文献情報
文献番号
201024009A
報告書区分
総括
研究課題名
副腎ホルモン産生異常に関する調査研究
課題番号
H20-難治・一般-009
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
梶野 浩樹(旭川医科大学 医学部 小児科)
研究分担者(所属機関)
- 諸橋 憲一郎(九州大学大学院医学研究院 分子生命科学機能高分子設計学)
- 宮本 薫(福井大学 医学部 分子生体情報)
- 柳瀬 敏彦(福岡大学 医学部 内分泌糖尿病内科)
- 長谷川 奉延(慶應義塾大学 医学部 小児科)
- 田島 敏広(北海道大学大学院 医学研究科 小児科)
- 勝又 規行(国立成育医療研究センター研究所 分子内分泌研究部 基礎内分泌研究室)
- 加藤 茂明(東京大学 分子細胞生物学研究所 核内情報研究分野)
- 田中 廣壽(東京大学医科学研究所 先端医療研究センター 免疫病態分野)
- 西川 哲男(独立行政法人労働者健康福祉機構 横浜労災病院 内分泌代謝内科)
- 柴田 洋孝(慶應義塾大学 医学部 腎臓内分泌代謝内科)
- 笹野 公伸(東北大学大学院 医学系研究科 病理診断学)
- 宮森 勇(福井大学 医学部 第3内科)
- 武田 仁勇(金沢大学大学院 医学系研究科 分子病態内科)
- 上芝 元(東邦大学 医学部 内科学糖尿病代謝内分泌科)
- 田村 尚久(京都大学大学院 医学研究科 内分泌代謝内科)
- 佐藤 文俊(東北大学病院 腎高血圧内分泌科)
- 西條 泰明(旭川医科大学 健康科学)
- 成瀬 光栄(国立病院機構京都医療センター 臨床研究センター 内分泌代謝高血圧研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
35,000,000円
研究者交替、所属機関変更
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研究報告書(概要版)
研究目的
副腎の発生・分化、ステロイドホルモン産生・作用に異常を呈する疾患の病因・病態の解明、診断・治療法の開発、疾患の実態調査を行い、診療ガイドラインを作成する。
研究方法
7分野について研究を進めた。1)先天性副腎酵素異常症の生化学・遺伝子診断システムの構築と病態の解明、2)副腎の発生・分化機構の解明、3)副腎再生による新しい副腎不全治療法の開発、4)原発性アルドステロン症(PA)の診断基準策定と治療法の検討、5)ステロイド作用に関わる受容体とその異常の解析、6)副腎癌の診断・治療法の検討、7)副腎ホルモン産生異常症の全国疫学調査。
結果と考察
1)生後4-6日の女児DHT、男女T/DHTの基準範囲を設定した。非古典的StAR欠損症では、遺伝子解析が必須である。21-水酸化酵素欠損症の成長パターンを示した。2)次世代シークエンサーを用いたAd4BP/SF-1の標的遺伝子解析の系を確立した。PAの病態の修飾因子を免疫組織学的に明らかにした。3)幹細胞からステロイド産生細胞への分化誘導において、SF-1とC/EBPβはともに結合しステロイドホルモン合成関連遺伝子群の転写調節に関与した。4)PAガイドラインを作成した。それが実地臨床において妥当であることを確認した。アルドステロン産生性副腎皮質腺腫(APA)におけるアルドステロン産生には、エピジェネティックな産生調節が示唆された。PAの局在診断において18-oxocortisol測定の有用性を示した。APA患者内臓脂肪では、局所でのアルドステロン作用の増加も示唆された。5)ミネラルコルチコイド受容体の転写制御因子p130、p140を同定し、それぞれco-activator、co-repressorとして機能した。グルココルチコイド受容体の新規標的遺伝子REDD1およびKLF15を同定し、骨格筋萎縮の分子メカニズムを明らかとした。6)副腎偶発腫として発見された褐色細胞腫においても、カテコールアミン検査が有用であった。副腎性サブクリニカルクッシング症候群(SCS)の新しい診断基準案を作成した。7)先天性副腎酵素異常症、先天性副腎低形成症、偽性低アルドステロン症、11β水酸化ステロイド脱水素酵素欠損症、ACTH不応症、PA、副腎性SCS、Addison病、褐色細胞腫の全国患者数ならびに臨床像を明らかとした。
結論
多角的に臨床的・基礎的研究を行い多くの成果を得た。
公開日・更新日
公開日
2011-12-27
更新日
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