生活習慣病対策における行動変容を効果的に促す食生活支援の手法に関する研究

文献情報

文献番号
201021058A
報告書区分
総括
研究課題名
生活習慣病対策における行動変容を効果的に促す食生活支援の手法に関する研究
課題番号
H21-糖尿病等・一般-003
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
武見 ゆかり(女子栄養大学 栄養学部 食生態学研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 足達 淑子(財団法人 日本予防医学協会)
  • 坂根 直樹(京都医療センター 臨床研究センター)
  • 西村 節子(大阪府立健康科学センター 健康開発部 栄養指導班)
  • 赤松 利恵(お茶の水女子大学大学院 人間文化創成科学研究科)
  • 林 芙美(女子栄養大学 食生態学研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
12,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
内臓脂肪減少を目的とした効果的な食生活と支援手法の検討として、前年度に引き続き,保健指導における減量成功要因の量的,質的検討を行い、その結果をふまえ,支援者用ツールとして,「脱メタボリックシンドローム用 食・生活支援ガイド(第1案)」を作成した。
研究方法
1.減量成功要因の量的検討:既存データ等を用いて,1年後までの減量維持に関する成功要因の検討を行った。飲酒習慣や喫煙習慣との関連も検討した。また,グループ支援によるリバウンドやドロップアウトの要因を検討した。さらに,体重コントロールの誘惑場面の対策に関する検討を行った。2.減量の成功・非成功要因の質的検討:前年度に実施した成功事例への個別インタビューの詳細な分析を行った。また,評価時の減量が2%未満の非成功事例の勤労男性を対象に個別インタビューを実施し,減量成功を阻む要因を抽出した。3.前年度の質的研究の結果をふまえ,初回面接による対象者の気持ちの変化等を把握するための初回面接直後調査票を作成し,検討を始めた。4.以上をふまえ,「食・生活支援ガイド(第1案)を作成した。
結果と考察
減量の成功・非成功要因をふまえ、以下の支援のポイントが示唆された。
1)既存データの量的検討から,初期の1か月後の体重減少率が,評価時の減量成功及びその後の減量維持に関与していることが明らかになった。質的検討からも,1か月後前後の減量の実感,良い変化の実感の有無がその後の成功に関わることが示された。したがって,初回面接とその1か月後までが重要と示唆された。
2)初回面接直後の対象者の気持ち,受け止め方、取組みへの準備性の把握が重要とされた。
3)食生活では,行動目標として設定したこと以外の,自分なりの工夫による食生活改善や認知的対処が,全ステージを通じて重要とされた。
4)無理のない行動目標は重要だが,効果が期待できる程度のものか確認が必要である。
5)喫煙や飲酒が減量成功及び維持の阻害要因である可能性が示唆された。したがって,喫煙者や飲酒者に対応した食生活支援スキルが必要であり,適正飲酒の指導,禁煙指導,ストレス対処など,食生活以外の生活習慣全般への支援が重要とされた。
結論
以上の支援ポイントを盛り込んだ指導者用ツールとして「食・生活支援ガイド(第1案)」を作成した。ガイドは初回面接時,継続支援時,評価時の3つから構成した。

公開日・更新日

公開日
2011-10-26
更新日
-

収支報告書

文献番号
201021058Z