文献情報
文献番号
201024034A
報告書区分
総括
研究課題名
スモンに関する調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H20-難治・一般-034
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
小長谷 正明(独立行政法人国立病院機構鈴鹿病院 神経内科)
研究分担者(所属機関)
- 藤木 直人(独立行政法人国立病院機構北海道医療センター 神経内科)
- 亀井 聡(日本大学 医学部神経内科)
- 小池 春樹(名古屋大学 医学部附属病院神経内科)
- 小西 哲郎(独立行政法人国立病院機構宇多野病院 神経内科)
- 井原 雄悦(独立行政法人国立病院機構南岡山医療センター 臨床研究部)
- 藤井 直樹(独立行政法人国立病院機構大牟田病院 神経内科)
- 橋本 修二(藤田保健衛生大学 医学部衛生学講座)
- 千田 圭二(独立行政法人国立病院機構岩手病院 神経内科)
- 乾 俊夫(独立行政法人国立病院機構徳島病院 診療部)
- 久留 聡(独立行政法人国立病院機構鈴鹿病院 神経内科)
- 齋藤 由扶子(独立行政法人国立病院機構東名古屋病院 診療部)
- 武藤 多津郎(藤田保健衛生大学 医学部脳神経内科学)
- 矢部 千尋(京都府立医科大学 医学研究科)
- 山田 淳夫(独立行政法人国立病院機構呉医療センター 神経内科)
- 大沼 歩(広南会広南病院 神経内科)
- 蜂須賀 研二(産業医科大学 リハビリテーション医学)
- 寳珠山 稔(名古屋大学 医学部保健学科)
- 朝比奈 正人(千葉大学 医学部附属病院神経内科)
- 吉田 宗平(関西医療学園 関西医療大学)
- 阿部 康二(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科脳神経内科)
- 池田 修一(信州大学 医学部内科学)
- 片桐 忠(山形県立河北病院 神経内科)
- 吉良 潤一(九州大学 大学院医学研究院脳神経病研究施設神経内科)
- 小池 亮子(独立行政法人国立病院機構西新潟中央病院 統括診療部)
- 田中 千枝子(日本福祉大学 社会福祉学部)
- 藤村 晴俊(独立行政法人国立病院機構刀根山病院 臨床研究部)
- 水落 和也(横浜市立大学附属病院 リハビリテーション科)
- 溝口 功一(独立行政法人国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター 診療部)
- 犬塚 貴(岐阜大学 大学院医学系研究科神経内科)
- 上坂 義和(虎の門病院 神経内科)
- 上野 聡(奈良県立医科大学 神経内科)
- 大井 清文(いわてリハビリテーションセンター 診療部)
- 大竹 敏之(東京都保健医療公社荏原病院 神経内科)
- 岡本 幸市(群馬大学 大学院医学系研究科脳神経内科 )
- 階堂 三砂子(市立堺病院 脳脊髄神経センター神経内科)
- 川井 元晴(山口大学 大学院医学系研究科神経内科)
- 菊地 修一(石川県 健康福祉部)
- 木村 円(熊本大学 医学部附属病院神経内科)
- 熊本 俊秀(大分大学 医学部総合内科学第3講座)
- その他(当研究班の分担者は74名。その他の分担者については研究報告書を参照。)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
84,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
スモン患者恒久対策のために全国検診を行い、神経学的および全身的病態、療養や福祉サービス状況を調査し、実態を明らかにする。
対症療法の開発や療養状況の悪化予防、神経障害患者の予後の縦断的検討、および薬害防止の為の各種啓発活動を行う。
対症療法の開発や療養状況の悪化予防、神経障害患者の予後の縦断的検討、および薬害防止の為の各種啓発活動を行う。
研究方法
各班員が検診を行い、検診結果を集計し、医学的・福祉的状況を解析し、問題点を抽出した。また、スモン患者の福祉機器ニーズと生活満足度について全国調査を行った。
キノホルム神経毒性の基礎的検討を、培養細胞を用いて行った。
キノホルム神経毒性の基礎的検討を、培養細胞を用いて行った。
結果と考察
データ解析に同意した検診受診者787例は平均年齢76.7歳で、高齢加が顕著であった。高度視力障害10%、杖歩行以下の歩行障害56%、中等度以上の異常感覚72%であった。身体的合併症は98%に、56%に精神徴候があり、認知症は7%であった。障害度が極めて重度5%、重度25%であり、障害要因はスモン+合併症が61%を占めた。
介護保険申請は47%で、要介護3以上が13%であった。834例の福祉用具調査では、44.5%で利用していたが、制度上の問題や患者ニーズについての検討が必要である。
データベース化は1989?2009年度の、延べ人数21452人となった。データベースに基づき、独居スモン患者と若年発症患者の調査がそれぞれなされ、問題が指摘された。
ADLやQOL低下と歩行能力低下の連動が明らかになった。バランスと下肢筋力維持の必要性が強調され、患者向けに『スモン患者さんのための体操とマッサージ』のDVDと冊子を作成した。
キノホルムの神経細胞毒性は酸化ストレス関与の可能性と、ノイロトロピンによる保護作用が示唆された。
高齢スモン剖検例では認知症関連加齢変化は軽く、キノホルム摂取関与の可能性は否定できなかった。パーキンソン病の発病頻度調査で、女性スモン患者では発症率が一般人口より極めて高かった。
スモンの風化防止策として、患者、患者家族や行政関係者を対象とした『スモンの集い』を行った。昨年度の『スモンの集い』記録冊子は、スモン患者、患者団体行政機関に配布した。
介護保険申請は47%で、要介護3以上が13%であった。834例の福祉用具調査では、44.5%で利用していたが、制度上の問題や患者ニーズについての検討が必要である。
データベース化は1989?2009年度の、延べ人数21452人となった。データベースに基づき、独居スモン患者と若年発症患者の調査がそれぞれなされ、問題が指摘された。
ADLやQOL低下と歩行能力低下の連動が明らかになった。バランスと下肢筋力維持の必要性が強調され、患者向けに『スモン患者さんのための体操とマッサージ』のDVDと冊子を作成した。
キノホルムの神経細胞毒性は酸化ストレス関与の可能性と、ノイロトロピンによる保護作用が示唆された。
高齢スモン剖検例では認知症関連加齢変化は軽く、キノホルム摂取関与の可能性は否定できなかった。パーキンソン病の発病頻度調査で、女性スモン患者では発症率が一般人口より極めて高かった。
スモンの風化防止策として、患者、患者家族や行政関係者を対象とした『スモンの集い』を行った。昨年度の『スモンの集い』記録冊子は、スモン患者、患者団体行政機関に配布した。
結論
高齢化にともない、スモン患者の認知機能低下や四肢機能悪化例が増加しており、身体的、福祉的状況の維持には、医療はもとより基本的ADLを維持・向上するための生活指導やリハビリテーションの実施が重要である。また、今後も引き続き、医療および福祉面からの対応が必要である。
公開日・更新日
公開日
2011-12-27
更新日
-