生活期リハビリテーションにおける介入手法の標準コードの開発研究

文献情報

文献番号
202515011A
報告書区分
総括
研究課題名
生活期リハビリテーションにおける介入手法の標準コードの開発研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23GA2001
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
三上 幸夫(広島大学病院 リハビリテーション科)
研究分担者(所属機関)
-
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学政策研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
5,539,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究報告書(PDF)

文献情報

文献番号
202515011B
報告書区分
総合
研究課題名
生活期リハビリテーションにおける介入手法の標準コードの開発研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23GA2001
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
三上 幸夫(広島大学病院 リハビリテーション科)
研究分担者(所属機関)
  • 安保 雅博(東京慈恵会医科大学医学部)
  • 久保 俊一(京都府立医科大学)
  • 三上 靖夫(京都府立医科大学大学院医学研究科 リハビリテーション医学)
  • 西村 行秀(岩手医科大学 医学部 リハビリテーション医学)
  • 大高 洋平(藤田医科大学  医学部 リハビリテーション医学講座)
  • 佐々木 信幸(聖マリアンナ医科大学 リハビリテーション医学)
  • 百崎 良(三重大学 医学部附属病院)
  • 新見 昌央(日本大学 医学部)
  • 河﨑 敬(京都府立医科大学 医学部医学科)
  • 木下 翔司(東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座)
  • 羽田 拓也(東京慈恵会医科大学 リハビリテーション医学講座)
  • 西山 一成(岩手医科大学 リハビリテーション医学)
  • 中山 恭秀(東京慈恵会医科大学 リハビリテーション医学講座)
  • 北村 新(藤田医科大学  保健衛生学部 リハビリテーション学科)
  • 清水 美帆(三重大学 医学部附属病院 リハビリテーション部)
  • 塩田 繁人(広島大学病院 診療支援部リハビリテーション部門)
  • 吉川 浩平(広島大学 病院診療支援部リハビリテーション部門)
  • 浅枝 諒(広島大学病院 診療支援部リハビリテーション部門)
  • 秋田 智之(広島大学 大学院医系科学研究科 疫学・疾病制御学)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学政策研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は,生活期リハビリテーション手法の標準コードおよびその定義を開発し,妥当性および実装可能性(Feasibility)を検証するとともに,全国規模の多施設調査を通して施設区分ごとのリハビリテーション内容を可視化することである。さらに,本標準コードを臨床現場で利活用するための手引きを作成し,将来的なリハビリテーションの質評価,リアルワールドデータ解析,LIFEとの連携,リハビリテーションDXへの応用を目指す。
研究方法
令和5年度研究:Delphi調査
研究班内ワーキンググループにより標準コード案を作成した後,リハビリテーション科医師,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士で構成される15名のエキスパートパネルを対象としてRAND/UCLA Delphi法による適切性調査を実施した。中央値7以上を「適切」,中央値のある3分位以外の回答数4名以下を「合意」と判定した。
令和6年度研究
Feasibility調査:全国32施設1163例(医療622例,介護541例)を対象として横断調査を実施した。Google Formsを用いて,施設区分,年齢,性別,要介護度,認知症自立度,Barthel Index,実施した標準コード,分かりにくかった標準コード等を収集した。
手引き作成:大項目10項目,中項目56項目について,定義・目的と内容・具体的実施方法・実施上の注意点を整理した手引き(原案)を作成した。
4.令和7年度研究
急性期・回復期・地域包括ケア病棟・老人保健施設・通所リハビリテーション・訪問リハビリテーションを対象とした多施設コホート調査を実施した。
 対象者1174例について,年齢・性別・要介護度・認知症自立度・Barthel Index/FIM・実施した標準コードの内容と時間を収集した。
施設区分ごとのリハビリテーション内容を比較するとともに,一部の標準コードについてADL変化量との関連を探索的に検討した。
5.倫理的配慮
本研究は広島大学病院疫学倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:E2024-0137)。
結果と考察
令和5年度では、全国の生活期リハビリテーションを実施している医療機関・介護事業所45施設の調査結果を踏まえ,研究班内ワーキンググループにおいて,各種ガイドライン,学会用語集,LIFE支援コード等を参考に標準コード案を作成した。さらに,リハビリテーション科医師,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士で構成される15名のエキスパートパネルを対象にRAND/UCLA Delphi法を用いた適切性調査を実施した。その結果,大項目10項目,中項目56項目すべてが「適切」かつ「合意」に至り,生活期リハビリテーション手法の標準コードが完成した。
令和6年度研究では,全国32施設1163例(医療622例,介護541例)を対象とした横断調査を実施した。標準コードの大項目では,「運動療法」が最も多く実施されており,次いで「基本動作訓練」「歩行訓練」「ADL訓練」が多かった。医療と介護保険の比較では,介護保険領域で「歩行訓練」「IADL訓練」「物理療法」「環境調整・支援」の実施割合が高かった。
さらに,本標準コードを臨床現場で利活用するため,大項目10項目,中項目56項目すべてについて,「定義」「目的と内容」「具体的実施方法」「注意点」を整理した手引き(原案)を作成した。手引きでは,図や写真を用いて初学者でも理解しやすい構成とした。
令和7年度研究では,急性期・回復期・地域包括ケア病棟・老人保健施設・通所リハビリテーション・訪問リハビリテーションを対象とした多施設コホート調査を実施した。対象は1174例であり,年齢,性別,要介護度,認知症自立度,Barthel Index,標準コード,実施時間等を収集した。
施設区分ごとの分析では,急性期では基本動作訓練や摂食嚥下訓練,回復期ではADL訓練や歩行訓練,訪問リハビリテーションではIADL訓練および環境調整・支援が多いなど,各施設区分に応じた特徴的なリハビリテーション内容が認められた。また,一部の標準コードについてはADL変化量との関連が示唆され,特にバランス訓練,歩行訓練,ADL訓練,階段昇降訓練,IADL訓練等が関連を認めた。
結論
本研究では,生活期リハビリテーション手法の標準コード(大項目10項目,中項目56項目)を開発し,妥当性および実装可能性を確認した。さらに,多施設調査により施設区分ごとのリハビリテーション実践内容を可視化した。
本研究成果は,科学的介護,医療介護連携,地域包括ケアシステム,リハビリテーションDXに資する基盤となることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2026-06-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

