文献情報
文献番号
202521038A
報告書区分
総括
研究課題名
ヘルスケアとセルフケアのプロセス統合DXを目指す戦略的国際標準化
研究課題名(英字)
-
課題番号
25IA5001
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
中島 直樹(国立大学法人九州大学 大学院医学研究院 医療情報学講座)
研究分担者(所属機関)
- 中尾 浩一(済生会熊本病院)
- 岡田 美保子(一般社団法人医療データ活用基盤整備機構)
- 羽藤 慎二(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター(臨床研究センター) 消化器外科)
- 山下 貴範(国立大学法人 九州大学 病院メディカル・インフォメーションセンター)
- 佐藤 直市(九州大学 九州大学病院)
- 錦谷 まりこ(九州大学 データ駆動イノベーション推進本部 健康医療DX推進部門)
- 濱井 敏(九州大学大学院 医学研究院 人工関節生体材料学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和7(2025)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
145,023,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
令和5年度内閣府BRIDGE(厚労科研)事業にて、医療デジタルトランスフォーメーション(DX)で重視される患者・市民とのエンゲージメントの実現、国際標準化、ビジネスモデル構築を目的としてスマホに実装する個人Learning Health System (LHS)アプリを開発し、医療LHSである標準化クリニカルパス(ePath)との連携の国際的なオープンクローズ戦略を開始した。令和6年度の同事業では、この連携モデルの実証を開始するとともに、データモデルの国際標準化において国際標準化機構(ISO)で正式な議題登録(AWI)に採択された。さらに、異分野でのWell-Being向上を目的とした健康医療データ活用をビジネスモデルに加えた。
令和7年度は、デジタル化で日本に先行する欧米・アジア諸国が、健康・医療プロセス管理機能開発でも追随する前に、令和5-6年度に進めた患者・市民と医療者間の双方向連携で得られる生活圏の日常データも用いた改善サイクルであるLHSを迅速に回す実システムの確立と、汎用性ある診療プロセスモデルの国際規格の開発を同時並行して進める。さらに、Well-Being向上を指標とした異産業領域への拡大を含めたオープンクローズ戦略の実践をはかり、自動車・物流産業・建築業・不動産業等の異産業領域との連携によるビジネスモデルを構築し、知財化を推進する。
令和7年度は、デジタル化で日本に先行する欧米・アジア諸国が、健康・医療プロセス管理機能開発でも追随する前に、令和5-6年度に進めた患者・市民と医療者間の双方向連携で得られる生活圏の日常データも用いた改善サイクルであるLHSを迅速に回す実システムの確立と、汎用性ある診療プロセスモデルの国際規格の開発を同時並行して進める。さらに、Well-Being向上を指標とした異産業領域への拡大を含めたオープンクローズ戦略の実践をはかり、自動車・物流産業・建築業・不動産業等の異産業領域との連携によるビジネスモデルを構築し、知財化を推進する。
研究方法
1.戦略的国際標準規格化に関する分析およびビジネスモデル創出
・「健康経営高度化サービス」「長寿高齢化社会・高度健康支援」の関連市場調査・適合性評価調査・特許調査を精緻化
・ヘルスケアプロセス管理市場創出のためのvalue chainの分解・把握、対象市場の調査等とビジネスプランを策定
・自動車・物流産業(運転能力評価)・建築業(熱中症管理)・不動産業(居住能力評価)との協業によるクロスモーダルビジネスモデルの構築・実証と知財化を推進
2.国際規格開発
・健康・医療プロセス管理の精密分析
・プロセスモデル策定と国際規格開発
・生活習慣病PHR推奨項目セットの国際標準化
3.ユースケースに基づいたプロセス記述の精緻化
・ヘルスケアプロセスモデル記述の精緻化
・HL7 FHIRによる連携仕様の実装
4.国際標準化人材育成
・ 社会的アクションプランの策定
・ eLearning教材の開発
・国際会議で発言できる英語力と議論の力の養成
・各国との調整力・リーダシップの養成
・「健康経営高度化サービス」「長寿高齢化社会・高度健康支援」の関連市場調査・適合性評価調査・特許調査を精緻化
・ヘルスケアプロセス管理市場創出のためのvalue chainの分解・把握、対象市場の調査等とビジネスプランを策定
・自動車・物流産業(運転能力評価)・建築業(熱中症管理)・不動産業(居住能力評価)との協業によるクロスモーダルビジネスモデルの構築・実証と知財化を推進
2.国際規格開発
・健康・医療プロセス管理の精密分析
・プロセスモデル策定と国際規格開発
・生活習慣病PHR推奨項目セットの国際標準化
3.ユースケースに基づいたプロセス記述の精緻化
・ヘルスケアプロセスモデル記述の精緻化
・HL7 FHIRによる連携仕様の実装
4.国際標準化人材育成
・ 社会的アクションプランの策定
・ eLearning教材の開発
・国際会議で発言できる英語力と議論の力の養成
・各国との調整力・リーダシップの養成
結果と考察
令和7年度は、国際標準規格化・ビジネスモデル構築・社会実装の三本柱において、想定シナリオを上回る成果を達成した。ISO/TC215ではGeneric model for bridging healthcare and selfcare processesはCDとして登録され、令和9年末のISO/TS発行に向けた行程が明確化した。これは、長年標準化が進まなかったEHR-PHR間のヘルスケア・セルフケアプロセス統合に初めて国際的な合意形成の道筋をつけたものであり、日本が医療DX分野で国際的なリーダーシップを発揮した成果と言える。ビジネスモデルにおいては、令和6年度の2件に加えて治験等臨床研究ビジネスモデルを新たに加え計3件を策定した。さらに、自動車・物流・建築・不動産の異産業計4社との協業開始は、健康医療情報をヘルスケア領域に閉じず個人のWell-Beingの向上や社会課題解決に活用するという本事業の核心的な価値を実証するものである。OATユニットを核とする国際標準規格は汎用性が高く、異業種展開における知財化(特許2件(準備中含む))と組み合わせることで、日本発の国際競争力のある医療DXエコシステム構築の礎となる。国際標準化人材育成においても、eLearning109名・英語トレーニング12名・ISO/TC215 OJT参加3名と想定を大幅に超え、次世代の標準化リーダー育成基盤が着実に整備されている。あわせて途上国における個人型ヘルスプロセス管理計画策定を実施 した。
結論
令和7年度は、健康医療プロセス管理手法のビジネスモデル構築と国際標準規格化を戦略的に推進した。ISO/TC215においてCommittee Draftとして登録し、令和9年末のISO/TS発行に向けた工程を確立した。EHR-PHR連携基盤の実証を通じてプロセスモデルの精緻化とHL7 FHIR実装ガイドの国内標準規格化を達成した。ビジネスモデルとして「健康経営高度化サービス」「長寿高齢化社会・高度健康支援」「治験等臨床研究への応用」の3件を策定した。加えて、自動車・物流・建築・不動産の異産業4領域において、健康医療情報の異業種クロスモーダルビジネスモデルの構築・実証を進め、特許2件の知財化を推進した。これらは、将来日本が国際的な医療DX分野でリーダーシップを発揮するための強固な基盤となる。
公開日・更新日
公開日
2026-06-05
更新日
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