保健・医療の栄養管理サービスの評価に基づく専門的人材育成のシステム構築に関する研究

文献情報

文献番号
201021068A
報告書区分
総括
研究課題名
保健・医療の栄養管理サービスの評価に基づく専門的人材育成のシステム構築に関する研究
課題番号
H22-循環器等(生習)・指定-016
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
伊達 ちぐさ(兵庫県立大学 環境人間学部)
研究分担者(所属機関)
  • 中坊 幸弘(川崎医療福祉大学大学院 医療技術学研究科)
  • 吉池 信男(青森県立保健大学 健康科学部)
  • 石田 裕美(女子栄養大学 実践栄養学科)
  • 小松 龍史(同志社女子大学 生活科学部)
  • 奈良 信雄(東京医科歯科大学 医歯薬学教育システムセンター)
  • 永井 成美(兵庫県立大学 環境人間学部)
  • 赤松 利恵(お茶の水女子大学大学院 人間文化創成科学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
14,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 平成14年以降の新しい管理栄養士教育の成果を検証し、栄養管理の専門職を養成する教育システムを構築するための基礎資料を得ることを目的とした。
研究方法
 最初に栄養管理に関するコンピテンシー(習得すべき知識・技術能力)の指標を開発するために、コンピテンシー開発の考え方と枠組みについて、国内外の文献レビューを実施した。その結果から、管理栄養士のコンピテンシーモデルとして、基本コンピテンシー[目に見えない(中核的、認知的な)もの、価値観、自己確信、意欲、態度]、管理栄養士としての共通コンピテンシー(態度、知識、スキル、PDSサイクルに基づくマネジメント能力)、職域別コンピテンシー(公衆栄養、臨床栄養、給食経営管理)の3層構造のコンピテンシーモデルを考案した。管理栄養士養成施設卒業時点で到達が必要な専門的実践能力は、「管理栄養士養成課程におけるモデルコアカリキュラム」をベースとして、40項目が整理・抽出された。コンピテンシー項目抽出には専門家パネルを用いた短期的な研究デザインを採用した。これらの項目をもとに4年生用と教員用の質問紙を作成した。平成22年12月に4年生が在籍する総ての管理栄養士養成施設(111施設)に質問紙を送付した。
結果と考察
 平成23年2月末日までに回答があったのは101施設、4年生在籍数の合計は8,094人であった。回答がなかった養成施設における4年生の在籍者数は不明のため、定員数を代用して111施設の4年生在籍者総数を推計すると9,111人であった。学生の回答用紙の回収数は6,830枚であったが、マークシート部分に対する回答個数が0個の場合を除外すると6,821枚となった。全施設の4年生在籍者総数に対する回収率は74%、回答を得た101施設の4年生合計に対する回収率は84%であった。教員を対象とした質問紙については、101施設から372人の回答を得た。各施設に教員4人の回答を依頼したので、回収率は92%であった。
 50%以上の4年生が「十分にできる」または「できる」と答えたコンピテンシー項目は36項目中13項目であった。一方、「十分にできる」または「できる」と答えた4年生が25%未満の項目が3項目あった。学生と教員の評価は概ね似ていたが、教員の評価の方が高いと考えられる項目も見受けられた。
結論
 今後は、本データを基としたコンピテンシー項目到達度の科学的な評価とともに、高い到達度を生み出す要因の分析が求められる。

公開日・更新日

公開日
2011-06-15
更新日
-

収支報告書

文献番号
201021068Z