印刷教材と携帯電話フィードバックシステムを用いた食生活の改善及び運動指導プログラムの開発に関する研究

文献情報

文献番号
201021078A
報告書区分
総括
研究課題名
印刷教材と携帯電話フィードバックシステムを用いた食生活の改善及び運動指導プログラムの開発に関する研究
課題番号
H21-糖尿病等・若手-006
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
山津 幸司(佐賀大学 文化教育学部 健康スポーツ科学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 熊谷 秋三(九州大学 健康科学センター)
  • 佐藤 武(佐賀大学 保健管理センター)
  • 小西 史子(佐賀大学 文化教育学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国の2型糖尿病やメタボリックシンドローム(MS)保有者の増加が深刻な国家的課題となっている。地域・職域における糖尿病やMS保有者の増加速度は顕著であり、一次予防の観点から健康支援の対象を予備軍や生活習慣不良者にまで拡大すると、従来型の対面指導中心の保健指導では対応しきれないのは目に見えている。また、情報通信技術(Information Communication Technology: ICT)の顕著な進歩が目覚しい。本研究では、この先進技術を糖尿病やMSの予防に活用するための方法論の確立を目指す。その具体的な取り組みとして、研究2年目となる平成22年度には、1)昨年度開発済みの印刷教材単体での評価に関する研究、2)印刷教材による介入後の携帯電話を用いた個別フィードバックシステムの開発、を行った。
研究方法
印刷教材単体での介入研究は、職域や地域の保健課題を想定し次のように行った。
1つ目の職域介入研究では、F県の事業所で働く中年勤労者34名に対し、小冊子を用い3ヵ月間の食と運動行動の介入を行った。
2つ目の地域中高年女性に対する介入研究では、S県S市在住の中高年女性16名を対象に、小冊子を用い、3ヵ月間の食と運動行動の介入を行った。
3つ目の農漁村在住中高年者介入研究では、S県S町在住の32名(平均年齢63.8歳)に対し本教材と歩数計を配布し1ヶ月間の簡易介入を行った。
また、携帯電話を介した個別フィードバックシステムを開発した。
結果と考察
印刷教材の介入研究では、次のような結果がえられた。
職域介入研究では、介入終了者のうち約半数にあたる16名に腹囲の減少が認められた。
地域中高年女性への介入研究では、体重、BMI、体脂肪率や腹囲の減少、心理面の改善が認められた。
農漁村在住中高年者介入研究では、町の検診結果説明会に参加した60名のうち53.3%(32名)が参加を希望し、90.6%(29名)が介入を終了することができた。参加者の多くは農漁業地域の中高年者であったが、終了率は高く、印刷教材による介入が難しいと思われる地域でも本教材は適用可能と考えられた。
携帯電話を活用した個別フィードバックシステムを開発し、来年度に行う印刷教材と同時に本システムを用いた介入研究の準備を進めた。
結論
本研究にて作成した印刷教材は、職域だけでなく地域の中高年者に対する行動変容にも一定の成果が期待できることが確認できた。

公開日・更新日

公開日
2011-06-17
更新日
-

収支報告書

文献番号
201021078Z