関節リウマチ診療におけるかかりつけ医と専門医療機関の適切な連携の促進に関する研究

文献情報

文献番号
202512008A
報告書区分
総括
研究課題名
関節リウマチ診療におけるかかりつけ医と専門医療機関の適切な連携の促進に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
25FE1003
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
金子 祐子(慶應義塾大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 池田 啓(獨協医科大学リウマチ・膠原病内科)
  • 大島 至郎(独立行政法人国立病院機構 大阪南医療センター(免疫疾患センター))
  • 酒井 良子(明治薬科大学薬学部・准教授)
  • 城田 祐子(東北医科薬科大学 )
  • 高橋 伸典(愛知医科大学 医学部整形外科学講座)
  • 田中 榮一(東京女子医科大学医学部膠原病リウマチ内科学講座)
  • 田中 良哉(産業医科大学 医学部内科学講座)
  • 針谷 正祥(国際医療福祉大学 医学部)
  • 平田 信太郎(広島大学 病院 リウマチ・膠原病科)
  • 日髙 利彦(宮崎善仁会病院 リウマチセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫・アレルギー疾患政策研究
研究開始年度
令和7(2025)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
3,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
関節リウマチは慢性破壊性関節炎を主体とする自己免疫疾患で、近年の分子標的治療薬の開発や治療戦略の普及で、専門医による疾患管理は急速に進歩した。しかし、リウマチ専門医の全国的不足や地域偏在のため、診断や安定時のマネジメントを一般医が担うことも多いが、かかりつけ医と専門医の医療連携の実態や香大は不明点が多い。本研究では、専門医向け関節リウマチ診療ガイドラインに基づいた適切な連携促進に向けて、連携の実態や課題の整理、および紹介基準やかかりつけ医向けの診療基準を作成する。
研究方法
研究全体:統括委員会を構成し、かかりつけ医から専門医への紹介基準およびかかりつけ医向けの診療基準の作成に向けたスコープとクリニカルクエスチョンの作成を行い、3つの調査チームで①ナショナルデータベース(NDB)による日本全国の関節リウマチ診療の実態調査、②リウマチ専門医および一般内科・整形外科医を対象とした連携に関するアンケート調査、③研究分担者施設の関節リウマチ患者を対象とした実態調査を実施する。さらに、④患者友の会の協力を得て、患者アンケートを実施する。調査の結果を踏まえて、適切な連携の促進に向けて、連携の実態や課題の整理、および紹介基準やかかりつけ医向けの診療基準を作成する。
これらの調査結果を踏まえて、実態把握および課題を整理し、地域の実情に配慮したかかりつけ医から専門医への紹介基準および併存症・合併症への注意点等を考慮したかかりつけ医向けの診療基準を作成する。
今年度:統括委員会の構成、リサーチクエスチョンの作成、4つの調査の準備と開始を行った。
結果と考察
1. 統括委員会
 統括委員会を設置し、調査の進め方、クリニカルクエスチョン案をリスト化した。
2. NDMによる日本全国の関節リウマチ診療の実態調査(調査①)は、NDBへの新規申請ではデータ収集が研究終了までに間に合わない可能性を踏まえ、先行する厚生労働省研究「介護・福祉・在宅医療現場における関節リウマチ患者支援に関する研究」で入手したNDBデータを変更申請によりデータの共有および追加データ入手をすることとした。現在データの解析中であるが、関節リウマチ患者数が2017年と比較して10万人以上増加してたことが示唆されている。関節リウマチ治療薬の処方割合は、都道府県によってばらつきがあるが、アンカードラッグであるメトトレキサートの処方割合は専門施設と非専門施設でほぼ同等であった。
3. リウマチ専門医および一般内科・整形外科医を対象とした連携に関するアンケート調査(調査②)は、愛知医科大学倫理委員会での調査承認を得て、日本リウマチ学会、日本整形外科学会、日本プライマリ・ケア連合学会、自治医科大卒業生のメーリングリストを通じて、調査回答を依頼した。かかりつけ医約220件、専門医約700件の回答が収集され、現在収集継続およびデータの解析中である。
4. 研究分担者施設の関節リウマチ患者を対象とした実態調査(調査③)は、慶應義塾大学医学部倫理委員会の調査承認および各施設での実施許可を経て、データを回収している。かかりつけ医からの紹介で関節リウマチと診断された患者を対象に、症状から受診までの期間、診断までの期間、初期治療等についてデータを収集中であるが、1500名程度の患者の情報が収集できる見込みである。
5. 患者友の会の協力による患者アンケート(調査④)は、慶應義塾大学医学部倫理委員会の調査承認を経て、現在患者友の会会員から無作為に抽出した500名にアンケートを送付し、回答を回収中である。関節リウマチの診断や初期治療、安定期治療における、かかりつけ医と専門医の連携に関する患者の意見を収集予定である。

D.考察
NDBデータの結果からは、関節リウマチ患者数の増加が示唆された。高齢発症患者の増加や積極的な抗リウマチ薬使用による予後改善の結果の可能性がある。関節リウマチ治療薬の処方割合は、都道府県によってばらつきがあり、専門施設の地域偏在の可能性がある。アンカードラッグであるメトトレキサートの処方割合は専門施設と非専門施設でほぼ同等であり、標準治療戦略は全国的に普及が拡大している可能性がある。その他の調査については、現在データを収集中である。
結論
関節リウマチ患者の増加や専門医療機関の偏在の可能性が示唆され、今後かかりつけ医と専門医の医療連携はさらに重要度が増すと考えられる。引き続き調査を実施し、結果をもとに専門医向け関節リウマチ診療ガイドラインに基づいた適切な連携促進に向けて、連携の実態や課題の整理、および紹介基準やかかりつけ医向けの診療基準を作成する。

公開日・更新日

公開日
2026-10-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2026-10-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
202512008Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
4,550,000円
(2)補助金確定額
4,550,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,559,776円
人件費・謝金 1,178,176円
旅費 361,684円
その他 448,885円
間接経費 1,050,000円
合計 4,598,521円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2026-10-27
更新日
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