DPCとタイムスタディを用いた臓器専門医のプライマリ・ケア診療可視化に基づく医師偏在指標の開発

文献情報

文献番号
202521001A
報告書区分
総括
研究課題名
DPCとタイムスタディを用いた臓器専門医のプライマリ・ケア診療可視化に基づく医師偏在指標の開発
研究課題名(英字)
-
課題番号
23IA1003
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
上原 孝紀(千葉大学 医学部附属病院 総合診療科)
研究分担者(所属機関)
  • 小林 美亜(山梨大学大学院総合研究部医学域 臨床医学系(附属病院 病院経営管理部))
  • 塚田 弥生(哲翁 弥生)(日本医科大学 医学部)
  • 大坪 徹也(秋田大学)
  • 中部 貴央(東京大学 医学部附属病院)
  • 大平 善之(聖マリアンナ医科大学 総合診療内科学)
  • 太田 光泰(横浜市立大学 医学部 医学教育学・総合診療医学)
  • 和足 孝之(京都大学 医学部附属病院 総合臨床教育・研修センター)
  • 横川 大樹(千葉大学医学部附属病院 総合診療科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
2,531,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
令和6年度から開始された第8次(前期)医師確保計画の進捗状況およびその効果をモニタリング・評価し、医師の地域偏在・診療科偏在の是正に資する実証的エビデンスを蓄積することである。
研究方法
令和7年度は、7つの分担研究を実施した。研究1・2では、DPCデータを用いて、大学病院における日本型ホスピタリストの主治医機能対応可能性を、単施設および全国42国立大学病院で可視化した。研究3では、電子タグによる院内所在地ログを用いて、大学病院における臓器別専門医が担う業務構造を定量的に把握した。研究4では、勤務義務を有する医師の政策上の医師不足地域等における年間勤務月数を全国規模で定量化した。研究5では、勤務義務を有する医師が政策上の医師不足地域等で6か月以上勤務することに関連する要因を分析した。研究6では、勤務義務を有する卒後3年目医師の専門領域分布を、2022年度新専攻医相当集団と比較した。研究7では、都市部居住医師を対象に、医療資源の乏しい地域における勤務意向および勤務条件を全国医師パネル調査により検討した。
結果と考察
本研究班では、単施設および全国42国立大学病院のDPCデータ解析により、大学病院入院患者の約半数が日本型ホスピタリストによる主治医機能の対象となり得ることを示した。また、電子タグを用いた滞在時間分析により、臓器別専門医、とくに若手医師が病棟管理やカンファレンスなどの領域横断的業務に多く関与している可能性が示された。
勤務義務を有する医師については、政策上の医師不足地域等での年間勤務月数が平均5.22か月であり、地域枠等の従事要件における「9年間中4年間程度」とおおむね整合する結果であった。また、政策上の医師不足地域等で6か月以上勤務することには、自治医科大学卒業、医師経験年数7年以上、休職歴なし、男性、総合診療・内科・小児科・外科・整形外科・泌尿器科などの診療領域が関連していた。特に総合診療は最も大きな関連を示し、医師不足地域における総合診療医または総合的な診療能力を有する医師の重要性が示された。
専門領域分布の解析では、勤務義務を有する卒後3年目医師は、同年次の新専攻医相当群と比較して、内科、小児科、外科、産婦人科、総合診療の割合が高く、勤務義務を伴う医師養成政策が地域医療を支える基盤的診療領域の供給と関連している可能性が示された。都市部居住医師への全国調査では、郡部・中山間地域・離島での勤務に同意できる医師が一定数存在し、特に短期・反復型勤務や現在の生活拠点を維持した通勤型勤務への意向が高かった。
結論
医師偏在対策には、地理的要因、診療科的要因、医師の意向・生活条件という複数の側面を統合した政策設計が必要であることが明らかとなった。特に、医師不足地域への処方箋として、総合診療医または総合的な診療能力を有する医師の養成・配置を強化すること、勤務義務医師の配置を地域の実情と診療領域に基づいて評価すること、都市部・地方都市の医師を短期・反復型に医師不足地域へ結びつける仕組みを整備することが重要である。

公開日・更新日

公開日
2026-07-09
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2026-07-09
更新日
-