行政効果報告

文献番号
202515011C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究では、生活期リハビリテーションにおける介入内容を標準化するため、RAND/UCLA Delphi法を用いて大項目10項目・中項目56項目から構成される「生活期リハビリテーション手法の標準コード」を開発した。さらに全国39施設1,174例を対象とした多施設共同研究により、標準コードを用いた介入内容の定量的把握と比較分析が可能であることを示した。本成果は、リハビリテーション実践の可視化とデータ駆動型研究を可能とする学術基盤であり、国際的にも介入内容の標準化に資する先駆的成果である。
臨床的観点からの成果
本研究では、急性期・回復期・地域包括ケア病棟・介護老人保健施設・通所リハビリテーション・訪問リハビリテーションを対象とした多施設コホート研究を実施し、施設区分ごとのリハビリテーション内容や実施時間の違いを明らかにした。また、一部の標準コードではADL改善との関連が示され、介入内容の評価および質向上に活用できる可能性が示唆された。標準コードは医療・介護間で共通利用できるため、地域包括ケアシステムにおける継続的かつ質の高いリハビリテーション提供に貢献する。
ガイドライン等の開発
生活期リハビリテーション手法の標準コードについて、各コードの定義、適用範囲、具体的な評価・介入方法、コーディングルールを整理した「生活期リハビリテーションにおける介入手法の標準コードの手引書(第0.2版)」を作成した。手引書は多職種で構成されるワーキンググループにより改訂を重ね、臨床現場で活用可能な実践的資料として整備した。今後は関連学会や関係団体と連携し、標準コードの普及・実装を推進するとともに、改訂版の作成を進める予定である。
その他行政的観点からの成果
本研究により、生活期リハビリテーションの介入内容を全国共通の分類で把握できる基盤が整備された。これまで把握が困難であった「どのような対象者に、どのようなリハビリテーションを実施したか」を定量的に収集・分析できるようになり、科学的介護情報システム(LIFE)における一部の標準コードの活用に至った。今後は、医療・介護連携、地域包括ケアシステムの推進、リハビリテーションDXの推進に向けた基礎資料としての活用が期待される。
その他のインパクト
研究成果は、日本リハビリテーション医学会学術集会においてシンポジウムが開催され、広く意見を聴取する機会が設けられた。さらに、標準コード開発に関する成果を国際学術誌に公表した。また、生活期リハビリテーション手法の標準コードの手引書を作成し、研究協力施設や関係学会等への普及を進めている。今後は、医療機関・介護事業所への導入支援や研修会開催を通じて、全国的な普及と実装を推進する予定である。

発表件数

原著論文(和文)
3件
原著論文(英文等)
3件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
12件
学会発表(国際学会等)
1件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
2件
第61回日本リハビリテーション医学会学術集会および第62回日本リハビリテーション医学会学術集会においてシンポジウムが開催された

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Shiota S, Yoshikawa K, Mikami Y, et al
Establishing Standard Categories of Rehabilitation Approaches in Long-term Care: A Delphi Consensus Study.
Prog Rehabil Med , 10 (20250016)  (2025)
原著論文2
Ushida K, Kinoshita S, Momosaki R, et al
Association between bed-rest time, food intake, and constipation in older nursing home residents.
Geriatr Gerontol Int , 25 , 583-587  (2025)
原著論文3
Kinoshita S, Momosaki R, Abo M, et al
Association between Mortality and Time Spent Out of Bed in Older-Adult Nursing Home Residents.
J Am Med Dir Assoc , 26 (105458)  (2025)

公開日・更新日

公開日
2026-06-01
更新日
-

収支報告書

文献番号
202515011Z