文献情報
文献番号
202511006A
報告書区分
総括
研究課題名
腎疾患対策検討会報告書に基づく対策の進捗管理および新たな対策の提言に資するエビデンス構築
研究課題名(英字)
-
課題番号
25FD2001
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
柏原 直樹(学校法人川崎学園 川崎医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 岡田 浩一(埼玉医科大学 医学部)
- 中川 直樹(旭川医科大学 医学部)
- 内田 治仁(岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 CKD・CVD地域連携包括医療学講座)
- 今澤 俊之(独立行政法人国立病院機構千葉東病院)
- 福井 亮(東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科)
- 伊藤 孝史(帝京大学ちば総合医療センター 第三内科(腎臓内科))
- 田村 功一(横浜市立大学 医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学)
- 和田 淳(国立大学法人岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 腎・免疫・内分泌代謝内科学)
- 森下 義幸(自治医科大学 総合医学第1講座(腎臓内科))
- 古波蔵 健太郎(琉球大学病院 血液浄化療法部)
- 上條 祐司(信州大学 医学部附属病院)
- 岩田 恭宜(金沢大学 腎臓・リウマチ膠原病内科学)
- 古市 賢吾(金沢医科大学 腎臓内科学)
- 猪阪 善隆(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科 腎臓内科学)
- 旭 浩一(岩手医科大学 医学部)
- 石倉 健司(北里大学 医学部 小児科学)
- 酒井 謙(東邦大学 医学部)
- 横尾 隆(東京慈恵会医科大学 医学部)
- 今田 恒夫(山形大学 医学部)
- 横井 秀基(熊本大学 大学院生命科学研究部 腎臓内科学講座)
- 安田 日出夫(浜松医科大学 医学部 第一内科)
- 要 伸也(学校法人杏林学園 杏林大学 医学部 腎臓・リウマチ膠原病内科)
- 和田 健彦(虎の門病院)
- 深水 圭(久留米大学 腎臓内科部門)
- 南学 正臣(国立大学法人東京大学 医学部附属病院 腎臓・内分泌内科)
- 福間 真悟(広島大学 大学院医系科学研究科 疫学・疾病制御学)
- 西山 成(香川大学 医学部)
- 祖父江 理(香川大学 医学部 循環器・腎臓・脳卒中内科)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 疾病・障害対策研究分野 腎疾患政策研究
研究開始年度
令和7(2025)年度
研究終了予定年度
令和9(2027)年度
研究費
17,086,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
平成30年7月に発出された「腎疾患対策検討会報告書~腎疾患対策の更なる推進を目指して~」の5課題実現・社会実装の為の具体的な計画・方法の立案、評価・進捗管理の方法開発を行う。全国各地の腎疾患対策を評価・分析し、課題抽出、新たな対策立案のPDCAサイクルを回し、継続的に腎疾患対策が実現する体制を構築することを目的とする。
研究方法
普及啓発、診療連携体制の構築、診療水準の向上、人材育成、研究開発を5本の柱とし、公募研究班とNPO法人日本腎臓病協会のCKD対策部会(J-CKDI)と連携し、全国各地へ展開していく。医療提供体制の強靱化、災害時対応、CKD協力医制度の構築、在宅透析普及、腎不全症状の実態把握、専門医療体制強化等に取り組み、データ解析および情報発信基盤の整備を行う。これらの研究成果を研究班HPに公開し有効に活用する基盤を構築する。以下に示す分科会・WGを構築して実施する。
1.普及、啓発
(1)普及啓発資材の開発
(2)CKD診療ガイドライン、紹介基準、標準治療の普及率、均霑化率の評価、普及啓発活動の評価
2.地域における診療連携体制構築
(1)医療機関間の紹介基準等の普及及び連携強化
(2)医療機関に対する早期診断・早期治療の必要性の普及・啓発
(3)好事例横展開
(4)腎臓専門医療機関とCKD診療に関するかかりつけ医機能を有する医療機関の連携強化:協力医(連携医)制度の構築
(5)健診結果に基づく保健指導、受診勧奨の推進
3.診療水準の向上
(1)移行期医療(トランジション)
(2)高齢CKD患者、透析・移植後患者のQOL維持向上