文献情報

文献番号
202521001B
報告書区分
総合
研究課題名
DPCとタイムスタディを用いた臓器専門医のプライマリ・ケア診療可視化に基づく医師偏在指標の開発
研究課題名(英字)
-
課題番号
23IA1003
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
上原 孝紀(千葉大学 医学部附属病院 総合診療科)
研究分担者(所属機関)
  • 小林 美亜(山梨大学大学院総合研究部医学域 臨床医学系(附属病院 病院経営管理部))
  • 塚田 弥生(哲翁 弥生)(日本医科大学 医学部)
  • 大坪 徹也(秋田大学)
  • 中部 貴央(東京大学 医学部附属病院)
  • 大平 善之(聖マリアンナ医科大学 総合診療内科学)
  • 太田 光泰(横浜市立大学 医学部 医学教育学・総合診療医学)
  • 和足 孝之(京都大学 医学部附属病院 総合臨床教育・研修センター)
  • 横川 大樹(千葉大学医学部附属病院 総合診療科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
令和6年度から開始された第8次(前期)医師確保計画の進捗状況およびその効果をモニタリング・評価し、医師の地域偏在・診療科偏在の是正に資する実証的エビデンスを蓄積することである。
研究方法
本研究は、大きく二つの柱から構成された。第一に、DPCデータおよび電子タグを用いたタイムスタディにより、大学病院において臓器別専門医が担っている領域横断的診療および業務構造を可視化した。第二に、都道府県調査、医師届出票、日本専門医機構の新専攻医採用実績、全国医師パネル調査を用いて、医師の地域偏在・診療科偏在、勤務義務医師の地域勤務実態、専門領域分布、都市部居住医師の勤務意向を多面的に検討した。
令和5年度は、DPCデータおよび電子タグデータを用いた解析基盤を構築し、医師偏在対策に関する行政資料の整理、自治体および医療機関へのヒアリングを実施した。令和6年度は、千葉大学医学部附属病院および全国42国立大学病院のDPCデータ解析、電子タグによる院内滞在時間分析、義務年限医師の全国横断調査、医師届出票を用いた地域・診療科偏在構造の分析を実施した。令和7年度は、これらの解析を精緻化し、勤務義務医師の勤務月数、6か月以上勤務に関連する要因、専門領域分布、都市部居住医師の勤務意向を追加解析し、医師偏在対策に資する実証的知見として統合した。
結果と考察
本研究により、大学病院においても入院患者の約半数が日本型ホスピタリストによる主治医機能の対象となり得ることが示された。また、電子タグを用いた院内所在地ログの解析により、臓器別専門医、とくに若手医師が病棟管理、スタッフステーション、カンファレンスなどの領域横断的業務に多く関与している可能性が明らかとなった。さらに、勤務義務を有する医師は政策上の医師不足地域等で年間平均5.22か月勤務しており、地域枠等の従事要件における「9年間中4年間程度」とおおむね整合する結果であった。政策上の医師不足地域等で6か月以上勤務することには、自治医科大学卒業、医師経験年数7年以上、休職歴なし、総合診療・内科・小児科・外科・整形外科・泌尿器科などの診療領域が関連しており、特に総合診療は最も大きな関連を示した。
また、勤務義務を有する卒後3年目医師は、同年次の新専攻医相当群と比較して、内科、小児科、外科、産婦人科、総合診療の割合が高かった。都市部居住医師への全国調査では、郡部・中山間地域・離島での勤務に同意しうる医師が一定数存在し、特に短期・反復型勤務や現在の生活拠点を維持した通勤型勤務への意向が高かった。
結論
医師偏在対策には、地理的要因、診療科的要因、医師の意向・生活条件という複数の側面を統合した政策設計が必要であることが明らかとなった。

公開日・更新日

公開日
2026-07-09
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2026-07-09
更新日
-

行政効果報告

文献番号
202521001C

収支報告書

文献番号
202521001Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
2,531,000円
(2)補助金確定額
2,531,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 0円
人件費・謝金 1,370,804円
旅費 146,804円
その他 1,013,392円
間接経費 0円
合計 2,531,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2026-07-09
更新日
-