている。
令和5年度の石綿障害予防規則改正では、除じん性能を有する電動工具の発散低減効果が確認され、湿潤化に加え、除じん性能を有する電動工具の使用等も石綿粉じん発散抑制措置として認められた。一方で、湿潤化しながら一般的な電動工具を用いた場合に高い発じんが生じる事例も確認されており、有効な湿潤方法や適切な工具・集じん機の選定方法の整備が課題となっている。また、令和6年度厚生労働科学特別研究事業では、工具の種類や回転数、集じん方法によって粉じん飛散状況が大きく異なることが確認された。
本研究では、電動工具を使用した石綿含有建材の改修・解体作業において、効果的な石綿粉じん発散抑制措置を整理し、作業ごとの適切な対策を提示することを目的とする。
研究方法
既往の厚生労働省報告書、令和6年度厚生労働科学特別研究事業の成果および関連文献を対象に、電動工具を用いた石綿含有建材の切断・除去時における粉じん発生要因と抑制効果を整理した。
具体的には、①電動工具の仕様と粉じん発生量の関係、②集じん機の性能と工具との組合せ、③湿潤方法と粉じん抑制効果、④これらを踏まえた適切な改修・解体工事方法について情報を収集・整理し、粉じん発散抑制措置として有効な工法を検討した。
結果と考察
抽出した文献を基に、石綿含有ボード切断時の粉じん飛散要因を整理した。
建材の特性については、石綿含有率のみでは飛散性を説明できず、材質、密度、成形状態、繊維の保持状態等が影響することが示された。工具条件については、切断回数、工具回転数、刃の種類が発じん量に影響し、特に回転数の低減は有効な対策となる可能性が示された。
集じん条件は粉じん飛散を左右する主要因であり、集じん機を使用しない場合は湿潤の有無にかかわらず石綿飛散が確認される事例があった。一方、切断部近傍で発生直後の粉じんを捕集できる吸引フードを備えた工具では高い抑制効果が認められた。
湿潤化については、事前散水のみでは十分な抑制効果が得られない場合がある一方、水や飛散抑制剤を切断中に継続供給する常時湿潤化では、粉じん濃度が大幅に低減することが確認された。ただし、このような機構を備えた工具は限定的であり、今後の開発が期待される。
また、切断回数や切断面積などの作業条件、作業者の技能、さらに屋内外の別や換気状況、発生源からの距離などの作業環境も粉じん濃度に影響することが確認された。
以上より、石綿含有ボード切断時の粉じん飛散には、建材特性、工具・刃の条件、集じん方法、湿潤方法、作業条件および作業環境が複合的に関与することが明らかとなった。特に、適切な集じん機の使用、切断部近傍での捕集、工具回転数の調整および常時湿潤化は有効な飛散抑制対策として位置付けられる。
結論
本研究では、既往文献から石綿粉じん飛散に影響する要因を整理し、効果的な粉じん発散抑制措置について検討した。
その結果、石綿粉じん飛散は単一の要因ではなく、建材特性、工具・刃、集じん機、湿潤方法、作業条件および作業環境の影響を受けることが確認された。したがって、工事計画においては対象建材や環境条件に応じて適切な工具・集じん機を選定し、可能な限り常時湿潤化等の対策を組み合わせることが重要である。
また、石綿含有ボードの切断は可能な限り避け、接合具を撤去して取り外す方法を優先することが望ましい。改修工事では小規模事業者の参入も多いことから、今後は実証データの蓄積を進め、現場で活用しやすい対策情報を提供していく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2026-10-23
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2026-10-23
更新日
-

行政効果報告

文献番号
202522018C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究では、電動工具等を用いて石綿含有建材を改修・解体等する場合の石綿粉じん発生抑制効果について既往の検討から情報を収集し、整理した。石綿を含有する建築物の部位の改修・解体において石綿の発散に影響する要因を精査し、安全な工事に資する知見を整理した。「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」への反映が期待される。

臨床的観点からの成果
本研究では、電動工具等を用いて石綿含有建材を改修・解体等する場合の石綿粉じん発生抑制効果について既往の検討から情報を収集し、整理した。石綿を含有する建築物の部位の改修・解体において石綿の発散に影響する要因を精査し、安全な工事に資する知見を整理した。「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」への反映が期待される。
ガイドライン等の開発
本研究では、電動工具等を用いて石綿含有建材を改修・解体等する場合の石綿粉じん発生抑制効果について既往の検討から情報を収集し、整理した。石綿を含有する建築物の部位の改修・解体において石綿の発散に影響する要因を精査し、安全な工事に資する知見を整理した。「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」への反映が期待される。
その他行政的観点からの成果
本研究では、電動工具等を用いて石綿含有建材を改修・解体等する場合の石綿粉じん発生抑制効果について既往の検討から情報を収集し、整理した。石綿を含有する建築物の部位の改修・解体において石綿の発散に影響する要因を精査し、安全な工事に資する知見を整理した。「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」への反映が期待される。
その他のインパクト
本研究では、電動工具等を用いて石綿含有建材を改修・解体等する場合の石綿粉じん発生抑制効果について既往の検討から情報を収集し、整理した。石綿を含有する建築物の部位の改修・解体において石綿の発散に影響する要因を精査し、安全な工事に資する知見を整理した。「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」への反映が期待される。

発表件数

原著論文(和文)
2件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
3件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2026-06-03
更新日
-

収支報告書

文献番号
202522018Z