金属アレルギーの革新的診断・予防・治療法の開発研究

文献情報

文献番号
201023035A
報告書区分
総括
研究課題名
金属アレルギーの革新的診断・予防・治療法の開発研究
課題番号
H22-免疫・一般-004
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
小笠原 康悦(東北大学 加齢医学研究所 加齢制御研究部門 生体防御学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木 隆二(独立行政法人国立病院機構 相模原病院臨床研究センター)
  • 戸倉 新樹(産業医科大学 医学部)
  • 松永 佳世子(藤田保健衛生大学 医学部)
  • 椛島 健治(京都大学 医学研究科)
  • 西屋 禎(北海道大学 医学研究科)
  • 大津 浩(東北大学 工学研究科)
  • 橋爪 秀夫(浜松医科大学 医学部)
  • 平澤 典保(東北大学 薬学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
35,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
金属アレルギーは増加の一途にあるが、金属アレルギー発症の分子機構は未だ分かっていない。本研究は金属アレルギー発症の分子機構を明らかにし、アレルギーの新規診断、予防、治療法の開発することを目的とする。 Specific Aimとして以下を設定する。
1金属アレルギー病因論の追究(モデル動物からのアプローチ)
2新規診断法と治療法の開発へ向けた理論的基盤の確立(疾患からのアプローチ)
3金属の溶出量の測定と新材料開発の基盤研究(材料からのアプローチ)
研究方法
1金属アレルギー病因論の追究
金属アレルギーマウスモデルを用いて炎症局所および所属リンパ節リンパ球を採取し解析した。
2新規診断法と治療法の開発へ向けた理論的基盤の確立
分担研究者のネットワークを生かして皮膚科に受診の金属アレルギー患者の症例集積を始めた。また、医療従事者向けにワークショップを開催した。
3金属の溶出量の測定と新材料開発の基盤研究
溶出金属イオンの測定法を開発するため、マウス皮下に金属ワイヤーを植え込み、周辺組織を採取し金属イオン濃度を測定した。
結果と考察
1金属アレルギーをマウスに誘導すると炎症局所および所属リンパ節にT細胞の集積とレパトアのSkewが観察された。
2金属アレルギーの診断を改善するためには歯科と皮膚科医師の連携ワークショップをさらに拡大する必要がある。内因性アトピー性皮膚炎の接触原として金属が示唆された。
3マウスに金属ワイヤーを埋め込み周辺組織中のニッケル濃度を測定したところ、検出可能であった。
結論
・金属アレルギーは金属特異的免疫応答である。T細胞は金属の認識に関与している。
・内因性アトピー性皮膚炎の原因・病態は金属アレルギーが重要因子である。
・金属の生体での溶出量測定は可能である。さらなる高感度化が求められている。

公開日・更新日

公開日
2011-09-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201023035Z