免疫疾患の病因・病態解析とその制御戦略へのアプローチ

文献情報

文献番号
201023006A
報告書区分
総括
研究課題名
免疫疾患の病因・病態解析とその制御戦略へのアプローチ
課題番号
H20-免疫・一般-006
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
住田 孝之(筑波大学 大学院人間総合科学研究科疾患制御医学専攻臨床免疫学)
研究分担者(所属機関)
  • 小池 隆夫(北海道大学大学院医学研究科内科学講座・第二内科)
  • 山村 隆(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)
  • 田中 良哉(産業医科大学医学部第一内科学講座)
  • 小安 重夫(慶應義塾大学医学部 免疫学)
  • 高橋 智(筑波大学大学院人間総合科学研究科 発生工学)
  • 石川 昌(東京大学大学院医学系研究科分子予防医学)
  • 上阪 等(東京医科歯科大学・膠原病・リウマチ内科)
  • 松本 功(筑波大学大学院人間総合科学研究科疾患制御医学専攻臨床免疫学)
  • 藤尾 圭志(東京大学医学部アレルギーリウマチ内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
27,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、自然免疫系および獲得免疫系において重要な役割を果たしている免疫担当細胞、免疫分子の機能を分子レベルで明らかにし、免疫疾患の発症機構を明らかにする。さらに、それらの細胞や分子をターゲットとした抜本的な治療・予防戦略を開発することを目的とする。厚生労働省の特定疾患対策として、病因解明、発症機序に基づく疾患特異的治療の開発は急務であり、本研究による新しい予防、治療法による患者のQOL改善が期待される。
研究方法
1)自己抗原のT細胞エピトープ解析、アナログペプチドを用いた自己反応性T細胞の抗原特異的制御法の開発、2) TH1細胞、TH2細胞、TH17細胞の役割をT-bet, GATA3、RORγTトランスジェニックマウスを用いて解明し新規治療法開発を目指す3)抗原提示細胞として重要な樹状細胞(DC)に焦点をあて、Toll様受容体(TLR)を介したシグナル、IL-15の制御を中心に遺伝子改変マウスやCIAモデルマウスを用いて自己免疫寛容破綻機序を解明する4)CD11b細胞に発現するTNF-a誘導蛋白TIARPによる関節炎制御法の開発5)サイトカイン産生を促進するTREM1-TREM1-L相互作用を抑制する抗体を作成し、感染症などの副作用の無い関節炎治療薬を開発する6)単球系細胞に発現するRasGRP4分子による自己免疫疾患制御法の開発7)新規NKT細胞(MAIT細胞)の機能解析とNKT細胞を介した治療法の開発8)IL-10を産生する新規Treg細胞(CD4+CD25-LAG3+Treg)に注目し免疫疾患発症機構の解明と治療法開発9)抗BLC抗体によるB細胞ケモカイン・ケモカインレセプター阻害を介した治療戦略開発10)自己抗体産生機序の解析とB細胞内チロシンキナーゼ(Syk)を標的とした新規治療法の臨床応用。
結果と考察
自己免疫疾患におけるDC細胞、T細胞抗原エピトープ、TH1, TH2, TH17細胞の関与、新規Treg細胞やユニークなNKT細胞などの調節性T細胞、B細胞の関与等について明らかにする事ができ一定の研究成果が得られたと考えられる。
結論
本研究成果は、自己免疫疾患の発症機構を分子、細胞レベルで解析する基盤研究であり、次年度以降は、本研究成果に基づいた具体的な新規治療戦略の開発をめざす。

