文献情報
文献番号
201024029A
報告書区分
総括
研究課題名
強皮症における病因解明と根治的治療法の開発
研究課題名(英字)
-
課題番号
H20-難治・一般-029
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
佐藤 伸一(東京大学医学部附属病院 皮膚科)
研究分担者(所属機関)
- 石川 治(群馬大学大学院医学系研究科皮膚病態学)
- 尹 浩信(熊本大学大学院医学薬学研究部皮膚機能病態学)
- 住田 孝之(筑波大学大学院人間総合科学研究科疾病制御医学専攻)
- 山本 俊幸(福島県立医科大学医学部皮膚科)
- 遠藤 平仁(東邦大学医療センター大森病院リウマチ膠原病センター)
- 川口 鎮司(東京女子医科大学附属病院膠原病リウマチ痛風センター膠原病)
- 桑名 正隆(慶應義塾大学医学部リウマチ内科)
- 藤本 学(金沢大学大学院医学系研究科血管新生・結合組織代謝学(皮膚科))
- 高橋 裕樹(札幌医科大学医学部第一内科,臨床 免疫学)
- 小川 文秀(長崎大学病院皮膚科・アレルギー科)
- 浅野 善英(東京大学医学部附属病院 皮膚科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
全身性強皮症(以下、強皮症)は皮膚および肺、腎、消化管、心をはじめとする内臓諸臓器を系統的に侵す慢性疾患であり、膠原病に分類される。本研究の目的は、実績のある強皮症の専門家を集め研究チームを編成することによって、強皮症の病因解明、そして根治的治療法の開発を行うことである。
研究方法
基礎研究である病因・病態解明プロジェクトでは、①制御性B細胞の異常、②転写因子Fli1によるコラーゲン転写抑制メカニズムの解明、③血管内皮前駆細胞の異常、④強皮症動物モデルを用いた薬剤の有効性のスクリーニングを行った。臨床研究では、①既存の治療薬で、本症に有効と考えられるいくつかの薬剤の有効性の検証、②診療ガイドラインの全面改訂などを行った。
結果と考察
1. 基礎研究-病因・病態解明プロジェクト
①免疫系の異常として、制御性B細胞数の減少、Blk近傍に位置するC8orf12遺伝子多型を明らかにした。②線維芽細胞異常として、Fli1がp300によるヒストンアセチル化の阻害を介してコラーゲン転写活性を抑制することを明らかにした。③血管異常として、強皮症由来血管内皮前駆細胞による血管形成能の低下を明らかにした。④動物モデルを用いた薬剤のスクリーニングによって、エダラボンの有効性が示された。
2. 臨床研究
①皮膚硬化・間質性肺炎に対するシクロホスファミドの有効性や、肺高血圧症・潰瘍に対するシルデナフィルの有効性が示唆された。②診療ガイドラインを全面改訂した。③強皮症における肺高血圧の血行動態の特徴や、心筋障害の特徴について明らかにした。
①免疫系の異常として、制御性B細胞数の減少、Blk近傍に位置するC8orf12遺伝子多型を明らかにした。②線維芽細胞異常として、Fli1がp300によるヒストンアセチル化の阻害を介してコラーゲン転写活性を抑制することを明らかにした。③血管異常として、強皮症由来血管内皮前駆細胞による血管形成能の低下を明らかにした。④動物モデルを用いた薬剤のスクリーニングによって、エダラボンの有効性が示された。
2. 臨床研究
①皮膚硬化・間質性肺炎に対するシクロホスファミドの有効性や、肺高血圧症・潰瘍に対するシルデナフィルの有効性が示唆された。②診療ガイドラインを全面改訂した。③強皮症における肺高血圧の血行動態の特徴や、心筋障害の特徴について明らかにした。
結論
強皮症における、免疫異常、線維芽細胞異常、血管異常という3つの主要な異常において、病因の一端に迫る基礎研究における成果をあげたのみならず、マウスを用いた実験より今後有効性が期待される薬剤や、既存のもので有効性が期待される薬剤をいくつかリストアップすることができた。
公開日・更新日
公開日
2011-12-27
更新日
-