健康づくりのための運動基準・運動指針改定ならびに普及・啓発に関する研究

文献情報

文献番号
201021073A
報告書区分
総括
研究課題名
健康づくりのための運動基準・運動指針改定ならびに普及・啓発に関する研究
課題番号
H22-循環器等(生習)・指定-021
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
宮地 元彦(独立行政法人 国立健康・栄養研究所 健康増進プログラム)
研究分担者(所属機関)
  • 田畑 泉(独立行政法人 国立健康・栄養研究所 健康増進プログラム)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は「健康づくりのための運動基準2006・運動指針2006」改定に資するために、1)系統的レビューによるエビデンスの収集と分析、2)栄研コホートによる運動指針の妥当性の検討を行うことである。
研究方法
1)運動基準2006を改定するために、健康寿命の延伸、生活習慣病予防、廃用性症候群の予防のために必要な身体活動量や体力について検討した前向きコホート研究のシステマティックレビューを行った。さらに、運動指針2006の改定に資するために、身体活動と環境との関連について検討したコホート研究に関するシステマティックレビューも行った。2)「運動基準2006」における身体活動量の基準値週23EXの妥当性を検証するために、30歳から64歳までの健康な男女を対象として、大規模無作為割付介入研究を実施した。
結果と考察
1)運動基準改定のためのシステマティックレビューに関して、2011年3月25日のPubMed検索により4580本、医中誌検索により527本の論文が選ばれた。一次レビューにより英語論文673本、日本語論文17本が採択された。今後6月中旬までに二次レビューを終了する予定である。さらに、身体活動と環境にかんするシステマティックレビューに関し、検索により131本、一次レビューにより56本、二次レビューにより22本の論文が選択された。身体活動や健康に好ましい影響を及ぼす環境要因として、①高い住宅密度、②良い景観、③公園・緑地が近い、④良く整備された道路、⑤運動施設が近い、⑥便利な公共交通機関、⑦質が高い住宅、⑧良い治安・交通安全、⑨近隣住民特性、⑩ソーシャルサポートの多さ、が挙げられた。2)大規模介入研究に関して、平成23年末において、ベースライン測定を終了者は923名、1年後測定終了者は625名、2年後測定449名、3年後測定221名であった。3群における身体活動量の1年間の変化を3群で比較すると、身体活動介入群においてのみ有意な増加を示した。ベースラインでの横断的分析では、週23EXを達成者の生活習慣病危険因子が望ましい状況にあるものの、1年間の縦断的分析において3群間に生活習慣病危険因子の差が認められなかった。
結論
以上の研究をさらに発展させ、2011年度に予定されている運動基準・運動指針の改定に資するエビデンスを構築すること、さらにその普及・啓発に関する研究を遂行することを来年度の目的とする。

公開日・更新日

公開日
2011-09-21
更新日
-

収支報告書

文献番号
201021073Z