文献情報
文献番号
202517039A
報告書区分
総括
研究課題名
障害者支援施設や共同生活援助事業所等における高齢障害者への看取りマニュアルの実装に向けた研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
25GC1013
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
根本 昌彦(独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園 総務企画局研究・人材養成部)
研究分担者(所属機関)
- 鶴岡 浩樹(日本社会事業大学大学院 福祉マネジメント研究科)
- 本名 靖(東洋大学福祉社会開発研究センター)
- 庄司 妃佐(東京福祉大学社会福祉学部)
- 日詰 正文(独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園 総務企画局研究・人材養成部)
- 出村 早苗(文京学院大学 人間学部 人間福祉学科)
- 村岡 美幸(相馬 美幸)(独立行政法人 国立重度知的障害者総合施設のぞみの園 研究・人材養成部 研究課)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和7(2025)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
8,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、令和6(2024)年度に作成した「障害者支援施設、共同生活援助等での看取り導入マニュアル」について、障害者支援施設等での実装可能性を検証し、改訂に向けた課題を整理することを目的とした。あわせて、高齢知的・発達障害者の看取り支援に必要となる意思決定支援・アドバンス・ケア・プランニング(ACP)、制度上の課題、職員や家族等向け研修教材を検討するための基礎資料を作成することを目指した。
研究方法
本研究では、以下の調査・検討を行った。
1.検討委員会及びワーキンググループ会議を開催し、マニュアルの内容、セミナー、報告書、知的障害者の健康・看取り等について検討した。
2.国内外のACPに関する文献レビューを行い、あわせて障害福祉サービス等報酬改定資料、介護報酬改定資料等を分析し、看取り支援の制度上の課題を整理した。
3.令和5年度調査で「看取りを実施している」又は「看取りの必要性を感じている」と回答し、さらに、令和7年度に研究協力の同意が得られた8事業所の管理者・支援者を対象に、看取り導入マニュアルの使用後アンケートを実施した。
4.アンケート回答事業所のうち4カ所にヒアリングを行った。また、オーストラリアのTEL、PCV、VALID等、国内の看取り・意思決定支援に関する教育・研修実践者等にもヒアリングを行い、本人参加、緩和ケア、研修教材、医療・福祉連携のあり方を把握した。
1.検討委員会及びワーキンググループ会議を開催し、マニュアルの内容、セミナー、報告書、知的障害者の健康・看取り等について検討した。
2.国内外のACPに関する文献レビューを行い、あわせて障害福祉サービス等報酬改定資料、介護報酬改定資料等を分析し、看取り支援の制度上の課題を整理した。
3.令和5年度調査で「看取りを実施している」又は「看取りの必要性を感じている」と回答し、さらに、令和7年度に研究協力の同意が得られた8事業所の管理者・支援者を対象に、看取り導入マニュアルの使用後アンケートを実施した。
4.アンケート回答事業所のうち4カ所にヒアリングを行った。また、オーストラリアのTEL、PCV、VALID等、国内の看取り・意思決定支援に関する教育・研修実践者等にもヒアリングを行い、本人参加、緩和ケア、研修教材、医療・福祉連携のあり方を把握した。
結果と考察
1.文献レビューでは、日本語文献3件、海外文献16件の計19件を特定した。知的・発達障害者へのACPに関する研究は一定程度みられたが、系統的蓄積は十分ではなく、ACPが緩和ケアの質や生活の質の向上に及ぼす効果についても十分なエビデンスは確認されなかった。
2.看取り導入マニュアルは、看取り支援、看取り導入会議、ACP会議、全職員での共有等に一定程度活用されていた。一方で、試行時間の不足、対象利用者の選定、ヒアリングシートの項目の多さ、職種間の役割認識の違い、夜間対応、地域医療との連携が実践上の課題として示された。
3.意思形成支援では、終末期になってから本人の希望を確認することの限界が示され、日常期から本人の生活歴、好み、安心できる環境、意思表出方法を蓄積・共有することが、看取り期の本人意思を支える基盤となることが確認された。非言語的な表情、行動、視線、拒否反応等を複数場面で反復的に確認することも重要である。
4.多職種連携では、生活支援員、看護師、医師、管理者、家族、訪問看護、地域医療機関等が、日常療養、急変時、看取り期、看取り後を通じて継続的に関わる体制の必要性が示された。特に訪問看護は、生活の場に医療を機動的に差し込む地域資源として重要である。
5.オーストラリアでは、本人にも希望や意思があることを前提に、Easy Read資料、支援者研修、グリーフケア、当事者による啓発活動等を活用し、本人参加を支える実践が確認された。ACPは医療方針の記録にとどまらず、音楽、服装、宗教儀式、嗜好品等を含む生活文化の記録としても活用されていた。
6.制度面では、障害福祉サービスにおける看取り期支援が夜間支援、医療連携、栄養、入浴、通院支援等に分散して評価され、生活全体を支える支援として見えにくいことが課題であった。教育・研修面では、死生観の土台づくり、看取りのイメージ形成、具体的支援技術、事例検討、シミュレーションを組み合わせた教材整備が必要である。
2.看取り導入マニュアルは、看取り支援、看取り導入会議、ACP会議、全職員での共有等に一定程度活用されていた。一方で、試行時間の不足、対象利用者の選定、ヒアリングシートの項目の多さ、職種間の役割認識の違い、夜間対応、地域医療との連携が実践上の課題として示された。
3.意思形成支援では、終末期になってから本人の希望を確認することの限界が示され、日常期から本人の生活歴、好み、安心できる環境、意思表出方法を蓄積・共有することが、看取り期の本人意思を支える基盤となることが確認された。非言語的な表情、行動、視線、拒否反応等を複数場面で反復的に確認することも重要である。
4.多職種連携では、生活支援員、看護師、医師、管理者、家族、訪問看護、地域医療機関等が、日常療養、急変時、看取り期、看取り後を通じて継続的に関わる体制の必要性が示された。特に訪問看護は、生活の場に医療を機動的に差し込む地域資源として重要である。
5.オーストラリアでは、本人にも希望や意思があることを前提に、Easy Read資料、支援者研修、グリーフケア、当事者による啓発活動等を活用し、本人参加を支える実践が確認された。ACPは医療方針の記録にとどまらず、音楽、服装、宗教儀式、嗜好品等を含む生活文化の記録としても活用されていた。
6.制度面では、障害福祉サービスにおける看取り期支援が夜間支援、医療連携、栄養、入浴、通院支援等に分散して評価され、生活全体を支える支援として見えにくいことが課題であった。教育・研修面では、死生観の土台づくり、看取りのイメージ形成、具体的支援技術、事例検討、シミュレーションを組み合わせた教材整備が必要である。
結論
本研究により、高齢知的・発達障害者の看取り支援では、日常期からの意思形成支援、ACP、多職種連携、制度運用、教育・研修を一体的に整理する必要性が確認された。改訂版マニュアルでは、日常期、状態変化期、看取り導入期、看取り実践期、看取り後の各段階に応じて、確認事項、会議の持ち方、本人・家族への聞き取り、医療職との連携、夜間・急変時対応、グリーフケア等を体系的に整理することが求められる。これらの知見を踏まえ、次年度は看取り導入マニュアルの改訂、障害特性を踏まえた研修教材の作成、制度上の課題整理を進め、高齢障害者が本人の意思に基づき、住み慣れた生活の場で最期まで安心して暮らすための支援体制の構築につなげていく必要がある。
公開日・更新日
公開日
2026-06-01
更新日
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