保健指導実施者の技術の向上を図るための教育方法の開発

文献情報

文献番号
201021076A
報告書区分
総括
研究課題名
保健指導実施者の技術の向上を図るための教育方法の開発
課題番号
H22-循環器等(生習)・若手-022
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
小出 恵子(岡山大学大学院保健学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 草野恵美子(千里金襴大学看護学部)
  • 小野美穂(川崎医療福祉大学医療福祉学部)
  • 北脇知己(岡山大学大学院保健学研究科)
  • 山崎光洋(岡山大学教師教育開発センター)
  • 岡本玲子(岡山大学大学院保健学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
1,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、生活習慣病予防のための行動変容を促す個別保健指導において、保健師に必要なコアとなる技術項目(以下、コア技術項目)について体系的に検討し、教育プログラムを開発する基礎資料とすることである。
研究方法
本研究では、行動変容理論である変化のステージモデル(Prochaska ,J.O.1994)と改訂ヘルスプロモーションモデル(Pender N.J,1996)を理論的基盤とした。
調査対象は、産業・行政に勤務し、生活習慣病を予防するための行動変容を促す保健指導に従事した経験が5年以上ある、もしくは特定保健指導の担当者の経験がある保健師5名であった。調査方法は、フォーカスグループインタビューである。なお、本研究は所属大学倫理審査委員会により承認を得るとともに、倫理的配慮について口頭および文書にて説明し、同意書を得た。
技術項目を作成する枠組みとして、保健師はどのような目的を達成するために、どんな場面にどのような行為を行うのか、そのコアとなる内容を示すことが効果的と考えられた。変化ステージ理論、改訂ヘルスプロモーションモデル等を用いて、対象者ごとに必要なアプローチを検討し、6つの技術項目案(中項目は15項目)を作成した。
技術項目の内容妥当性や網羅性について研究者会議において検討し、修正した。また看護系大学の教員、行政・産業に勤務する保健師に各項目の妥当性や文章表現、追加が必要な項目について意見を収集した。
結果と考察
行動変容を促す保健指導におけるコア技術項目は大項目6項目、中項目17項目であった。1つ目は対象者と関係をつくる技術、2つ目は対象者をアセスメントする技術、3つ目は行動変容に対する関心・意欲を高める技術、4つ目は健康課題と生活実態を結ぶ技術、5つ目は生活実態と行動目標を結ぶ技術、6つ目は行動変容に対する自信を高める技術であった。
これらの技術項目が示すように、行動変容を促すためには対象者と保健師との関係をつくりながら、対象者の生活状況を把握しながら気持ちや関心の程度を常にアセスメントすることが必要と考えられる。また、対象者自身が課題に気づき考えるためには、オープンクエスチョンの効果的な活用が重要であると示唆された。
結論
行動変容を促す保健指導におけるコア技術項目は大項目6項目、中項目17項目であった。今後は、保健指導を実践している産業・行政に勤務する保健師に内容を確認してもらい、技術項目の内容妥当性を高めるとともに、コア技術項目の具体的な実践例について意見収集し、技術項目の内容を深めていく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2011-06-17
更新日
-

収支報告書

文献番号
201021076Z