訪問看護の質向上に向けた評価指標の標準化のための研究

文献情報

文献番号
202515005A
報告書区分
総括
研究課題名
訪問看護の質向上に向けた評価指標の標準化のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
25GA1001
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
山本 則子(東京大学 医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 野口 麻衣子(渡邊 麻衣子)(東京大学 医学系研究科)
  • ELTAYBANI SAMEH(エルタイバニ サメハ)(東京大学 医学系研究科)
  • 角川 由香(東京大学 医学系研究科)
  • 沼田 華子(東京大学 医学系研究科)
  • 山名 隼人(自治医科大学 データサイエンスセンター)
  • 柏原 康佑(東京大学 医学部附属病院)
  • 横田 慎一郎(国立大学法人千葉大学 大学院看護学研究院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学政策研究
研究開始年度
令和7(2025)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
4,851,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、訪問看護の質向上に資する標準化された評価指標の構築を目指す。そのために、1)訪問看護の質向上に資する標準化された評価指標を、多様なステークホルダーとの合意形成に基づき策定すること(研究1)、2)医療・介護レセプトデータと事業所情報を活用したデータベースを構築し、客観的データに基づく評価指標の抽出可能性および算出ロジックを検討すること(研究2)を目的とした。
研究方法
本研究は2つの研究から構成される。 [研究1]国内外の文献・資料から抽出した572指標を精査し、エキスパートパネルを経て102指標を選定。これに対し、訪問看護師、多職種、利用者・家族、政策関係者計40名を対象とした2回のデルファイ法調査を実施し、合意形成を図った。 [研究2]2県の医療・介護レセプトと事業所情報を突合した分析用データベースを構築。研究1で選定された指標の抽出可能性を検討するとともに、試験的指標として「事業所別の褥瘡有病率」の算出ロジックを策定し、実データによる集計を行った。
結果と考察
訪問看護の質評価指標について、国内外の文献検討から抽出された572指標を、エキスパートパネルでの検討を経て360指標、次いで102指標へと段階的に精査した。これらに対し、訪問看護師、多職種、利用者・家族、政策関係者計40名を対象とした2回のデルファイ法調査を実施し、最終的に6ドメイン・86項目の「訪問看護質指標案」について合意が得られた(研究1)。本指標案は、臨床的な視点のみならず、従来の指標では十分に評価されてこなかった「尊厳と心理社会的ニーズ」や「利用者報告アウトカム(Patient Reported Outcome: PRO)」に関する項目を包含しており、訪問看護の本質的な価値を多角的に可視化しうることが示唆された。 また、A県およびB県の医療・介護レセプトデータと事業所情報を突合した分析用データベースを構築し、研究1で検討段階であった指標案を基に、レセプトからの抽出可能性を検討した結果、候補指標のうち69件が既存データから算出可能であると判断された。試験的指標として「事業所別の褥瘡有病率」の算出ロジックを策定し、2県のデータを用いて集計を行ったところ、地域や事業所特性による一定のばらつきが確認され、実データを用いた可視化の有効性が実証された(研究2)。 これらの成果から、既存の行政データ(リアルワールドデータ)を利活用した評価体制の構築は、現場の看護職の記録・入力負担を最小限に抑えつつ、客観的エビデンスに基づく継続的な質改善を推進する上で極めて有効な手法であると考えられる。
結論
全国共通で活用可能な「訪問看護質指標(86項目)」を策定し、レセプトデータを利活用した評価体制の基盤を構築した。策定された指標は多角的な視点を反映したものであり、今後の標準的尺度としての活用が期待される。 次年度は、開発した指標の妥当性を縦断的データを用いて検証するとともに、科学的介護情報システム(LIFE)等への実装を見据え、訪問看護の質向上が持続的に行われる仕組みの構築を推進する。

公開日・更新日

公開日
2026-06-01
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2026-06-01
更新日
-

収支報告書

文献番号
202515005Z