(3)難治性腎疾患の診療レベルの向上・均霑化
(4)尿中アルブミンの測定診療報酬化
(5)地域における腎臓病・透析医療の継続性を担保するために、遠隔医療等の方法論を開発
(6)災害・感染症パンデミックに対する腎臓病診療、患者のレジリエンス強化のための方策の開発
4.人材育成
5.研究の推進:研究開発・国際比較
(1)AMED,厚労省等の公的研究のCKD関連研究をとりまとめ、本邦のCKD関連研究の現況と経年変化が把握できる環境を整備する。
(2)海外のCKD診療体制、ESRD・腎代替療法(RRT)の実態の調査を行う。
(3)疫学調査
(4)腎疾患対策の効果のより適切な評価方法の確立
(5)CKD患者データベース(J-CKD-DB)等を活用した研究を進める。
6.情報発信、広報
1.普及、啓発
(1)普及啓発資材の開発
(2)CKD診療ガイドライン、紹介基準、標準治療の普及率、均霑化率の評価、普及啓発活動の評価
2.地域における診療連携体制構築
(1)医療機関間の紹介基準等の普及及び連携強化
(2)医療機関に対する早期診断・早期治療の必要性の普及・啓発
(3)好事例横展開
(4)腎臓専門医療機関とCKD診療に関するかかりつけ医機能を有する医療機関の連携強化:協力医(連携医)制度の構築
(5)健診結果に基づく保健指導、受診勧奨の推進
3.診療水準の向上
(1)移行期医療(トランジション)
(2)高齢CKD患者、透析・移植後患者のQOL維持向上
(3)難治性腎疾患の診療レベルの向上・均霑化
(4)尿中アルブミンの測定診療報酬化
(5)地域における腎臓病・透析医療の継続性を担保するために、遠隔医療等の方法論を開発
(6)災害・感染症パンデミックに対する腎臓病診療、患者のレジリエンス強化のための方策の開発
4.人材育成
5.研究の推進:研究開発・国際比較
(1)AMED,厚労省等の公的研究のCKD関連研究をとりまとめ、本邦のCKD関連研究の現況と経年変化が把握できる環境を整備する。
(2)海外のCKD診療体制、ESRD・腎代替療法(RRT)の実態の調査を行う。
(3)疫学調査
(4)腎疾患対策の効果のより適切な評価方法の確立
(5)CKD患者データベース(J-CKD-DB)等を活用した研究を進める。
6.情報発信、広報
結果と考察
普及啓発では、治療と就労の両立支援に関する手引きの作成や、普及啓発イベントの増加により、CKDの認知向上と促進に向けた基盤整備が進展した。一方で、一般住民の認知率は依然として十分とは言えず、特に勤労世代に対する更なる働きかけの必要性が示された。診療連携体制については、紹介基準に基づく患者紹介や二人主治医制の普及が進み、連携体制の充実が確認されたが、受診勧奨後の受療行動や医療機関間の連携には課題が残されており、地域特性に応じたさらなる強化が求められた。診療水準の向上に関しては、移行期医療の体制整備の遅れや施設間格差が明らかとなる一方、尿中アルブミン検査の費用対効果の高さや、遠隔医療・PHRを活用した診療情報共有の有用性が示され、持続可能な医療提供体制の構築に資する知見が得られた。また災害時や感染症流行下における医療継続性の確保に向けた基盤整備も進展した。人材育成では、腎臓病療養指導士の養成が進み、多職種連携による介入の有効性が示されるとともに、診療報酬上の評価にもつながった。疫学調査やデータベース解析によりCKDの実態やリスク構造が明らかとなり、国際比較を通じて我が国の強みと課題が整理された。さらにロジックモデルに基づく評価指標体系の構築とリアルワールドデータの活用可能性の検討により、地域差を考慮した継続的評価およびPDCAサイクル構築に向けた基盤整備が進められた。研究班ホームページを中核とした情報発信により、各地域の取組の可視化と好事例の横展開が促進され、腎疾患対策の均てん化に資する成果が得られた。
結論
腎疾患対策検討会報告書においては、CKDの早期発見・早期治療による重症化予防と、透析・腎移植患者を含むCKD患者のQOL維持向上が全体目標とされ、2028年までに新規透析導入患者数を35,000人以下に抑制することが掲げられている。令和7年度の本研究では、これまでの研究成果を踏まえ、全国の取組状況の把握、地域差の評価、診療連携体制の強化、ならびに評価基盤の整備を進め、CKD対策の実装段階における課題を明確化した。今後は、地域特性に応じた対策の最適化と重点介入領域の明確化を図りつつ、実装・評価・改善のサイクルを継続的に運用する体制の確立が不可欠である。本研究で得られた知見は、CKDの早期介入の推進、透析導入患者の減少、及び患者QOLの向上に資する政策提言と社会実装の基盤となるものである。
公開日・更新日
公開日
2026-08-27
更新日
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