日本人の食事摂取基準の改定と活用に資する総合的研究

文献情報

文献番号
201021067A
報告書区分
総括
研究課題名
日本人の食事摂取基準の改定と活用に資する総合的研究
課題番号
H22-循環器等(生習)・指定-015
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
徳留 信寛(独立行政法人国立健康・栄養研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 佐々木 敏(東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻)
  • 吉池 信男(青森県立保健大学)
  • 森田 明美(国立健康・栄養研究所 栄養疫学)
  • 木戸 康博(京都府立大学大学院 生命環境科学研究科)
  • 柴田 克己(滋賀県立大学 人間文化学部)
  • 上西 一弘(女子栄養大学 栄養学部)
  • 坪田 恵(宇津木 恵)(国立健康・栄養研究所 栄養疫学)
  • 石田 裕美(女子栄養大学 栄養学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
25,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本人の食事摂取基準の次期改定に資するエビデンスの構築とエビデンスに基づく活用法の創出と検証を実施する。
研究方法
本年度は、以下の課題について調査・研究を実施した。
1.様々な生活習慣病に関する既存エビデンスの分析評価
2.同位体を用いたカルシウムおよびたんぱく質必要量の推定
3.妊婦・授乳婦・乳児の栄養摂取状況の分析
4.高齢者の栄養摂取・身体状況の調査・分析
5.尿の生体指標利用を検討するための介入試験
6.望ましい活用に関する情報等の収集および実行可能なアセスメント方法についての検討
結果と考察
平成22年度の主な成果は、以下のとおりであった。
1.様々な生活習慣病に関する既存文献を分析し、エビデンステーブルを作成した。また、生活習慣病予防ガイドラインなどから新規文献の収集・精読を行った。
2.たんぱく質必要量推定のための基礎的実験を行い、呼気13CO2排泄量で体内の指標アミノ酸酸化を推定できることを確認した。また、ダブルアイソトープ法により閉経後女性の真のカルシウム吸収率を測定した。
3.妊婦・授乳婦の鉄・カルシウムの栄養摂取について、新規疫学調査の立ちあげと既存データを用いた横断調査による分析を実施した。
4.施設入所高齢者のビタミンK摂取量はAIよりも多いが、骨における不足指標は異常値の頻度が高いことを示した。また、地域在住高齢者に対する栄養摂取調査を実施した。
5.尿中排泄物の生体指標利用性を検討するため、妊婦の葉酸とビタミンB6を測定したところ、摂取量はEARを下回るものの排泄量は非妊娠女性と差がないことを確認した。
6.活用の検討として、保育所を対象とした調査を実施した。また、管理栄養士等における食事摂取基準の理解度や栄養管理報告書の役割に関する調査も実施した。アセスメントでは、習慣的摂取量の推定に大きな季節変動を示す栄養素があることを明らかにした。
結論
本年度は3年計画の初年度であり、基礎実験・予備調査を中心に実施した。
生活習慣病に対する目標量設定については、次年度以降システマティックレビューを行い検討する。
安定同位体を用いた測定や尿の利用可能性に関する実験的研究、妊産婦などの栄養摂取に関する疫学的研究は、本年度予備的な実験調査を実施し、来年度以降には対象を拡大した研究を実施予定である。
活用に関しては、アセスメント方法の検討に加え、給食施設での活用上の問題や、管理栄養士の理解度等に至るまで、多方面からのアプローチに取り組んでいる。

公開日・更新日

公開日
2011-06-15
更新日
-

収支報告書

文献番号
201021067Z