慢性腎臓病(CKD)に関する普及啓発のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
201022005A
報告書区分
総括
研究課題名
慢性腎臓病(CKD)に関する普及啓発のあり方に関する研究
課題番号
H22-腎疾患・一般-002
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
秋澤 忠男(昭和大学 医学部内科学講座腎臓内科学部門)
研究分担者(所属機関)
  • 旭 浩一(福島県立医科大学 医学部腎臓高血圧・糖尿病内分泌代謝内科学講座、腎臓内科)
  • 安藤 康宏(自治医科大学 腎臓内科学)
  • 中山 昌明(東北大学 血液浄化療法部)
  • 北村 健一郎(熊本大学大学院 生命科学研究部 腎臓内科学分野・腎臓内科)
  • 藤垣 嘉秀(浜松医科大学医学部附属病院 腎臓内科)
  • 前島 洋平(岡山大学病院 腎臓・糖尿病・内分泌内科)
  • 平方 秀樹(福岡赤十字病院 腎臓内科)
  • 上村 治(あいち小児保健医療総合センター 腎臓科・小児腎臓病学)
  • 安田 宜成(名古屋大学 CKD地域連携システム寄附講座・腎臓内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 腎疾患対策研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
2,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
慢性腎臓病(CKD)は、増加の一途を辿る透析患者の予備軍として、また心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患(CVD)のハイリスク集団として、その対策が喫緊の課題である。CKDは自覚症状に乏しく、健診などによる早期発見が重要であるが、疾患認知度は低く、かかりつけ医と腎臓専門医との診療連携システムは確立されていない。そこで本研究ではCKD認知度を効率的に高める普及啓発手段の策定と推進、ならびにCKD診療連携システムの確立を目的とする。
研究方法
1.CKD啓発ツールの開発と普及啓発:CKDの重要性をPRするツール制作し、行政や医師会を通じCKD啓発をはかる。世界腎臓デーに向けて、医療関係者や一般市民を対象とした講演会やイベントを企画運営するとともに、マスメディアによる報道を誘致する。
2.CKD診療連携ツールの開発:腎臓専門医とかかりつけ医のCKD診療連携マニュアルを策定する。
3.CKD認知度調査:宮城、福島、栃木、東京、神奈川、静岡、愛知、岡山、福岡、熊本の10都県において特定健診の受診者各1,000名を抽出し実施する。対象者を2群に分けてCKD啓発の前後でアンケート調査を行い、CKD認知度の改善を統計学的に解析する。
結果と考察
1.CKD啓発ツールの開発と普及啓発:一般市民を対象にしたCKD啓発用のリーフレット一万部、ポスター500部を全国47都道府県と医師会に頒布した。腎臓専門医に日本慢性腎臓病対策協議会を通じ提供し、世界腎臓デーの幟を制作し提供した。東京、宮城、福島、愛知、岡山などでCKD啓発イベントを開催し、広く一般市民にCKD啓発を行い、新聞やテレビの報道を得た。
2.CKD診療連携ツールの開発:CKD診療連携マニュアルとそのエッセンスをまとめたシート、マニュアルの紹介スライドを作成し、全国47都道府県と医師会に頒布し、腎臓専門医には日本慢性腎臓病対策協議会を通じ提供した。小児のCKD診療連携マニュアルの作成を進めた。CKD啓発ツール、診療連携ツールは日本慢性腎臓病対策協議会のホームページからダウンロードが可能とし、使用者の職種や使用目的、頒布地域や数をアンケート調査しCKD啓発度をモニターできる。
3.CKD認知度調査:CKD認知度をはかるアンケート調査票を作成し、2万部を印刷した。岡山市、仙台市、中津川市の市民公開講座でその有効性を検証した。CKD啓発と認知度改善の前向き介入研究を日本腎臓学会倫理委員会に申請中である。
結論
本研究の成果によりCKD疾患啓発、診療連携の基盤が整備された。

公開日・更新日

公開日
2011-09-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201022005Z