肝細胞増殖因子による筋萎縮性側索硬化症に対する新規治療法の開発

文献情報

文献番号
201024054A
報告書区分
総括
研究課題名
肝細胞増殖因子による筋萎縮性側索硬化症に対する新規治療法の開発
課題番号
H21-難治・一般-218
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
青木 正志(東北大学大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 岡野 栄之(慶応義塾大学 医学部)
  • 船越 洋(旭川医科大学 脳機能医学工学研究センター)
  • 中村 雅也(慶応義塾大学 医学部)
  • 安達 喜一(クリングルファーマ株式会社)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
470,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
肝細胞増殖因子(HGF)が筋萎縮性側索硬化症(ALS)のモデルマウス・ラットの両者で運動ニューロン保護、生存延長効果をもつことは既に報告している。多くの神経栄養因子のなかでもこの様に変異SOD1トランスジェニック動物によるALSモデルに対して明確な治療効果を示したものは少なく、この有効性をALS患者に臨床応用する意義と必要性がある。
研究方法
臨床試験のために霊長類であるマーモセットを用いてHGFの髄腔内投与による副作用を検証すると共に臨床用量の設定を行った。さらにはHGFの臨床試験実施に向けて準備を行った。
結果と考察
ALSを対象とするHGFの臨床試験実施に向けて、本年度は次の3項目を達成した。1)カニクイザルによるGLP毒性試験(本試験)を行い、脊髄腔内投与によるHGFの安全性を確認した。2)脊髄腔内投与用の製剤化検討を行い、第Ⅰ相臨床試験で用いる治験薬を製造した。3)東北大学TRセンターと協議を重ね、第Ⅰ相臨床試験のプロトコールを作成した。
さらには治験として安全性や倫理的妥当性を薬事法およびGCPに従って確保するために、モニタリング・監査・データマネジメントの整備も進めた。脊髄のq-space imaging(QSI)撮像による評価法の検討し、髄鞘可視化技術であるMyelin mapを用いて損傷脊髄内の残余髄鞘面積を評価することに成功した。さらには効率的な投与法の開発に向けてのALSモデル動物を用いた基礎研究も継続している。
結論
HGFのALSに対する第Ⅰ相臨床試験を開始するための要件である3項目、1)カニクイザルによるGLP毒性試験、2)治験薬製造、3)プロトコール作成を達成した。

公開日・更新日

公開日
2011-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201024054Z