公開日・更新日

公開日
2011-04-06
更新日
-

文献情報

文献番号
201023006B
報告書区分
総合
研究課題名
免疫疾患の病因・病態解析とその制御戦略へのアプローチ
課題番号
H20-免疫・一般-006
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
住田 孝之(筑波大学 大学院人間総合科学研究科疾患制御医学専攻臨床免疫学)
研究分担者(所属機関)
  • 小池 隆夫(北海道大学大学院医学研究科内科学講座・第二内科)
  • 山村 隆(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)
  • 田中 良哉(産業医科大学医学部第一内科学講座)
  • 小安 重夫(慶應義塾大学医学部 免疫学)
  • 高橋 智(筑波大学大学院人間総合科学研究科 発生工学)
  • 石川 昌(東京大学大学院医学系研究科分子予防医学)
  • 上阪 等(東京医科歯科大学・膠原病・リウマチ内科)
  • 松本 功(筑波大学大学院人間総合科学研究科疾患制御医学専攻臨床免疫学)
  • 藤尾 圭志(東京大学医学部アレルギーリウマチ内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、自然免疫系および獲得免疫系において重要な役割を果たしている免疫担当細胞、免疫分子の機能を分子レベルで明らかにし、免疫疾患の発症機構を明らかにする。さらに、それらの細胞や分子をターゲットとした抜本的な治療・予防戦略を開発することを目的とする。厚生労働省の特定疾患対策として、病因解明、発症機序に基づく疾患特異的治療の開発は急務であり、本研究による新しい予防、治療法による患者のQOL改善が期待される。
研究方法
1)自己抗原のT細胞エピトープ解析、アナログペプチドを用いた自己反応性T細胞の抗原特異的制御法の開発、2) TH1細胞、TH2細胞、TH17細胞の役割をT-bet, GATA3、RORγTトランスジェニックマウスを用いて解明し新規治療法開発を目指す3)抗原提示細胞として重要な樹状細胞(DC)に焦点をあて、Toll様受容体(TLR)を介したシグナル、IL-15の制御を中心に遺伝子改変マウスやCIAモデルマウスを用いて自己免疫寛容破綻機序を解明する4)CD11b細胞に発現するTNF-a誘導蛋白TIARPによる関節炎制御法の開発5)サイトカイン産生を促進するTREM1-TREM1-L相互作用を抑制する抗体を作成し、感染症などの副作用の無い関節炎治療薬を開発する6)単球系細胞に発現するRasGRP4分子による自己免疫疾患制御法の開発7)新規NKT細胞(MAIT細胞)の機能解析とNKT細胞を介した治療法の開発8)IL-10を産生する新規Treg細胞(CD4+CD25-LAG3+Treg)に注目し免疫疾患発症機構の解明と治療法開発9)抗BLC抗体によるB細胞ケモカイン・ケモカインレセプター阻害を介した治療戦略開発10)自己抗体産生機序の解析とB細胞内チロシンキナーゼ(Syk)を標的とした新規治療法の臨床応用。
結果と考察
自己免疫疾患におけるDC細胞、T細胞抗原エピトープ、TH1, TH2, TH17細胞の関与、新規Treg細胞やユニークなNKT細胞などの調節性T細胞、B細胞の関与等について明らかにする事ができ一定の研究成果が得られたと考えられる。
結論
本研究成果は、自己免疫疾患の発症機構を分子、細胞レベルで解析する基盤研究であり、次年度以降は、本研究成果に基づいた具体的な新規治療戦略の開発をめざす。

公開日・更新日

公開日
2011-09-20
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201023006C

成果

専門的・学術的観点からの成果
自己免疫疾患の発症に関わる免疫細胞、免疫分子を標的とした疾患特異的な治療法、予防法を開発することを目的とした。その結果、1)アナログペプチドによる抗原特異的T細胞の制御を介した自己免疫応答の制御、2)T細胞分化に係わる転写因子発現による自己免疫疾患の制御戦略、3)新規Treg細胞や第二のNKT細胞(MAIT細胞)による治療戦略、4)B細胞や抗原提示細胞を標的とした治療開発、などを明らかにすることができた。
臨床的観点からの成果
自己免疫疾患に対する現在の治療法は、ステロイドや免疫抑制薬による非特異的な治療が中心であり、副作用として感染症、腫瘍発生、生活習慣病の併発などが社会的な問題となっている。本研究成果は、発症機序に基づく抜本的な治療戦略であり、現行の治療で認められる副作用がなく、患者のQOLの向上、医療費抑制に大きく寄与することが期待される。
ガイドライン等の開発
なし
その他行政的観点からの成果
本研究は自己免疫疾患発症の分子機構を解明し、それに基づく根治的治療戦略を開発することである。本研究成果により現在の非特異的治療による膨大な医療費を削減することが可能である。
その他のインパクト
なし

発表件数

原著論文(和文)
3件
原著論文(英文等)
154件
その他論文(和文)
32件
その他論文(英文等)
5件
学会発表(国内学会)
27件
学会発表(国際学会等)
26件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計2件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-29
更新日
2018-06-26

収支報告書

文献番号
201023006Z