文献情報
文献番号
202512010A
報告書区分
総括
研究課題名
アレルギー疾患対策に関する行政施策の評価に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
25FE2001
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
海老澤 元宏(国立病院機構相模原病院)
研究分担者(所属機関)
- 福永 興壱(慶應義塾大学 医学部)
- 森田 英明(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 免疫アレルギー・感染研究部)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫・アレルギー疾患政策研究
研究開始年度
令和7(2025)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
9,903,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究班は、アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針(以下、「基本指針」という。)の評価に有用な政策評価指標案を作成することを最終目標とし、令和8年度のアレルギー疾患対策推進協議会における基本指針改正の要否検討に資するエビデンスを提供することを目指している。
研究方法
本年度は、医療提供体制、情報提供・普及啓発、10か年戦略の3つの分担班により以下の研究を実施した。医療提供体制班(海老澤)は、ロジックモデル(インプット→アクティビティ→アウトプット→アウトカム→インパクト)の枠組みを活用し、基本指針の条文を体系的に整理・分類したうえで、SPO指標(ストラクチャー指標・プロセス指標・アウトカム指標)の観点から政策評価指標素案を作成し、あわせて全国アレルギー専門医分布の解析を行った。情報提供・普及啓発班(福永)は、「アレルギーポータル」の認知度・活用実態を把握するため、がん情報サービスとの2×2クロスデザインによるWebアンケート調査を実施した。10か年戦略班(森田)は、各アレルギー疾患の標準的な疾病負荷指標を文献的に特定するとともに、計量書誌学的解析によりPPIE(患者・市民参画)の実装度を定量的に評価した。
結果と考察
医療提供体制班は、約120個の政策評価指標素案を作成した。また、全国4,691名のアレルギー専門医分布を解析した結果、人口あたり最大約5.2倍、県庁所在市とそれ以外で最大7.6倍、面積あたり最大367倍の地域偏在が明らかとなった。情報提供・普及啓発班は、Webアンケート調査(有効回答173件)の結果、アレルギーHCPsの認知率は43.4%にとどまり、「検索性」が全グループで最低評価であった。また、PPIE関連情報の供給と需要に大きなギャップが確認された。これらに基づき、利用者別導線整備、KPIによる定量評価、令和10年度の提言作成までの中長期的工程表を策定した。10か年戦略班は、計量書誌学的解析によりPPIE関連論文が近年急増する一方、日本は研究プロセスへの実装率が1.6%と低水準にとどまることを定量的に可視化した。第80回国連総会科学サミット併催の「免疫アレルギーPPIE推進サミット」で課題を共有した。約120個の政策評価指標素案は、令和8年度に研究協力者の意見を踏まえて50〜60個程度に絞り込み、データソースの確認・測定方法の策定・目標値の設定を経て最終版を完成させる予定である。アレルギー疾患対策の進捗評価には、定量的な指標だけでなく、バイオリソースの活用実績等の定性的な把握と、各疾患特有の標準的な疾病負荷(QOL)指標を組み合わせた多角的な評価体系の構築が不可欠であることが示唆された。
結論
3班の連携により、評価指標体系の構築、情報提供基盤の改善計画、PPIE実装の定量評価という多面的なエビデンスが整備された。これらは令和8年度のアレルギー疾患対策基本指針の改正検討および進捗評価に資する基礎資料として活用する予定である。
公開日・更新日
公開日
2026-08-27
更新日
-