文献情報
文献番号
202521063A
報告書区分
総括
研究課題名
後発医薬品の安定供給の確保及び持続可能な産業構造に向けた開発促進策の立案に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
25IA2010
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
間宮 弘晃(立命館大学 薬学部)
研究分担者(所属機関)
- 伊豆津 健一(国際医療福祉大学 成田薬学部)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和7(2025)年度
研究終了予定年度
令和9(2027)年度
研究費
3,864,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
後発医薬品については、これまで国の後発医薬品の使用促進施策等により、数量シェアが80%を上回っている状況であるが、本シェアはあくまで後発医薬品が上市されている成分におけるシェアであり、先発品の特許が切れているにもかかわらず後発医薬品が上市されていないジェネリックドラッグ・ロスの存在が同検討会報告書において指摘されている。
一方で、このような後発医薬品が上市されていない理由やその実態を調査した研究がこれまでにないため、十分な対策を行うことができない状況にある。また、新たな分野への進出への後押しや後発医薬品が上市される成分の増加による医療費適正化の観点からもその実態把握及び対応を検討する必要がある。
このような背景を踏まえ、本研究では、後発医薬品の安定供給及び持続可能な産業構造に向けて、後発医薬品が未上市となっている事例の実態調査を行い、開発における技術的・経済的な課題を整理した上で、その対策を提言することを目的とする。
一方で、このような後発医薬品が上市されていない理由やその実態を調査した研究がこれまでにないため、十分な対策を行うことができない状況にある。また、新たな分野への進出への後押しや後発医薬品が上市される成分の増加による医療費適正化の観点からもその実態把握及び対応を検討する必要がある。
このような背景を踏まえ、本研究では、後発医薬品の安定供給及び持続可能な産業構造に向けて、後発医薬品が未上市となっている事例の実態調査を行い、開発における技術的・経済的な課題を整理した上で、その対策を提言することを目的とする。
研究方法
初年度は製薬企業に対するヒアリング調査及びアンケート調査を実施するとともに、供給確保策に関する国際動向調査を行った。
結果と考察
初年度の調査により、後発医薬品の未上市要因が経済的側面(市場性・採算性)に留まらず、技術的・規制的側面にも及ぶという重要な示唆が得られた。当初は薬価等の価格面の課題が主因であると想定されていたが、製剤技術・製造上の困難性や薬事規制・臨床試験関連のハードルも相当程度の影響を有することが明らかになり、多角的な対策の必要性が確認された。
市場性・採算性の問題については、先発品市場規模の小ささや薬価の低さに加え、上市後の薬価下落スピードへの懸念も強く、単に収載時薬価を引き上げるだけでなく、中間年改定の在り方や薬価改定ルールの見直しを含む包括的な対応が求められていることが示された。薬価10%加算のみでは開発促進効果が限定的であるとの回答が多数を占めたことは、この点を裏付けるものである。
製剤技術・製造上の困難性については、原薬調達の困難さと高額な設備投資が主要な障壁として浮かび上がった。特に複雑な製剤(Complex generics)については、薬価面の手当とともに、PSGのような品目特有のガイダンスの整備や製造設備への補助金措置等の技術的支援策の組み合わせが有効である可能性が示唆された。
薬事規制・臨床試験関連については、BEガイドラインの国際調和、安定性試験要件の見直し、海外申請データの活用等について、国際調和の観点から優先的に検討されるべき事項が存在することが確認された。
AG(オーソライズド・ジェネリック)の問題については、令和8年度薬価制度改革によりAGの新規収載時薬価が先発品と同額となる見直しが行われたことに対して、複数の企業からさまざまな見解が示された。この制度変更が後発品市場及び安定供給に与える影響については、引き続き注視が必要である。
505(b)(2)に類似するハイブリッド承認スキームについては、約半数の企業が一定の期待を示したことから、「ジェネリック・ドラッグ・ロス」の解消に向けた制度的選択肢の一つとして検討を深める価値があると考えられる。
供給確保策に係る国際動向調査からは、厚労省リストが広範な品目を収載することで各診療領域における使用薬を的確に反映し、平常時からの供給基盤構築に重要な役割を果たしていることが確認された一方、選定要因の多様化や収載品目の増加が危機対応情報としての機能低下につながり得るという課題も示された。また、EUのContingency stock構想は、流通在庫と中央備蓄のメリットを両立する方策として注目されており、わが国における広範な重要医薬品の供給安定化策としての検討に資する知見が得られた。
市場性・採算性の問題については、先発品市場規模の小ささや薬価の低さに加え、上市後の薬価下落スピードへの懸念も強く、単に収載時薬価を引き上げるだけでなく、中間年改定の在り方や薬価改定ルールの見直しを含む包括的な対応が求められていることが示された。薬価10%加算のみでは開発促進効果が限定的であるとの回答が多数を占めたことは、この点を裏付けるものである。
製剤技術・製造上の困難性については、原薬調達の困難さと高額な設備投資が主要な障壁として浮かび上がった。特に複雑な製剤(Complex generics)については、薬価面の手当とともに、PSGのような品目特有のガイダンスの整備や製造設備への補助金措置等の技術的支援策の組み合わせが有効である可能性が示唆された。
薬事規制・臨床試験関連については、BEガイドラインの国際調和、安定性試験要件の見直し、海外申請データの活用等について、国際調和の観点から優先的に検討されるべき事項が存在することが確認された。
AG(オーソライズド・ジェネリック)の問題については、令和8年度薬価制度改革によりAGの新規収載時薬価が先発品と同額となる見直しが行われたことに対して、複数の企業からさまざまな見解が示された。この制度変更が後発品市場及び安定供給に与える影響については、引き続き注視が必要である。
505(b)(2)に類似するハイブリッド承認スキームについては、約半数の企業が一定の期待を示したことから、「ジェネリック・ドラッグ・ロス」の解消に向けた制度的選択肢の一つとして検討を深める価値があると考えられる。
供給確保策に係る国際動向調査からは、厚労省リストが広範な品目を収載することで各診療領域における使用薬を的確に反映し、平常時からの供給基盤構築に重要な役割を果たしていることが確認された一方、選定要因の多様化や収載品目の増加が危機対応情報としての機能低下につながり得るという課題も示された。また、EUのContingency stock構想は、流通在庫と中央備蓄のメリットを両立する方策として注目されており、わが国における広範な重要医薬品の供給安定化策としての検討に資する知見が得られた。
結論
本研究の初年度においては、ヒアリング調査やアンケート調査を通じて、後発医薬品の未上市要因が経済的側面に留まらず、技術的・規制的側面にも及ぶという重要な示唆が得られ、多角的な対策が必要であることを裏付けるものであった。
公開日・更新日
公開日
-
更新日
-