難治性疾患克服のための難病研究資源バンク開発研究

文献情報

文献番号
201024048A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性疾患克服のための難病研究資源バンク開発研究
課題番号
H21-難治・一般-166
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
亀岡 洋祐(独立行政法人医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部難病資源研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 梅澤 明弘(独立行政法人国立成育医療研究センター 生殖・細胞医療研究部)
  • 横出 正之(京都大学医学部附属病院 探索医療センター探索医療臨床部)
  • 増井 徹(独立行政法人医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部 政策・倫理研究室)
  • 野村 大成(独立行政法人医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部 疾患モデル小動物研究プロジェクト)
  • 小原 有弘(医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部 培養資源研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
100,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は難治性疾患試料の研究資源バンクである「難病研究資源バンク」を設立の問題点を明らかにし、難病研究資源バンクの構築によって、難病克服研究推進に貢献することにある。研究班内、班外の研究者へ患者試料の公平・効率的な研究利用促進を図り、難病研究資源のワンストップ創生により疾患克服研究推進に貢献する。患者の権利保護、倫理問題、臨床医の権利など、法的倫理的、権利調整問題が重要課題であり、難病克服研究班と試料収集協力の交渉で、具体的対応策を検討し、難病バンク事業を進める。
研究方法
対象疾患は指定130疾患はじめ多岐にわたり、その研究試料も多種類である。試料の基本操作や分離試料の分注凍結保存は、2次元バーコードチューブ(2Dチューブ)を用いた自動システムを導入し、電子制御による管理システム構築を行う。難病バンク啓蒙のため、パンフレット作成、学会講演、ブース展示、シンポジウムなど、難病バンク事業の普及啓発活動を行った。個々の難病研究班に対して、生体試料提供に係る機関での倫理審査申請に協力し収集の円滑化、班固有の問題の対応を行うことにより収集の増加を実現する。
結果と考察
研究班との試料提供交渉で各機関の倫理審査申請への協力が重要であり時間、労力を要した。研究班の状況把握と倫理審査申請協力に注力する必要があり、効率的システムを考案する必要がある。試料収集交渉できた研究班は24班、倫理審査件数10、承認6、再審査1、条件付承認2となった。収集試料は4疾患158症例でDNAおよび血清174件については分譲可能な状況にある。連携機関の熊本大から3疾患のiPS細胞8クローンも寄託され分譲可能となった。倫理承認後、MTA締結に時間を要することもあり、試料寄託が遅れていることもあるが、今後事務手続きを効率的に進め試料収集を効率的に行う必要がある。
結論
難病研究資源バンクのハードソフト両面でのシステム構築が進み、収集研究班での倫理審査と難病バンクでの倫理審査承認案件はまだ6件と少ないながら、MTA締結し158症例、DNAおよび血清試料174件を収集することができた。各機関での倫理申請やMTA締結などの事務手続きに多くの時間と労力がかかるが、今後この点に注力し効率的に生体試料の収集を進めていく必要がある。また今後の研究利用のための研究利用のための分譲を進めるためにも難病研資源バンクに関する広報啓蒙活動を進めなければならない。

公開日・更新日

公開日
2011-12-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201024048Z