文献情報
文献番号
201024074A
報告書区分
総括
研究課題名
早期発症型侵襲性歯周炎(遺伝性急性進行型歯槽膿漏症候群)の診断基準の確立に関する研究
課題番号
H22-難治・一般-018
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
村上 伸也(大阪大学 大学院歯学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 森崎 裕子(国立循環器病研究センター研究所 )
- 梅澤 明弘(国立成育医療研究センター研究所)
- 齋藤 正寛(東京理科大学 基礎工学部)
- 北村 正博(大阪大学 大学院歯学研究科)
- 山田 聡(大阪大学 歯学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、難治性疾患の一つである早期発症型侵襲性歯周炎の診断基準および技術を確立することを目的とする。具体的には、国立循環器病センターに通院しているマルファン症候群患者を対象にした歯周組織検査、さらにマルファン症候群ではない一般の早期発症型侵襲性歯周炎患者の歯周組織検査を行うことにより、同症候群と早期発症型侵襲性歯周炎との関連性を解析する。
研究方法
マルファン症候群と早期発症型侵襲性歯周炎の関連を解析するために、国立循環器病センターに来院する近畿圏内のマルファン症候群患者約100人を対象に、歯周病の罹患実態を調査する。具体的には、同じ年齢層における健常者とマルファン症候群の口腔内検査(レントゲン検査、歯槽骨吸収率計測、ポケット深さ測定、細菌バイオフィルムの検査等)を行い、歯周病の罹患実態について統計学的に解析する。さらに、一般の早期発症型侵襲性歯周炎患者の口腔内検査の結果と比較検討することにより、マルファン症候群以外の要因で発症する侵襲性歯周炎との相違点や普遍性を明らかとする。
結果と考察
国立循環器病研究センター病院歯周病外来において3月31日現在で44名のマルファン症候群患者の歯周組織検査を実施している。
被験者の平均年齢は37.4歳、男女比は1対1、13.6%に喫煙歴があった。歯周検査の結果、現在歯数:27本、PCR:23.8%、平均BOP率:9.2%、平均ポケット深さ:2.6 mmであった。高口蓋は75%、前歯部叢生を特徴とする歯列不正は、54.5%に認められた。このことから、遺伝的要因に加えて歯列不正等による局所的なプラーク停滞因子が起因する歯周炎の可能性が示唆された。
マルファン症候群患者の歯周組織検査の結果から、マルファン症候群と歯周炎との関連性が示唆された。若年者で発症する早期発症型侵襲性歯周炎との関連性は、さらに検査する症例数を増やし、特に若年者のマルファン症候群患者を解析することにより、統計学的な検討を加える必要性が求められる。
被験者の平均年齢は37.4歳、男女比は1対1、13.6%に喫煙歴があった。歯周検査の結果、現在歯数:27本、PCR:23.8%、平均BOP率:9.2%、平均ポケット深さ:2.6 mmであった。高口蓋は75%、前歯部叢生を特徴とする歯列不正は、54.5%に認められた。このことから、遺伝的要因に加えて歯列不正等による局所的なプラーク停滞因子が起因する歯周炎の可能性が示唆された。
マルファン症候群患者の歯周組織検査の結果から、マルファン症候群と歯周炎との関連性が示唆された。若年者で発症する早期発症型侵襲性歯周炎との関連性は、さらに検査する症例数を増やし、特に若年者のマルファン症候群患者を解析することにより、統計学的な検討を加える必要性が求められる。
結論
マルファン症候群をモデルとして、未だその発症原因が不明な早期発症型侵襲性歯周炎の診断基準および技術を開発するという研究の実効性が示され、更なる研究推進の必要性が明らかとなった。
公開日・更新日
公開日
2011-12-27
更新日
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