公的医療及び社会の立場からのワクチンの費用対効果の評価法及び分析方法の確立のための研究

文献情報

文献番号
202518007A
報告書区分
総括
研究課題名
公的医療及び社会の立場からのワクチンの費用対効果の評価法及び分析方法の確立のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23HA1007
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
池田 俊也(国際医療福祉大学 医学部 公衆衛生学)
研究分担者(所属機関)
  • 五十嵐 中(東京大学 大学院薬学系研究科)
  • 白岩 健(国立保健医療科学院)
  • 森脇 健介(立命館大学)
  • 小林 美亜(山梨大学大学院総合研究部医学域 臨床医学系(附属病院 病院経営管理部))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
3,650,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、我が国におけるワクチンの費用対効果評価について、公的医療の立場を基本としつつ、社会の立場から考慮すべき費用の範囲、算出方法、結果提示方法を整理し、予防接種政策に活用可能な分析方法を確立することを目的とした。あわせて、生産性損失・インフォーマルケアの取扱い、個別ワクチンの費用対効果評価、生成AI・大規模言語モデルを活用する際の信頼性確保のあり方を検討した。
研究方法
本研究では、まずワクチン費用効果分析における生産性損失およびインフォーマルケアの算出方法について、国内外の先行研究を収集・整理した。次に、国内外のガイドライン等を参照し、社会的費用の標準的な取扱いに関する国内指針案を作成した。さらに、新規成人肺炎球菌ワクチン、小児RSウイルス感染予防、高用量インフルエンザワクチンの費用対効果評価結果を統合的に整理した。加えて、ワクチンの医療経済評価およびHTAにおける生成AI・大規模言語モデルの活用可能性と信頼性確保に向けた国際動向を調査した。
結果と考察
生産性損失およびインフォーマルケアに関する文献レビューでは、対象者、損失時間、就業率、賃金単価、金銭換算方法に研究間のばらつきが認められた。国内指針案では、公的医療の立場による基本分析を必ず提示し、必要に応じて社会の立場からの追加分析を併記することを提案した。個別ワクチン評価では、成人肺炎球菌ワクチン、小児RSウイルス感染予防、高用量インフルエンザワクチンについて、接種対象、価格、効果、比較対照により費用対効果が変動することを示した。また、生成AIは分析作業の効率化に有用である一方、透明性、再現性、専門家による検証が不可欠であることを明らかにした。
結論
本研究では、ワクチン費用対効果評価に関する方法論、社会的費用の国内指針案、個別ワクチン評価、生成AI・LLM活用の国際動向を整理した。社会的費用については、生産性損失やインフォーマルケアの算定方法に研究間でばらつきがあり、国内での標準化が必要であることが示された。
評価にあたっては、公的医療の立場による基本分析を中核としつつ、必要に応じて社会の立場からの追加分析を行い、国内データや感度分析を重視することが重要である。個別評価では、一部ワクチンで良好な費用対効果が示された一方、価格、接種時期、対象集団、自己負担額による接種率低下が結果に大きく影響した。
今後は、医療費とQALYに加え、接種率、自己負担、制度上の費用負担、流行動態、入院・死亡回避などの公衆衛生的インパクトを含む包括的な評価枠組みの構築が求められる。また、生成AI・LLMの活用には、透明性、再現性、事実性検証、人間による監督が不可欠である。

公開日・更新日

公開日
2026-07-03
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2026-07-03
更新日
-

文献情報

文献番号
202518007B
報告書区分
総合
研究課題名
公的医療及び社会の立場からのワクチンの費用対効果の評価法及び分析方法の確立のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23HA1007
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
池田 俊也(国際医療福祉大学 医学部 公衆衛生学)
研究分担者(所属機関)
  • 五十嵐 中(東京大学 大学院薬学系研究科)
  • 白岩 健(国立保健医療科学院)
  • 森脇 健介(立命館大学)
  • 小林 美亜(山梨大学大学院総合研究部医学域 臨床医学系(附属病院 病院経営管理部))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、我が国におけるワクチンの費用対効果評価について、公的医療の立場を基本としつつ、社会の立場から考慮すべき費用の範囲、算出方法、結果提示方法を整理し、予防接種政策に活用可能な分析方法を確立することを目的とした。あわせて、生産性損失・インフォーマルケアの取扱い、個別ワクチンの費用対効果評価、生成AI・大規模言語モデルを活用する際の信頼性確保のあり方を検討した。
研究方法
本研究では、まずワクチン費用効果分析における生産性損失およびインフォーマルケアの算出方法について、国内外の先行研究を収集・整理した。次に、国内外のガイドライン等を参照し、社会的費用の標準的な取扱いに関する国内指針案を作成した。さらに、新規成人肺炎球菌ワクチン、小児RSウイルス感染予防、高用量インフルエンザワクチンの費用対効果評価結果を統合的に整理した。加えて、ワクチンの医療経済評価およびHTAにおける生成AI・大規模言語モデルの活用可能性と信頼性確保に向けた国際動向を調査した。
結果と考察
生産性損失およびインフォーマルケアに関する文献レビューでは、対象者、損失時間、就業率、賃金単価、金銭換算方法に研究間のばらつきが認められた。国内指針案では、公的医療の立場による基本分析を必ず提示し、必要に応じて社会の立場からの追加分析を併記することを提案した。個別ワクチン評価では、成人肺炎球菌ワクチン、小児RSウイルス感染予防、高用量インフルエンザワクチンについて、接種対象、価格、効果、比較対照により費用対効果が変動することを示した。また、生成AIは分析作業の効率化に有用である一方、透明性、再現性、専門家による検証が不可欠であることを明らかにした。
結論
本研究では、わが国におけるワクチン費用対効果評価の方法論、社会的費用の取り扱い、個別ワクチンの経済評価、生成AI・LLM活用の国際動向を整理した。生産性損失やインフォーマルケアの評価方法には研究間で大きなばらつきがあり、対象者、損失時間、賃金単価、金銭換算方法などの標準化が必要であることが示された。
国内指針案としては、公的医療の立場による基本分析を必須とし、ワクチン導入が本人や家族・介護者の生産性、看護・介護時間に影響する場合には、社会の立場からの追加分析を併記することが妥当とされた。個別評価では、PCV20、RSV母子免疫ワクチン、高用量インフルエンザワクチンで一定の良好な費用対効果が示された一方、抗体製剤やCOVID-19ワクチンでは、価格、接種時期、対象集団、自己負担による接種率低下が結果に大きく影響した。
また、生成AI・LLMは文献レビューや経済モデル構築を支援する可能性があるが、透明性、再現性、事実確認、バイアス評価、セキュリティ、人間による監督が不可欠である。
以上より、今後のワクチン費用対効果評価では、公的医療の立場による比較可能な基本分析を中核としつつ、社会的費用、国内データ、感度分析、AI利用時の検証体制を整備し、医療費・QALYだけでなく、接種率、自己負担、流行動態、入院・死亡回避などを含む包括的な評価枠組みを構築する必要がある。

公開日・更新日

公開日
2026-07-03
更新日
-

行政効果報告

文献番号
202518007C

収支報告書

文献番号
202518007Z