免疫修飾薬による多発性硬化症の治療成績向上を実現する探索的研究

文献情報

文献番号
201024053A
報告書区分
総括
研究課題名
免疫修飾薬による多発性硬化症の治療成績向上を実現する探索的研究
課題番号
H21-難治・一般-217
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
山村 隆(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 免疫研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 小川雅文((独) 国立精神・神経医療研究センター 神経内科)
  • 佐藤典子((独) 国立精神・神経医療研究センター 放射線診療部)
  • 中林哲夫((独 )国立精神・神経医療研究センタートランスレーショナルメディカルセンター臨床研究支援部)
  • 三宅幸子((独)国立精神・神経医療研究センター神経研究所 免疫研究部)
  • 岩渕和也(北里大学医学部免疫学)
  • 大木伸司((独) 国立精神・神経医療研究センター神経研究所 免疫研究部)
  • 荒浪利昌((独) 国立精神・神経医療研究センター神経研究所 免疫研究部)
  • 佐藤準一(明治薬科大学薬学部生命創薬科学科)
  • 案浦洋一(アスビオファーマ株式会社生物医学研究所創薬化学研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
339,413,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、医療スーパー特区を活用することによって国産の多発性硬化症(MS)治療薬OCHの開発を促進し、医療環境の格段の改善を図ることにある。OCHは免疫制御細胞であるNKT細胞の活性化を介して自己免疫応答を調整する経口薬で、MSの動物モデルに有効性を発揮する。
研究方法
医療スーパー特区におけるOCH開発委員会が中心となり、委託先企業、各研究室、病院関連部局における研究の進捗を把握しながら、医師主導臨床研究の23年度内の開始に向けて準備を進めた。
結果と考察
本年度は、OCHのGMP原薬の大量合成、OCHの溶解性を向上させる製剤化の検討、OCHの安全性試験(理化学試験、安全性薬理試験、毒性試験など)を進め、ほぼ予定通りに終了した。また治療効果判定に有効なバイオマーカーの探索(カニクイザルDTH試験やマウス実験)、治験薬概要書の作成、治験プロトコール作成に必要なデータを得るための実験系の検討(NKT細胞欠損マウスを用いた安全性試験の計画)を行い、平成23年度末にはNCNP病院に通院中のMS患者に対する医師主導型早期探索臨床研究の枠組みにおいて、OCHの経口投与を開始する準備が進んだ。OCH被験者の末梢血リンパ球、患者髄液細胞の動態を世界最高水準の精度で解析できる体制を構築した。またMS臨床に有用な血液DNAマイクロアレイ診断の改良にも努め、MSとNMOの鑑別診断に応用できるような具体的成果が挙がった。センターが協力して医師主導早期探索臨床研究を行う体制整備が進んだ。
結論
OCHの早期探索型研究および関連する臨床試験を実施する準備が進み、多発性硬化症の病態や治療に関する新たな情報を発信してOCHの実用化につなげるという当初の目標に到達する見込みである。

公開日・更新日

公開日
2011-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201024053Z