データベースを活用した慢性腎臓病(CKD)の診療実態把握と最適化を目的とした体制構築

文献情報

文献番号
202511004A
報告書区分
総括
研究課題名
データベースを活用した慢性腎臓病(CKD)の診療実態把握と最適化を目的とした体制構築
研究課題名(英字)
-
課題番号
24FD1001
研究年度
令和7(2025)年度
研究代表者(所属機関)
柏原 直樹(学校法人川崎学園 川崎医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 岡田 浩一(埼玉医科大学 医学部)
  • 中川 直樹(旭川医科大学 医学部)
  • 猪阪 善隆(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科 腎臓内科学)
  • 伊藤 孝史(帝京大学ちば総合医療センター 第三内科(腎臓内科))
  • 福間 真悟(広島大学 大学院医系科学研究科 疫学・疾病制御学)
  • 矢野 裕一朗(順天堂大学  総合診療科学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 腎疾患政策研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
4,546,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
生活習慣病の増加および高齢化を背景として慢性腎臓病(CKD)患者は増加しており、CKDは末期腎不全のみならず心血管疾患の重要な危険因子として国民の健康寿命に大きく影響している。腎疾患対策検討会では、CKD重症化予防を推進し、年間新規透析導入患者数の減少、CKD患者のQOL維持向上を目標のひとつとしているが、全国レベルでCKD診療実態を継続的かつ包括的に把握するシステムは未整備である。
本研究では、腎臓学会・腎臓病協会が構築してきたJ-CKD-DB、J-CKD-DB-Ex及びNDB等の既存データベースを活用し、日本におけるCKDの診療実態を可視化するとともに、診療の質評価指標の策定、ガイドライン推奨治療の遵守状況と予後との関連解析、ロジックモデルを用いたCKD対策の進捗管理手法を構築することを目的とした。さらに、持続可能かつ自立的なデータ利活用基盤を整備し、今後の腎疾患政策立案に資するエビデンス創出を目指した。
研究方法
J-CKD-DB-Exは2014年から2024年までに10施設、529,169症例まで拡充された。CKD診療実態解析では、代謝性アシドーシス管理実態や蛋白尿陰性CKD患者の特徴解析などを進めた。また、CKD診療ガイドラインの遵守度と腎予後との関連を検討した結果、ガイドライン遵守度が高い群では腎イベント発生リスクが有意に低下していた。
さらに、早期蛋白尿減少と腎アウトカムとの関連、eGFR slope予測モデルの開発、全身炎症とCKD進展との関連など、多数の研究成果を国内外学会および論文として公表した。加えて、腎疾患対策ロジックモデルを構築し、政策進捗を定量的に評価する基盤整備を進めた。また難病事業へも貢献すべく、IgA腎症等の腎臓難病のDBを構築し、解析した。
結果と考察
J-CKD-DB-Exは2014年から2024年までに10施設、529,169症例まで拡充された。
CKD診療実態解析では、代謝性アシドーシス管理実態や蛋白尿陰性CKD患者の特徴解析などを進めた。また、CKD診療ガイドラインの遵守度と腎予後との関連を検討した結果、ガイドライン遵守度が高い群では腎イベント発生リスクが有意に低下していた。
さらに、早期蛋白尿減少と腎アウトカムとの関連、eGFR slope予測モデルの開発、全身炎症とCKD進展との関連など、多数の研究成果を国内外学会および論文として公表した。加えて、腎疾患対策ロジックモデルを構築し、政策進捗を定量的に評価する基盤整備を進めた。
本研究により、日本におけるCKD診療実態を継続的に把握可能な基盤整備が大きく進展した。特に、J-CKD-DB-Exを活用した診療実態解析により、ガイドライン遵守と腎予後改善との関連が示され、標準治療普及の重要性が科学的に裏付けられた。
一方で、全国的なデータ統合やNDBの本格活用については制度的・運用上の課題が残されている。また、ロジックモデルにおける評価指標収集方法のさらなる精緻化も必要である。今後は、データベース間連携とPDCAサイクルによる継続的改善を推進し、CKD対策の政策立案および診療の質向上へつなげる必要がある。
結論
J-CKD-DBおよび関連データベースを活用した診療実態解析により、日本におけるCKD診療の可視化基盤構築が進展した。ガイドライン遵守と腎予後改善の関連が示され、診療の質向上に向けた重要なエビデンスが得られた。今後は、持続可能なデータ基盤整備と政策への実装を進めることで、CKD重症化抑制および新規透析導入患者減少への貢献が期待される。

公開日・更新日

公開日
2026-10-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2026-10-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
202511004Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
5,000,000円
(2)補助金確定額
5,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,345,085円
人件費・謝金 1,709,019円
旅費 0円
その他 550,010円
間接経費 454,000円
合計 5,058,114円

備考

備考
自己資金充当ありのため。

公開日・更新日

公開日
2026-10-27
更新日
-