文献情報
文献番号
202517011A
報告書区分
総括
研究課題名
障害福祉と医療の連携を促進するために必要な手法の開発のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24GC1001
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
高岡 徹(社会福祉法人 横浜市リハビリテーション事業団 横浜市総合リハビリテーションセンター)
研究分担者(所属機関)
- 芳賀 信彦(国立障害者リハビリテーションセンター)
- 藤谷 順子(国立健康危機管理研究機構 国立国際医療センターリハビリテーション科)
- 岩佐 光章(横浜市西部地域療育センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
9,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
障害のある方が新たに身体合併症を生じた場合などに医療機関を受診する際、さまざまな困難や障壁のために適切な医療が受けにくいという当事者や支援者からの訴えがある。本研究全体の目的は、障害児者の医療機関受診を円滑に行うための「情報伝達フォーマット」と受け入れ先となる医療機関向けの「対応マニュアル」を作成し、その有用性を検討することである。
令和6年度の本研究では、障害児者やその支援者、障害の専門職へのヒアリング調査、および文献調査を行い、障害児者が医療機関受診を円滑に行う際に必要な情報や配慮を整理した。今年度は、前年度に抽出された課題をふまえ、障害児者の医療機関受診を円滑に行うための「情報伝達フォーマット(案)」と、受け入れ先となる医療機関向けの「対応マニュアル(案)」の完成を目的として研究を進めた。
令和6年度の本研究では、障害児者やその支援者、障害の専門職へのヒアリング調査、および文献調査を行い、障害児者が医療機関受診を円滑に行う際に必要な情報や配慮を整理した。今年度は、前年度に抽出された課題をふまえ、障害児者の医療機関受診を円滑に行うための「情報伝達フォーマット(案)」と、受け入れ先となる医療機関向けの「対応マニュアル(案)」の完成を目的として研究を進めた。
研究方法
研究班全体で、障害児者の医療機関受診時に必要となる情報や配慮事項について整理と議論を行い、「情報伝達フォーマット(案)」を作成した。フォーマットには、障害特性、受診時に必要な配慮、コミュニケーション方法、医療上の留意点等を記載する構成を採用した。また、各分担班において、以下の8つの障害領域に関する「対応マニュアル(案)」を作成した。①失語症、②高次脳機能障害、③発達障害、④知的障害、⑤移動障害、⑥聴覚障害、⑦視覚障害、⑧重複(視覚・聴覚)障害。各分担班で作成したものを研究班全体でも議論を行い、作成をすすめた。
上記の作成と並行して、文献検索の継続、研修会と成果報告会の開催、児童発達支援センターで年に2回行われている内科健診を利用した受診時の療育的工夫に関する調査、訪問看護師を対象としたアンケート調査とグループインタビューを実施した。
上記の作成と並行して、文献検索の継続、研修会と成果報告会の開催、児童発達支援センターで年に2回行われている内科健診を利用した受診時の療育的工夫に関する調査、訪問看護師を対象としたアンケート調査とグループインタビューを実施した。
結果と考察
各障害分野に共通の「情報伝達フォーマット(案)」と障害種別ごとに8つの「対応マニュアル(案)」が完成した。「対応マニュアル(案)」は、医療機関受付、診療室、病棟、検査室、訓練室等、医療従事者が障害者に対応する場面、医療職研修等で活用することを想定し、障害児者の障害特性と対応ポイント、障害者・医療従事者の体験エピソード、具体的な工夫と配慮について簡潔に整理した。研修会と成果報告会のアンケートでは、医療場面だけではなく、日常生活の中での買い物や行政手続きの場面など、医療現場以外での応用的な利用も可能であるとの意見もあり、より幅広い活用方法が考えられた。
通園における内科健診を利用した受診時の療育的工夫に関する調査では、知的障害や発達障害の子どもが医療機関を受診する際に有効な療育的工夫を描出することができた。これらの療育的工夫を参考に、本研究班全体の目的である、「知的障害の方向け」、「発達障害の方向け」の対応マニュアル(案)の作成を実施した。
訪問看護師を対象としたアンケートとグループインタビューの結果からは、申し送りの改善点、特に退院前に早めに連絡をすることの不足、情報伝達ツールの改善点等、在宅側の観点から見て、病院側が行うケアで不足しがちな点、配慮の足りない点が明らかとなった。
2026年2月にはオンラインで成果報告会を開催し、合理的配慮などに関する基調講演と今年度の成果発表を150人近くの参加者に聴いていいただいた。アンケート調査により「情報伝達フォーマット(案)」と「対応マニュアル(案)」に関する意見もいただき、次年度の修正の参考とする。
通園における内科健診を利用した受診時の療育的工夫に関する調査では、知的障害や発達障害の子どもが医療機関を受診する際に有効な療育的工夫を描出することができた。これらの療育的工夫を参考に、本研究班全体の目的である、「知的障害の方向け」、「発達障害の方向け」の対応マニュアル(案)の作成を実施した。
訪問看護師を対象としたアンケートとグループインタビューの結果からは、申し送りの改善点、特に退院前に早めに連絡をすることの不足、情報伝達ツールの改善点等、在宅側の観点から見て、病院側が行うケアで不足しがちな点、配慮の足りない点が明らかとなった。
2026年2月にはオンラインで成果報告会を開催し、合理的配慮などに関する基調講演と今年度の成果発表を150人近くの参加者に聴いていいただいた。アンケート調査により「情報伝達フォーマット(案)」と「対応マニュアル(案)」に関する意見もいただき、次年度の修正の参考とする。
結論
本年度は、障害福祉と医療の連携を促進するために必要な手法の開発に向けて、「情報伝達フォーマット(案)」と「対応マニュアル(案)」を作成した。次年度は、これらが、障害児者の円滑な医療機関受診において実際に使用できるのか、また有用であるのかを検討の上、完成版に向けた修正を行う。「情報伝達フォーマット」や「対応マニュアル」の完成および普及により、当事者側のニーズと医療機関側による配慮・支援の間にある隔たりを解消し、障害児者の円滑な医療機関受診に繋がることを期待したい。
公開日・更新日
公開日
2026-06-16
更新日
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