生体試料等の効率的提供の方法に関する研究

文献情報

文献番号
201024051A
報告書区分
総括
研究課題名
生体試料等の効率的提供の方法に関する研究
課題番号
H21-難治・一般-170
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
中村 幸夫(独立行政法人理化学研究所筑波研究所バイオリソースセンター 細胞材料開発室)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
70,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、難治性疾患の克服を目指す研究者が、対象となる研究材料を迅速に入手できるためのインフラストラクチャーとしての「細胞バンク事業」を整備することを目的とする。こうした研究材料を体系的かつ網羅的に整備することは未だに実施されておらず、本課題実施後に難治性疾患の多くをカバーできるような細胞材料が整備できれば、世界に類を見ない貴重な「研究資源コレクション」となることが確実である。
研究方法
厚生労働科学研究費補助金「難治性疾患克服研究事業」の中の「生体試料等の収集に関する研究」等で収集された生体試料を受け入れ、効率的な提供を実施するための、倫理的課題や技術的課題等に関して研究する。収集した組織又は細胞をそのまま提供(使用)したのでは「使い切り試料」であり、使用者数が限定されるため、細胞の短期培養又は長期培養(不死化)を実施し、広く多くの研究者が使用できるようにする。
結果と考察
「難治性疾患克服研究事業・生体試料等の効率的提供の方法に関する研究」には3機関が採択された。医薬基盤研究所、熊本大学、理研(我々)である。3機関で相談し、各機関の専門性を活かした連携協力体制で「難知性疾患研究資源バンク」を整備することとした。理研の役割分担は次の内容となった。(1)短期培養細胞(線維芽細胞等)の作成。(2)EBVによる形質転換B細胞の作成(EBV-B細胞)。(3)iPS細胞の作成。ただし、熊本大学との重複は避ける。(4)他機関が作成したiPS細胞の寄託を受ける。(5)上記の全ての細胞に関する分譲業務。平成22年度は、一般研究者に即時提供可能な線維芽細胞を維持するとともに、熊本大学にて樹立された疾患特異的iPS細胞の寄託を受け、一般研究者に即時提供可能な状態とするための準備を進めた。
結論
 平成22年度は、難治性疾患者に由来するiPS細胞の寄託受入を開始した。平成23年度からは、「難治性疾患克服研究事業・生体試料等の収集に関する研究」の各班で収集された生体試料に関して、医薬基盤研究所を介して理研BRCへの寄託が増加する見込みである。また、「難治性疾患克服研究事業・生体試料等の収集に関する研究」の各班に限定することなく、国内機関で樹立された疾患者由来の培養細胞(線維芽細胞、EBV-B細胞、iPS細胞等)の収集に努める。

公開日・更新日

公開日
2011-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201024051Z