文献情報
文献番号
202522010A
報告書区分
総括
研究課題名
個人事業者等向け職業性ストレス簡易調査票及び評価基準等の開発と、セルフケア等への効果的な活用方策の確立に向けた研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24JA1004
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
江口 尚(産業医科大学 産業生態科学研究所)
研究分担者(所属機関)
- 川上 憲人(東京大学 大学院医学系研究科 デジタルメンタルヘルス講座)
- 吉川 悦子(高橋 悦子)(日本赤十字看護大学 看護学部)
- 渡辺 和広(北里大学 医学部公衆衛生学)
- 関屋 裕希(東京大学 大学院医学系研究科)
- 今村 幸太郎(東京大学 大学院医学系研究科 精神保健学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
5,599,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、フリーランスをはじめとする個人事業者等の就業実態に即したメンタルヘルス対策の基盤整備を目的とした。具体的には、個人事業者等向け職業性ストレス簡易調査票および高ストレス判定基準を開発し、セルフケアや業務改善、相談支援、制度利用につなげる実用的な支援方策を確立することを目指した。重点対象業種として、芸能関係、メディア・クリエイティブ系、ITフリーランス、運送業、建設業の5業種を設定した。
研究方法
前年度のヒアリング調査、文献レビュー、好事例収集、インターネット調査の成果を踏まえ、5つの分担研究を実施した。第一に、個人事業者等に共通するストレス要因や制度的課題を整理し、メンタルヘルスセルフケアガイドの構成案およびドラフト版を作成した。第二に、好事例をもとにメンタルヘルスアクションチェックリストを作成し、エキスパート・レビューおよび5業種250名を対象としたウェブ調査により内容的妥当性を検討した。第三に、セルフケア実践のためのリーフレット案を作成した。第四に、共通57項目に業種特有項目を加えた職業性ストレス簡易調査票を開発し、5業種のフリーランス1,407名を対象に信頼性・妥当性を検証した。第五に、同調査票を用いて高ストレス者の評価方法および判定基準を検討した。
結果と考察
個人事業者等向け職業性ストレス簡易調査票は、共通するストレス要因に加え、業種特有のストレス要因を把握できる尺度として、概ね良好な信頼性および妥当性を示した。共通要因では、対人関係のストレス、仕事の適性のなさ、働きがいのなさが、心理的ストレス反応、抑うつ症状、身体愁訴、ワーク・エンゲイジメント、仕事のパフォーマンスと関連していた。業種特有要因としては、芸能関係では社会的疎外感やハラスメント、メディア・クリエイティブ系では評価の不一致や裁量の低さ、ITフリーランスでは感情的負担や待遇の不公平感、運送業ではカスタマーハラスメントや契約外業務、建設業では収入や生活の不安定さなどが重要な要因として示された。
高ストレス判定基準については、該当者で抑うつ得点が高く、仕事のパフォーマンスが低いなど、健康および生産性関連指標との関連が確認され、一定の有用性が示された。また、共通19項目および業種別項目からなるメンタルヘルスアクションチェックリストを整理し、これを活用したWebシステムのプロトタイプを作成した。さらに、5業種に共通するストレス特徴を10項目に整理し、睡眠、身体活動、リカバリー、つながりの拡大、ジョブ・クラフティング等を含むセルフケアリーフレット案を作成した。セルフケアガイドでは、個人の努力にとどまらず、契約、補償、労災保険の特別加入、相談窓口など、制度的保護や支援資源への接続も重視した。
高ストレス判定基準については、該当者で抑うつ得点が高く、仕事のパフォーマンスが低いなど、健康および生産性関連指標との関連が確認され、一定の有用性が示された。また、共通19項目および業種別項目からなるメンタルヘルスアクションチェックリストを整理し、これを活用したWebシステムのプロトタイプを作成した。さらに、5業種に共通するストレス特徴を10項目に整理し、睡眠、身体活動、リカバリー、つながりの拡大、ジョブ・クラフティング等を含むセルフケアリーフレット案を作成した。セルフケアガイドでは、個人の努力にとどまらず、契約、補償、労災保険の特別加入、相談窓口など、制度的保護や支援資源への接続も重視した。
結論
本年度は、研究計画3年の2年目として、個人事業者等に対するメンタルヘルス支援を、ストレス評価、行動改善、セルフケア、相談支援、制度利用へと接続するための基盤を整備した。今後は、調査票、高ストレス判定基準、アクションチェックリスト、Webシステム、リーフレット、セルフケアガイドの有用性および受容性を検証し、内容を改善したうえで、最終年度に完成版として取りまとめる必要がある。
公開日・更新日
公開日
2026-10-23
更新日
-