医療文書と診療情報共有のためのFHIRドキュメント実装ガイド生成エコシステムに関する研究

文献情報

文献番号
202521064A
報告書区分
総括
研究課題名
医療文書と診療情報共有のためのFHIRドキュメント実装ガイド生成エコシステムに関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
25IA2011
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
大江 和彦(順天堂大学 大学院健康データサイエンス研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 横田 慎一郎(国立大学法人千葉大学 大学院看護学研究院)
  • 土井 俊祐(国立大学法人千葉大学 医学部附属病院)
  • 三谷 知広(東京大学医学部附属病院 企画情報運営部(管理研究棟4階))
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和7(2025)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
5,268,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年、HL7 FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)は医療情報交換の国際標準として普及が進み、日本においてもJP-Core実装ガイドを中心とした標準化が推進されている。一方、医療現場では診療報酬、地域連携、訪問看護、退院支援、栄養管理などに関する多様な医療文書が利用されているが、その多くは紙様式を前提として設計されており、情報構造や記載内容の統一性が十分に整理されていない。このためFHIR化に際しては文書ごとに個別設計が必要となり、Profile数の増大や構造の不統一、保守性の低下などの課題が生じている。本研究では、日本で利用されている医療文書様式を体系的に分析し、文書横断的な共通情報構造を抽出するとともに、FHIR R4 document BundleおよびFHIR Shorthand(FSH)を用いた統一的な文書構造化手法を検討することを目的とした。さらに、共通Profileと文書種別ごとの階層的な設計方針を整理し、将来的な診療情報共有基盤の整備やFHIR実装ガイド作成の効率化に資する基盤を構築することを目指した。
研究方法
診療報酬関連様式を中心とする80種類の医療文書を収集し、文書タイトル、見出し構造および記載項目を抽出した。抽出した165項目について用途や情報構造を分析し、医療文書の類型化とFHIRリソースへの対応付けを検討した。さらに、FHIR R4 document Bundleを基本構造として、Composition.sectionを用いた階層構造およびObservation中心の記述方式を設計するとともに、生成AIを用いたFHIR実装ガイド生成プロセスを試行した。
結果と考察
80種類の医療文書を分析した結果、165の記載項目を抽出し、22カテゴリおよび9類型に整理することができた。これらの分析をもとに、FHIR R4 document Bundleを基盤とし、共通Bundle Profile、共通Composition Profile、類型別Profileおよび個別文書Profileから構成される階層的な文書構造化手法を提案した。また、主要なFHIRリソース以外の記載項目をObservationに集約する統一的な記述方針を整理した。これにより、従来の文書ごとの個別設計に伴うProfile増加や構造の不統一を抑制し、保守性、再利用性および文書横断的な情報活用の向上に寄与する可能性が示された。さらに、生成AIを活用した実装ガイド作成プロセスの有効性も確認された。
結論
本研究では、日本の医療文書80種類を対象にFHIR R4 document BundleおよびFSHを用いた統一的な構造化手法を検討し、文書横断的に利用可能な共通情報構造と階層的プロファイル設計方針を整理した。これにより、医療文書FHIR化の保守性、再利用性および相互運用性の向上が期待され、今後の診療情報共有基盤整備の基礎となることが示唆された。

公開日・更新日

公開日
2026-06-29
更新日
-

収支報告書

文献番号
202521064Z